ロバート・ハリス
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ロバート・ハリス メルマガ『運命のダイスを転がせ!』

猥雑なエネルギーに満ちあふれていた1964年という時代〜『運命のダイスを転がせ!』創刊によせて

ロバート・ハリスメールマガジン『運命のダイスを転がせ!』Vol.001より
ロバート


 

『運命のダイスを転がせ!』創刊に寄せて

ぼくは今まで、「人生、楽しんだ者勝ち」という思いのもとに生きてきました。

この信条はずっと変わっていません。

ぼくたちはこの生をまっとうするためにこの世に生まれて来ました。だから我々は出来る限り情熱的に、ハッピーに、軽やかに、エレガントに生きる権利と責任があるとぼくは思っています。

ここではみなさんと共にこの人生の楽しさを分かち合い、あらゆる好奇心を満たしていきたいと思います。

愛について、友情について、家族について、旅や映画や本や音楽やスポーツやギャンブルやセックスや食事やファッションやサブカルチャーなどについて、運命や宿命や信仰や哲学や生きる上でのスタンスなどについて書いていくつもりです。そして、それらを通して、みなさんと共に笑い、歌い、月に向かって元気よく吠えていけたら嬉しいなと思っています。

ここ1年半ほどしたためてきた初の長編小説もこのマガジンでみなさんに披露していくつもりです。

あと、Q&Aのコーナーも設けているので、みなさんからの質問、相談、サジェスチョン、自由なやりとりをお待ちしています。どしどし送ってくださいね。

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数々の出会いがあった『ヴィンテージ・ガレージ』

まずはぼくの近況ですけど、5年近く続いたJ-WAVEのラジオ番組『ヴィンテージ・ガレージ』が3月いっぱいで終わりを迎えました。

この番組は毎週日曜日の18時から放送されたトーク番組で、毎回ゲストと車に乗り、ゲストの好きな所に行き、その道中で色々なことについて語り合う、というもの。

ゲストには作家の池井戸潤さんから歌手の一青窈さん、俳優の役所広司さんから格闘家のアントニオ猪木さん、ジャーナリストの鳥越俊太郎さんから映画監督の周防正行さん、お笑いの又吉さんから歌舞伎の片岡愛之助さん、女優の広末涼子さんからパーソナリテイの黒柳徹子さんまで、200人以上の各界の著名人がゲストに出てくれて、仕事やプライベート、理想や夢などについて、心の丈を語ってくれました。

色々な思い出があるけど、収録の後、美輪明宏さんに「ハリスさん、愛してますよ」と言われたのは嬉しかったですね。周りのスタッフはびっくりしていたけど、ぼくもすかさず「ぼくも愛してますよ」とお返ししておきました。

終わってしまったのは悲しいけど、とっても楽しい5年間でした。何かが終わると何か新しいことが始まる。これが人生ですよね。

ゲストのみなさん、そしてこの番組を応援し、楽しんでくれたリスナーのみなさん、長い間、本当にありがとうございました。
 
 

60年代のなかでも「1964年」は
大きなターニングポイントだった

ぼくはここ1年半ほど、初の長編小説となる物語をコツコツと書いてきました。ここまで13万字とちょっと書いたかな。大体24万字ぐらいで終わるとなんとなく思うので、今ちょうど半分ぐらいのところまで来ているということです。

舞台は1964年の横浜です。

きっとこのメルマガを読んでいる人の多くが1964年にはまだ生まれていなかったと思うんだけど、ぼくは1948年の9月生まれなので、1964年は15歳から16歳という年齢でした。

そしてこの小説の主人公、JJ勝谷も15歳の少年。横浜の山手にあるカトリック系の男子校に通う高校一年生。彼は酒もタバコもやる、いわゆる悪ガキですが、本を読むのが大好きで、暖かい家族にも友達にも恵まれています。そんな彼はある夜、ダンスパーティで21歳の魔性の女に出会い. . . という感じでスタートする青春小説です。

このメルマガで連載していくので是非読んでみて下さい。

なぜ1964年という年を選んだかというと、この年は世界的にも日本にとってもターニングポイントとなるような、節目的な年だったからです。

みんながすごかった、すごかったという60年代、そう、激動の’60’sは実際には1963〜64年ぐらいから始まったものだとぼくは認識しています。

いや、たしかに日本では1960年に日米安保新条約に反対する安保闘争が繰り広げられ、61年にはジョン・F・ケネディが大統領に就任し、同年に南ベトナムで初の米兵戦死者が出たり、62年にはキューバ危機が勃発したりと、色々ありましたけど、アメリカという国を2分したベトナム戦争とその反対運動や、カウンター・カルチャーやヒッピー・ムーヴメント、人種差別撤廃を訴える公民権運動や日本での学園紛争など、社会の変革を求めて吹き荒れたSixtiesの嵐が本当に始まったのは63年、64年辺りからでした。

それまでの世界はまだまだ50年代の戦後の保守的で管理主義的な流れを引きずっていて、アメリカの音楽シーンを見てもリッキー・ネルソンやポール・アンカやパット・ブーンやコニー・フランシスなどの甘々なポップソングが主流で、「パパの車を無断で借りて彼女とドライブに行ったら、後でパパに見つかって怒られちゃった」みたいな歌詞が普通に歌われていた時代です。ビートルズやストーンズやボブ・ディランなどのもっととんがった、若者主体で反抗的、反体制的なロックや、反戦を歌ったフォークソングなどが勢いを得ていったのは ’63、‘64ぐらいからのことです。

ベトナム戦争も激化していき、アメリカはどんどん兵士を東南アジアに送り込んで行かざるを得ない状況に陥っていきました。1963年にはサイゴンで独裁的なゴ・ジン・ジエム政権に抗議する僧侶が焼身自殺をして世界を震撼させました。翌年の64年には米駆逐艦がトンキン湾で北ベトナム魚雷艇の攻撃を受けて交戦。アメリカの議会は暗殺されたケネディ大統領の後に就任したジョンソン大統領に戦時権限を付与。戦争はどんどんエスカレートしていきました。

あと、これは後になってわかったことだけど、ヒッピーと呼ばれるカウンターカルチャーの若者達が祖国のアメリカやイギリスを後にし、アジアやインドや中東やアフリカを旅し始めたのもちょうどこのころでした。ぼくは高校を卒業した1967年に世界に飛び出し、ロシアからインドまで旅したんですけど、そのころにはヒッピーたちは世界のロードを、それこそイスタンブールからイランからモロッコからアフガニスタンからインドやネパールまで、席巻していました。どこに行ってもロングヘアーでロマ人のようなエキゾチックな格好をした若者たちで溢れかえっていて、いく先々で「なんか、すごいことになっているな」と思ったのを覚えています。

そんな中、1964年の日本、特に横浜はどうだったかと言うと、かなり刺激的なところでした。東横線沿いの白楽に住んでいたぼくは、中区の山手にある学校に通い、帰りにはよく元町や中華街や伊勢佐木町を友達とほっつき歩いていましたけど、どこへ行っても町は人でごった返し、猥雑なエネルギーに満ち溢れていました。

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【1964年、15歳のとき】

(続きは『運命のダイスを転がせ!』Vol.001にてお読みください)
 
 

ロバート・ハリスメールマガジン
『運命のダイスを転がせ!』2016年3月配信スタート

 
Vol.001<1964年という年:好きな映画トップ10レビュー+年代別好きな映画リスト:Q&Aコーナー:連載小説『セクシャル・アウトロー』1章「雪」>

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既存のルールに縛られず、職業や社会的地位にとらわれることなく、自由に考え、発想し、行動する人間として生き続けてきたロバート・ハリス。多くのデュアルライフ実践家やノマドワーカーから絶大なる支持を集めています。「人生、楽しんだ者勝ち」を信条にして生きる彼が、愛について、友情について、家族について、旅や映画や本や音楽やスポーツやギャンブルやセックスや食事やファッションやサブカルチャー、運命や宿命や信仰や哲学や生きる上でのスタンスなどについて綴ります。1964年の横浜を舞台にした描きおろし小説も連載スタート!

vol.001 目次

01.近況
02.カフェ・エグザイルス:1964年という年
03.物語のある景色:好きな映画トップ10レビュー+年代別好きな映画リスト
04.Q&Aコーナー
05.連載小説『セクシャル・アウトロー』1章「雪」

お申し込みはこちら!初月無料です。

ロバート・ハリス
横浜生まれ。高校時代から国内をヒッチハイクでまわり、卒業後は北欧からインドまで半年間の旅をする。上智大学卒業後、東南アジアを放浪。バリ島に一年滞在後、オーストラリアにわたり延べ16年滞在。シドニーで書店&画廊『Exiles』を経営。ポエトリー・リーディング、演劇、コンサート等を主催、文化人のサロンとなり話題に。映画やテレビの製作スタッフとしても活躍後、日本に帰国。1992年よりJ-WAVEのナビゲーターに。1997年に刊行された初の著書『エグザイルス(放浪者たち)ーすべての旅は自分へとつながっている』(講談社)は、若者のバイブルと謳われ長く読み継がれている。『ワイルドサイドを歩け』『人生の100のリスト』(いずれも講談社)、『エグザイルス・ギャング』(幻冬舎アウトロー庫)、『英語なんてこれだけ聴けてこれだけ言えれば世界はどこでも旅できる』(東京書籍)、『アフォリズム』(NORTH VILLAGE)、『アウトサイダーの幸福論』(集英社)など著書多数。

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