名越康文
@nakoshiyasufumi

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)より

ガイアの夜明けで話題沸騰! 15期連続2桁増収のスーパーの人事戦略を支える「類人猿分類」のすごさ

34
テレビ東京系「ガイアの夜明け」2015年6月23日放送「快進撃スーパーの裏側 驚きの人材力!」で紹介された広島の食品スーパー「エブリイ」。その快進撃の原動力にあるのは人材をゴリラ、オランウータン、チンパンジー、ボノボの4タイプに分類する、「類人猿分類」と呼ばれる性格分類法だった。類人猿分類の監修者である精神科医の名越康文さんが、その魅力を語る。

 

9月11日、類人猿分類の決定版、ついに刊行!

類人猿分類公式マニュアル2.0  人間関係に必要な知恵はすべて類人猿に学んだ

cover02会社でも学校でも、サークル活動でも、人が集まるところには、互いを褒め、認め合うことがチーム力を高める上で大切であることは、誰もが認識しています。しかし、互いのタイプの違いを無視すれば、せっかくの声かけも、相手の心に響かない、ということにもなってしまうでしょう。

本書で紹介する類人猿分類「GATHER」(Grate Apes Teach Human Eternal Relationships;類人猿が人間関係を教えてくれる)は、人間のタイプをオランウータン、チンパンジー、ゴリラ、ボノボの4タイプに分ける性格分類法です。グループメンバーの会社である株式会社エブリイホーミイホールディングス社内の人事研修に積極的に取り入れた結果、同グループ中核を担うスーパーマーケット事業株式会社エブリイは「15期連続2桁増収」「8期連続増益」「1㎡あたり売上高、1㎡あたり営業利益、在庫回転率全国1位」という大きな成果を上げることができました。

本書でご紹介するのは、㈱エブリイホーミイホールディングス社内の人事研修を中心に、Team GATHER Projectがこれまで日本全国で行ってきた類人猿セミナーで得られた知見をまとめた、類人猿分類の集大成ともいうべき内容です。

社内の人材を生かすマネジメントツールとしてはもちろんのこと、学校やスポーツチーム、サークル、NPOなどのグループ活動、あるいは家族や友人との対人関係などに幅広く活かせる内容となったと確信しています。

manual_click

 

類人猿分類はこうして生まれた

類人猿分類は、僕がアドラー心理学を共に学んでいた友人、岡崎和江さんの発案に拠るものです。その後、僕が研究してきた性格分類である「体癖論」の考え方も加味して体系化したものです。

岡崎さんは福山の食品スーパーグループ「エブリイ」で取締役として活躍される傍ら、学校カウンセラーとして、心理臨床にも携わってこられた方です。そんな岡崎さんが7、8年前からお猿さんの研究に没頭されている、ということはずっと聞いていました。京大の類人猿研究所はもちろんのこと、全国の動物園に足を運んではゴリラ、チンパンジー、オランウータン、テナガザルなどを観察し、また、類人猿研究の専門書を読みふけっているということを聞いて、僕は正直、「岡崎さん、どうしたんかなあ?」と訝しく思っていたんです(笑)。

そうやって熱心に研究を続けているうちに、岡崎さんはだんだんと、類人猿の行動というのは非常に個性的である、ということに気づき始めます。特に、チンパンジー、オランウータン、ゴリラ、ボノボという4種の大型類人猿の性格傾向をまとめてみると、概ね、ほとんどの人間のパーソナリティをカバーできているのではないかと考えるようになった。これが、類人猿分類の原点です。

ですから、類人猿分類の原点は、性格分類よりもむしろ、類人猿に対する岡崎さんのひとかたならぬ興味・関心にあった、というわけです。この点が、他の性格分類と類人猿分類を少し趣の違うものにしているのではないかと思います。

 

類人猿への潜在的な興味・関心がもたらす力

岡崎さんから、「こういうことを考えているんだけど、心理学的な見地からみてどうだろうか」という相談を受け、僕も岡崎さん推薦の類人猿の本を読んだり、福山で数回にわたってセミナーのゲスト講師として参加させていただくことで、自分がもともとライフワークにしてきた性格分類や、その他の性格分類法と比べ、検討してみました。

性格分類というのは実はすごく歴史が深くて、占星術とか、エニアグラムなんていうと、それこそ数千年にわたる歴史があります。また、ユングやクレッチマー、シュタイナー、といった、著名な心理学者たちがさまざまな性格分類、あるいは性格類型法を提唱してきました。僕自身も、野口整体の体癖論をベースにした性格分類をずっと研究していることは、ご存知の方もいらっしゃると思います。

そういう名だたる分類法と比較すると圧倒的に「新参者」の類人猿分類の実力はどうなのか?

まず、他の性格分類法と比べて、分類法としてまったく遜色がないということは言えそうでした。そしてもうひとつ、類人猿分類独特の強みがあることにも気づきました。

例えば、チンパンジーってどんな性格だと思う? と聞いたら、特に類人猿についての知識がない普通の人であっても「ちょっとお調子者」「集団で行動する」「明るい」といった答えが返ってきます。

同じようにオランウータンだと「じっとしている」とか「けっこう深く物事を考えていそう」とか、「好き嫌いが激しそう」という印象がある。

ゴリラは、映画「キングコング」のために、猛々しいイメージをもつ人も多いかもしれないけれど、ドキュメンタリーなんかでちょっと映像を見せると、非常に落ち着いた、平和的な性格とか、繊細さとか、いざとなると仲間を守ろうとすると勇気のようなものを感受できるでしょう。

ボノボは、一般的にはあまり知られていないけれど、やはり映像を見ると、愛情欲求が強そうとか、過干渉な感じというのが印象としてぱっと伝わってきます。

そういうふうに、類人猿というと、僕らは何も予備知識がなくても、ある程度のイメージをもっています。このイメージの力によって、ひとつひとつの分類について「こういう性格ですよ」と教えたり、学んだりするプロセスをかなり省略することができる。これが、他の性格分類にはない、類人猿分類の大きな強みとなっているような気がします。

このことを僕は、実際に福山で数回、グループセッションをやるなかで確信することができました。心理学的なトレーニングを積んでいない素人の方でも、1回2回のセッションで、かなり性格分類を使えるようになれる。それだけ僕らは、類人猿という存在に思いのほか興味・関心を持っているんでしょうね。

 

職場やプライベートの人間関係にすぐに役立たせることができる

類人猿分類のもうひとつの特徴は、「すぐに現場で使える」ということです。職場、あるいは社会のなかでの人間関係、チーム、対人関係のかかわりのなかでの問題解決モデルが基本にある。ただ性格を知る、というのではなく、現場で即使える性格分類である、ということが、類人猿分類の大きな特徴です。

岡崎さんは社員数百人を抱える会社を束ねる企業人です。取引先の企業も含めて、ものすごくたくさんの人と出会い、対話を交わしてきました。出会い、交流した相手の数は、ベテランカウンセラーでもかなわないくらいでしょう。そういう、一企業人としての直感が類人猿分類には込められている。

企業人というのは、常に人の適材適所ということを考えています。「こういう性格の人はこういう部署にいいんじゃないか」「この人とこの人を組み合わせてみたらどうだろうか」ということを常に考えている。そういう人が類人猿の研究に数年にわたって没頭した結果、「これを人間にあてはめてみるとおもしろいんじゃないか」と思いついた、その直感は信用できると思うんです。

4分類という、分類数の少なさも、類人猿分類を実用性の高いものにしています。というのは、実は4つという数は、人間がカテゴリー分けするときにざっくり把握できる最大数ではないかと思うからです。

4つというと少なそうですが、さまざまな場面、状況、個々のキャラクターとの組み合わせによって、かなり複雑な関係性を説明することが可能です。むしろ、会社や学校、組織といった場で人間関係を円滑なものにしていくように、集団心理の力動をうまく制御したり、コントロールするというレベルにおいては、それくらい大胆に大きくカテゴリー分けしたほうが有効なんですね。

 

GATHERセミナーはなぜ盛り上がるか

類人猿分類を体験するセミナーは「GATHERセミナー」と題して、これまで数回、広島県の福山で行なわれています。この類人猿分類のセミナーは、毎回、非常に盛り上がります。それは、自分のことを、「オランウータンだ」「ボノボだ」と自認するときに起きる、肯定・否定両面での心の動きによるものだと思います。

これが例えば「トラだ」「カモノハシだ」というのでは、ここまで盛り上がらない。遺伝子レベルでは97-98%同じという類人猿だからこそ、ある意味くすぐったいほど心理的に刺激されるところがあるのでしょう。

だからこそ、セミナー参加後も、日常生活の中で学びが深まっていくということが起こりやすいのだと思います。例えば会社の上司を見て「あ、この人はゴリラやな」とか「あ、この人がこんなことを言うのはチンパンジーだからだな」といった理解が、日常のなかで自然と深まっていく。そうやっておもしろがってやっているうちに、案外、心理学の中級レベルまで到達してしまう。そういううまいコンテンツなんです。

性格心理学の入門編として類人猿分類は格好の教材です。興味のある方はぜひ楽しみながら、学んでいただければと思います。

簡易診断アプリ「類人猿診断」
http://yakan-hiko.com/gather.php
ape_cover_shop

 

ゴリラの冷や汗

4つの力が チームを動かす

13期連続2桁増収、6期連続増益。
急成長する食品スーパー「エブリイ」。
従業員の個性を活かす人事の秘密はネットで話題の「類人猿分類」だった!

我々は、組織が一人ひとりの人間に対して位置と役割を与えることを、当然のこととしなければならない。(ピーター・ドラッカー)
仕事は仲間をつくる(ゲーテ)
全ての人には個性の美しさがある(ラルフ・ワルド・エマーソン)

古来、多くの賢人や成功者が「チームワーク」の重要性を説いてきました。しかし異なる個性を持つメンバーの強みを活かし、弱みを支えあうことは容易ではありません。本書ではウー太、ゴリ平、チー助、ボノちゃんの4人による心温まるストーリーを通して、人間が持つ個性の違いと、チームワーク向上のヒントを学びます。創造性あふれる一匹狼のクリエイターも、チームを引っ張るリーダーも、生真面目な管理者も、明るいムードメイカーも、本書を読み終えた瞬間から、仕事や対人関係の持ち方に大きな変化が現れることでしょう。

 

amazonで購入する

 

9月11日、類人猿分類の決定版、ついに刊行!

類人猿分類公式マニュアル2.0  人間関係に必要な知恵はすべて類人猿に学んだ

cover02会社でも学校でも、サークル活動でも、人が集まるところには、互いを褒め、認め合うことがチーム力を高める上で大切であることは、誰もが認識しています。しかし、互いのタイプの違いを無視すれば、せっかくの声かけも、相手の心に響かない、ということにもなってしまうでしょう。

本書で紹介する類人猿分類「GATHER」(Grate Apes Teach Human Eternal Relationships;類人猿が人間関係を教えてくれる)は、人間のタイプをオランウータン、チンパンジー、ゴリラ、ボノボの4タイプに分ける性格分類法です。グループメンバーの会社である株式会社エブリイホーミイホールディングス社内の人事研修に積極的に取り入れた結果、同グループ中核を担うスーパーマーケット事業株式会社エブリイは「15期連続2桁増収」「8期連続増益」「1㎡あたり売上高、1㎡あたり営業利益、在庫回転率全国1位」という大きな成果を上げることができました。

本書でご紹介するのは、㈱エブリイホーミイホールディングス社内の人事研修を中心に、Team GATHER Projectがこれまで日本全国で行ってきた類人猿セミナーで得られた知見をまとめた、類人猿分類の集大成ともいうべき内容です。

社内の人材を生かすマネジメントツールとしてはもちろんのこと、学校やスポーツチーム、サークル、NPOなどのグループ活動、あるいは家族や友人との対人関係などに幅広く活かせる内容となったと確信しています。

manual_click

 

 

名越康文
1960年、奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、高野山大学、龍谷大学客員教授。 専門は思春期精神医学、精神療法。近畿大学医学部卒業後、大阪府立中宮病院(現:現:大阪精神医療センター)にて、精神科救急病棟の設立、責任者を経て、1999年に同病院を退職。引き続き臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中。 著書に『「鬼滅の刃」が教えてくれた 傷ついたまま生きるためのヒント』(宝島社)、『SOLOTIME~ひとりぼっちこそが最強の生存戦略である』(夜間飛行)『【新版】自分を支える心の技法』(小学館新書)『驚く力』(夜間飛行)ほか多数。 「THE BIRDIC BAND」として音楽活動にも精力的に活動中。YouTubeチャンネル「名越康文シークレットトークYouTube分室」も好評。チャンネル登録12万人。https://www.youtube.com/c/nakoshiyasufumiTVsecrettalk 夜間飛行より、通信講座「名越式性格分類ゼミ(通信講座版)」配信中。 名越康文公式サイト「精神科医・名越康文の研究室」 http://nakoshiyasufumi.net/

その他の記事

なぜ作家に「酒好き」が多いのか(ロバート・ハリス)
「#どうして解散するんですか?」が人々を苛立たせた本当の理由(岩崎夏海)
某既婚女性板関連でいきなり情報開示請求が来た件(やまもといちろう)
パー券不記載問題、本当にこのまま終わるのか問題(やまもといちろう)
国内IMAX上映に隠された映画会社や配給会社の不都合な真実(高城剛)
圧力というものに関して(やまもといちろう)
シーワールドがシャチの繁殖を停止。今の飼育群を「最後の世代」にすると決定(川端裕人)
風邪は「ひきはじめ」で治す! 葛根湯+ペットボトル温灸の正しい使い方(若林理砂)
実態は魑魅魍魎、美味しいと正しいの間に揺れる飲食業界(高城剛)
PS5の「コストのかけどころ」から見える、この先10年の技術トレンド(本田雅一)
教科別の好き嫌いをなくすには?(陰山英男)
新聞業界の斜陽と世迷言について(やまもといちろう)
アマゾンの奥地にしかない「知覚の扉を開く鍵」(高城剛)
貧乏人とおひとり様に厳しい世界へのシフト(やまもといちろう)
驚きとは、システムのほころびを愛でること(名越康文)
名越康文のメールマガジン
「生きるための対話(dialogue)」

[料金(税込)] 550円(税込)/ 月
[発行周期] 月2回発行(第1,第3月曜日配信予定)

ページのトップへ