モノとイメージがリンクする世界
コンシューマに近い展示では、家庭内における映像エンタテイメントとして、Intelligent Imaging for Lifeという展示が面白かった。
白いテーブルの上に、上から写真をプロジェクションして、様々な操作ができる。たとえば撮影したカメラをテーブルに載せると、そのモノを認識して、撮影した写真が表示される。ランタンを載せると、そのランタンに関係する写真が表示されるといった具合だ。
・カメラを置くと、そのカメラで撮影された写真が投影される

・ランタンを置くと、キャンプの写真が広がる

写真の整理も指でテーブルの上を触りながら操作できる。空のフォトフレームをテーブルに載せると、そのサイズで画像をトリミングし、プリントできる。逆にフォトフレームにはまった写真をテーブルに載せると、そのオリジナルの写真が表示され、その時に撮影された動画など、付随するイメージが表示される。
・フォトフレームを置いて、トリミングの構図を決める

現在キヤノンでは、写真のオンラインアルバムや、自動取り込みHDDの「Connect Station」などを展開しているが、将来的にはこういうことを実現していくのだろう。
天井のユニットは、写真などを投影するためのプロジェクタのほか、テーブルに置かれたモノを認識するためのWebカメラ、アクションを検知するためのKINECTなどが一体化されている。
・天井に設置された一連の装置

個人的には、リビングやダイニングの照明がプロジェクタ機能を持つという現象は、後5年ぐらいには起こると思っている。もちろんそこに至るまでには、エネルギー効率とか小型化軽量化とか簡便な自動歪み補正とかいろんな課題がクリアされる必要があるが、今や特定の単色で照らすだけの照明は、LEDシーリングライトの出現でもう終わり始めている。
ただアクションに応じてイメージで照らすという照明手法は、テーブルの上が片付いていないとできないので、「家庭の水準」で当然その賛否がわかれていく。
もはや製造、立体印刷
キヤノンは3Dプリンタも手がけているが、個人的にはそれよりもインパクトが大きかったのが、エンボスを印刷するという手法。インクジェットですうミクロン単位のインク層を積み重ねていき、最高1cm程度の厚みを紙に印刷するという技術で、様々なテクスチャを実現する。動物の皮やデニム、金網といったテクスチャは、反射をうまくコントロールした印刷としてリアルであるだけでなく、触っても本当にデコボコしているので、あらゆるテクスチャが紙で実現できる。
・布の手触り感がある印刷物

・本当にデコボコしてるので、脳が騙される

プリンタ技術のデモではあるのだが、これはもうほとんど製造の領域である。どれぐらいの耐久性を持たせることができるのか、まだこれからではあるものの、本の装丁や製品パッケージ、あるいは製品そのものも、印刷技術によってもう一段進化するだろう。
次の5年後は、もう2020年だ。日本ではオリンピックが決まったことで、何かと言うと目標が2020年にセットされている。その点では、ここから5年間はこれまでとは違ったスピードでの進化が体験できるに違いない。期待して待つことにしよう。
小寺・西田の「金曜ランチビュッフェ」
2015年11月6日 Vol.056 <転ばないようにジャンプ号> 目次
01 論壇【西田】
Apple TVとFire TVの戦略を分析する
02 余談【小寺】
5年後の未来? Canon Expoで見たもの
03 対談【小寺・西田】
「電子書籍ビジネスの真相」の真相(1)
04 過去記事【西田】
「データは同じ」でも音質が違う?!
05 ニュースクリップ
06 今週のおたより
07 今週のおしごと
コラムニスト小寺信良と、ジャーナリスト西田宗千佳がお送りする、業界俯瞰型メールマガジン。 家電、ガジェット、通信、放送、映像、オーディオ、IT教育など、2人が興味関心のおもむくまま縦横無尽に駆け巡り、「普通そんなこと知らないよね」という情報をお届けします。毎週金曜日12時丁度にお届け。1週ごとにメインパーソナリティを交代。 ご購読・詳細はこちらから!
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