家入一真メールマガジン「家入学級」Vol.56(2016年2月26日発行)より
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Python(パイソン)というプログラミングの言語があるんですが、それを覚えがてら言語解析の勉強をしています。
実際やってみるとすごく面白いんです。簡単に説明すると、文章を「形態素」という、言葉として意味を持つ最小の単位にしてから解析する。例えば、「私は今日ご飯を食べた」という文章を、まずは「私」「は」「今日」「ご飯」「を」「食べた」まで分解する。そうやって単語単位を切り出してから、解析をかけるんです。
「球体の言語空間」というものをイメージしてみてください。辞書のような平面ではなく、球体の空間のなかにいろんな言語の概念が存在している状態です。そういう言語空間があるとして、その中のどこにこの言葉は配置されるか、という発想でプログラミングしていく。例えば、「甘い」という言葉の辺りには「砂糖」とか「白い」とかが存在しているといった具合に。
で、言語空間のなかにあるそれぞれの言葉の位置を数値化しちゃうんです。すると言葉が数字になるので、言葉の計算ができるんですよ。
わかりやすい例だと……
[王様] – [男性] + [女性] = [女王様]
王様という概念から男性を引いて女性を足すと女王様になる。「ダウンタウンの松本人志にあたる場所は、とんねるずに置き換えると石橋貴明」なんてことも、コンピューターで導き出せるんですよ。もちろん、そのためにはデータを与えなきゃいけないけどね。僕はウィキペディアの全文データを突っ込んだりしているだけど、データを学べば学ぶほど賢くなっていく。
人工知能は言葉の意味をとらえることができないといわれています。「赤い」ということについての認識は、人間とコンピューターでは違っていて、赤の意味をコンピューターは理解できない。でも、「赤い」という言葉がどういうことかを列挙できた場合、意味を得たことになるんじゃないのか、という考え方もある。
人間はりんごの画像を見たときに「これはりんごだ」「りんごは赤い」「りんごは食べられる」「りんごはおいしい」「痛んでいるから食べられなさそう」とか、パッと見てわかりますよね。同じようにコンピューターにりんごの画像を見せたとき、コンピューターはその画像以上のデータは得られないし、自分で考えることができない。だけど、言語空間にある言葉の配置から「りんごは果物」「りんごに近いものはみかん」みたいに、りんごと紐付いている言葉を列挙できれば、ある意味、意味を獲得したってことになるんじゃないのかな。
この話は、飲茶さん(作家。最近の著作は『史上最強の哲学入門』)の話してくれた「クオリア」の話にもつながります(『家入学級』Vol.56の2時間目に登場)。飲茶さんは、毎回クオリアの説明をすると、相手に「何言ってるのかわからない」と言われるそうで、僕にも「うまく伝えられるかわからないですけど」と言いながら説明してくれました。
僕も実はわかってないかもしれないけど、目で見て情報が伝達していくものを、その伝達の一部だけを切り取った場合、それははたして赤と言えるのか、みたいな話をしてくれました。なんで赤は赤に見えるのか。そういう話はすごく面白い。
(本記事は家入一真メールマガジン「家入学級」Vol.56(2015年2月26日発行)より一部抜粋しています)
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