茂木:それは結果論じゃないですか。それに、面接について「英語での口頭試問がなかった」なんて、ちまちました話ですよ。そういう批判に夢中になっている日本人ははっきり言って「バカ」だと思うんだよね。まったく戦略性がないし、分析的思考のかけらもない。そうした批判をいくら熱心にしたところで、日本の国力が上がるかと言えば、上がらないでしょう。日本で「自分がエリートだと思っている」人たちって、海外のいわゆるベスト・アンド・ブライテスト(聡明なエリート層)から見ると、かなり見劣りすると思いますよ。
山本:うーん、リスクバランスが非常に欠けているというのは、私も感じているところではあるんですけど。それに、国力を引き上げることが重要だというのも同意します。
茂木:山本さんは、引き上げてようとしてるの?
山本:そうですね。ただ私の考えでは、平均値を上げないことには全体のクオリティが保てないと思うんです。裾野がせまければ、ピークに立てるエリートの数も少なくなるわけで。
茂木:サッカー選手は、ワールドカップに出ているトップ選手のパフォーマンスを見て自分たちに何が足りないのか気がつくわけだから、他の分野の人も同じだと思うんだよね。ごちゃごちゃ言わなくても、「すごい人の背中を見て、あとはそれぞれで考えて」でいいかなと思っているんだけど。
山本:もちろんピラミッドの高みをどんどん高くしていって、あとは自然についてくるのを待つ方法もあると思いますけど、一方で高みを上げるためには、そもそもの競争環境を改善していかなければならないとも思います。みんな、意外と打たれ弱かったりするわけじゃないですか。専門家たちも、ツイッターで罵声を浴びせられて嫌になったりしている人も多いはずです。そういう環境をどうにかするというのも、これからの日本を考える上でのひとつの重要命題だと思います。
※この対談の続きは、やまもといちろうさんのメルマガ「人間迷路」で連載されています。
やまもといちろうメルマガ「人間迷路」
ネット業界とゲーム業界の投資界隈では知らぬ者のない独特のポジションを築き、国内海外のコンテンツ制作環境に精通。日本のネット社会最強のウォッチャーの一人であり、また誰よりもプロ野球とシミュレーションゲームを愛する、「元・切込隊長」ことやまもといちろう氏による産業裏事情、時事解説メルマガの決定版!
【 料金(税込) 】 756円 / 月 <初回購読時、1ヶ月間無料!!> 【 発行周期 】 月4回前後+号外
購読・詳細はこちら!
茂木健一郎さんの新刊『「赤毛のアン」で英語づけ』
高校一年のときに「赤毛のアン」を原書で読むことによって英語力が飛躍的に高まったという茂木氏。「とにかく最初から最後まで読み通す」ことで、自信をつけて「英語脳」を身につけることが英語力向上の秘訣。本書を一冊読めば英語力も自然とアップし、「赤毛のアン」という物語が持つ魅力にも触れることができます。名文で「英語脳」を強化する!!


その他の記事
![]() |
本当の「ひとりぼっち」になれる人だけが、誰とでもつながることができる(名越康文) |
![]() |
『小説家と過ごす日曜日』動画版vol.001<IRA’Sワイドショー たっぷりコメンテーター><恋と仕事と社会のQ&A>(石田衣良) |
![]() |
今年買って印象に残ったものBest10(小寺信良) |
![]() |
「新聞を読んでいる人は、政治的、社会的に先鋭化された人」という状況について(やまもといちろう) |
![]() |
捨てることのむつかしさ?(やまもといちろう) |
![]() |
スウェーデンがキャッシュレス社会を実現した大前提としてのプライバシーレス社会(高城剛) |
![]() |
週刊金融日記 第287号<イケメンは貧乏なほうがモテることについての再考察、小池百合子は出馬するのか他>(藤沢数希) |
![]() |
このイカが意外に便利、スマホ三脚「SQUIDDY」(小寺信良) |
![]() |
「日本の動物園にできること」のための助走【第一回】(川端裕人) |
![]() |
煉獄の自民党総裁選、からの党人事、結果と感想について申し上げる回(やまもといちろう) |
![]() |
相反するふたつの間にある絶妙なバランス点(高城剛) |
![]() |
対人関係の9割は「自分の頭の中」で起きている(名越康文) |
![]() |
クラウドファンディングの「負け戦」と「醍醐味」(西田宗千佳) |
![]() |
僕がネットに興味を持てなくなった理由(宇野常寛) |
![]() |
僕たちは「問題」によって生かされる<前編>(小山龍介) |