「ルールを捨てる」とき、人は成長する 世界のトップビジネスパーソンが注目する「システマ」の効果

システマから私たちが学べるもの

北川 2010年ごろから親子向けにシステマのクラスを始めました。下は0歳、上は小学4年生くらいまで。知人のお母さんから頼まれて始めたときは、子どもたちにシステマを受け入れてもらえるかどうか、半信半疑でした。しかし実際にやってみると、みんな本当に楽しそうにやっています。


システマ親子クラスの様子。システマのトレーニングメニューは子どもにとっても大人にとっても、発見に満ちている
システマから私たちが学ぶのは、「何をしてはいけない」「何をしたら何点プラス/マイナス」というような<ルールへの最適化>ではなく、<自分に秘められた可能性を最大限に伸ばすこと>です。

毎回変わるトレーニングメニューの中で、子ども達は常に「自分は何ができるのか」と問いかけながら、成長しているように見えます。そうした学びは、子供達にとって、ある基準やルールの中で評価が決まる学校教育とはまったく違った体験なのかもしれません。

自分に秘められた可能性を発見していく喜びというのは、子どもたちだけではなく、生まれてから死ぬまで、あらゆる年齢や立場の人間にとって、必要なことだと思います。

例えば、私のクラスの参加者は、平均年齢だと40歳代後半の、働き盛りのビジネスパーソンが多勢を占めています。仕事は多忙を極める上に、子育てや介護、さらに自分の老後の心配などが同時にのしかかってくる状況にあるこの世代の人たちは、体力的にはピークを過ぎていることも自覚しています。

そんな40代の方々にとって、システマのトレーニングを通して「今の自分に何ができるのか」を発見することは、それまでの人生で培ってきたセオリーを一度捨て、さまざまな難題を乗り越えていく上で、欠かせないプロセスとなっているようです。

「ルールを捨てる」ことで、私たちはいつでも、今の自分に何ができるのかを発見することができます。システマは、そのための「世界一具体的なメソッド」だと感じています。

(了)
北川貴英 公認システマインストラクター。システマ東京主催。各地のカルチャーセンターなど年間400コマを越すクラスを指導。「システマ入門( BABジャパン)」「システマ・フットワーク(日貿出版社)」「最強の呼吸法(マガジンハウス)」などシステマ関連の著作を多数執筆し、創始者ミカエル・リャブコ来日セミナーのオーガナイズなどにも携わる。
06年以来、毎年欠かさず数度の海外研修を実施し、知識とスキルのアップデートに努めている。

システマ東京ウェブサイト
http://www.systematokyo.com/

 

新刊『人生は楽しいかい?

人生は楽しいかいカバー
『人生は楽しいかい?』

ゲオルギー・システマスキー著 北川貴英監修

もう他人の価値観には振り回されない!
笑って泣けてためになる、感動のストーリー。

うだつの上がらないサラリーマンの僕が出会った謎のロシア人“ゲオ"。

一見小太りでパッとしないゲオが僕に伝えてくれたのは

ロシア特殊部隊で生まれた「人生を変える方法」=「システマ」だった――。

『人生は楽しいかい?』をamazonで購入する

1 2 3 4 5

その他の記事

週刊金融日記 第268号 <ビジネスに使えて使えない統計学その2 因果関係を暴き出す他>(藤沢数希)
津田大介×高城剛対談「アフター・インターネット」――ビットコイン、VR、EU、日本核武装はどうなるか?(夜間飛行編集部)
出力してこそ、入力は正しく消化される(高城剛)
ソニー平井CEOの引き際。なぜソニーは復活できたのか(本田雅一)
子どもに「成功体験」を積ませることよりも、親の「しくじった話」が子どもの自己肯定感を育むってどういうこと?(平岩国泰)
コロナ禍以前には戻らない生活様式と文化(高城剛)
この星に生きるすべての人が正解のない世界を彷徨う時代の到来(高城剛)
安倍晋三さんの総理辞任と国難級のあれこれ(やまもといちろう)
週刊金融日記 第308号【日本の大学受験甲子園の仕組みを理解する、米国株は切り返すも日本株は森友問題を警戒他】(藤沢数希)
今世界でもっとも未来に近い街、雄安(高城剛)
低価格なウェアラブルモニター「Vufine」(西田宗千佳)
インドの聖地に見る寛容さと格差の現実(高城剛)
『悲劇の誕生』ニーチェ著(茂木健一郎)
「消費者安調査全委員会」発足、暮らしの事故の原因究明は進むのか?(津田大介)
腸のためにも脳のためにも、もっと咀嚼を!(高城剛)

ページのトップへ