家入一真
@hbkr

家入一真×上祐史浩悩み相談(2)

負け組の人間が前向きに生きていくために必要なこと

【質問】辛いこと、大変なことがあっても前向きに生きていくには、どうすればいいですか。

 

上祐:家入さんからみなさんが学べることは、苦しみがあればやさしさが生じるということではないでしょうか。辛いことや大変なことがあれば、その分だけ自分がやさしさという心の宝を得られると考えれば、辛いこと、大変なことが、必ずしも悪くないと考えられるのでは。

やさしさというものが大切だという考えが強まれば、苦しみは喜びに変わってくると思います。困難がない人にやさしさは生じない。もう少し言えば、孤独のない人にやさしさは生じない。そういう逆転の発想をするのは、ひとつの方法だと思います。

自分の住んでいる場所がコンクリートジャングルなどと言われて、寂しい。自分を本当に愛してくれる人、その人によって自分の価値を感じられる人がいない。今そういう人たくさんいますから。孤独感や寂しさが広がっていることを考えても、これからはやさしさが重要になってくる。

仏教で最もあつく信仰されているのが、慈悲の、やさしさの化身である「観音菩薩」です。相当人気があるんですけど、その誕生の逸話は苦しみに満ちています。

というのも、親に捨てられ、悪い人に売られ、孤島でずっと苦役をやらされていたんです。自分はそこから逃げたいと思ったけどどうにもならない。だったら苦しみの経験を縁として、他人の苦しみを理解し取り除く者になろうと決意して、観音菩薩になった。ピカピカの神の子から観音菩薩になったんじゃない。苦しいばっかりの人生が、最も敬愛される仏教的存在になった。そういった意味では、苦しみこそ慈悲の源という考え方ができる。これは今の社会一般の考え方と全然違う。普通は苦しみから逃げよう、逃げようとする。でも逃げ切れないこともあるじゃないですか。逃げ切れない苦しみは、慈悲の源に生かすという考え方です。

 

家入:なるほど。でも、こういうお話を聞くと、「もっと苦しみたい」と思う人が出てきたりするんですかね。

 

上祐:いやぁ、それはケースバイケース。やっぱり苦しみって嫌だから。でも、その苦しみが悪いことばかりじゃないって考えることで、少し緩和されて、慈悲ややさしさを持てれば、一歩抜け出せる。

 

家入:ブッダも、もともと金持ちの息子とかでしたっけ。

 

上祐:そうです。王子でしたが、王位を捨てて世に下り、8年修行して、悟りに至りました。

 

家入:「なんで俺だけこんないい生活してるんだろう」という苦しみを感じていたのかな。

 

上祐:それもあったかもしれないですね。あと、自分がいずれ老いて死ぬことを思うとむなしくなって……というのがあったみたいですね。半分ノイローゼ状態になって、断食したり動物みたいな生活を送りながら、地べたをはい回って修行した。だから、ブッダは人間の頂点と底辺、両方経験した。喜びも苦しみも、経験は知恵になる。

 

家入:ふり幅もでかくなりますね。

1 2 3
家入一真
1978年生まれ。起業家/投資家/クリエイター。悪ふざけをしながら、リアル・ネットを問わず、カフェやWEBサービスや会社など、遊び場を作りまくっている。JASDAQ最年少上場社長。40社程の若手ITベンチャーにも投資している。解放集団Liverty代表、JASDAQ上場企業paperboy&co.創業者、カフェ運営企業partycompany Inc.代表取締役、ベンチャー投資企業partyfactory Inc.代表取締役、クラウドファンディングCAMPFIRE運営企業ハイパーインターネッツ代表取締役。個人名義でも多数のウェブサービスの立ち上げを行うクリエイターでもある。

その他の記事

「逃げる」というのは「努力しない」ということじゃないよ(家入一真)
そんなに「変」じゃなかった「変なホテル」(西田宗千佳)
乙武洋匡さんの問題が投げかけたもの(やまもといちろう)
「残らない文化」の大切さ(西田宗千佳)
シンクロニシティの起こし方(鏡リュウジ)
「どうでもいいじゃん」と言えない社会は息苦しい(紀里谷和明)
なぜこれほど本は売れなくなったのか(岩崎夏海)
たまにつかうならこんな「ショートカット」(西田宗千佳)
週刊金融日記 第317号【外国語を使ったAttractionフェーズ攻略法、トヨタ自動車2018年3月期決算純利益2.5兆円他】(Array)
発信の原点とかいう取材で(やまもといちろう)
働き方と過ごし方。人生の“幸福の総量”とは(本田雅一)
東大生でもわかる「整形が一般的にならない理由」(岩崎夏海)
「ゴールデンウィーク」という呼び名の由来から考えるメディアの寿命(高城剛)
週刊金融日記 第272号<高級住宅地は子育てにまったく向かないという話 他>(藤沢数希)
能力がない人ほど「忙しく」なる時代(岩崎夏海)
家入一真のメールマガジン
「家入学級」

[料金(税込)] 648円(税込)/ 月
[発行周期] 月2回配信(第1,第3火曜日配信予定)

ページのトップへ