※この記事は本田雅一さんのメールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」 Vol.003 (2017年8月25日)からの抜粋です。
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なぜ、減量において「タンパク質」が重要なのか?
前回(「本田雅一の IT・ネット直球リポート」 Vol.002で読めます)、タンパク質についての言及にのみ先送りしたのには理由がある。減量を行う上で、タンパク質は極めて重要な栄養素だからだ。
まずある程度の短い期間であれば、タンパク質以外の栄養素を摂取しなくとも生きていける。タンパク質は身体を作るための素材という側面もあれば、それ自身を分解して糖質に変換し、エネルギー源とすることができる。糖質ダイエットなどの手法が提案される理由は、太古の昔、人間は糖質を摂取する手段が極めて限定的で、身体の機能として糖質がなくとも生きていけるようになっているのだ……という説明があるのはご存知の人も多いだろう。
次にタンパク質は他の栄養素に比べ、消化し身体に吸収するまでのプロセスにおいて身体に負担をかけるという点が異なる。タンパク質の分解と吸収までには3時間以上が必要で、その消化器官における能力をフル稼働させなければならない。そのために必要なエネルギーは、摂取したタンパク質が持つカロリーの30%にも達するという。ちなみに脂質の消化吸収には12%、炭水化物(糖質)の消化吸収は7%以下というからその違いは圧倒的。
このことが示すのは、同じカロリーの食物を食べても、高タンパクな食材は最終的に体内に吸収されるカロリーが低い(相殺されるため)ということと、消化吸収までに時間がかかるためお腹持ちが良くなるということだ。
これは消化吸収が良い麺類を食べるとお腹がすぐに空き、赤身肉ばかりをたくさん食べた日は、翌日になっても満足感が持続している……などの経験(したことありますよね?)からも明らかだ。
牛肉を食べるなら「内モモ」や「外モモ」、
寿司を食べるなら「トロは1貫まで」
肉食系のダイエットを勧める本などを見ると、こうした側面に加え、筋肉量の維持や生成に必要となるL-カルニチンが肉類に多く含まれるからといった言及もあるが、その量は決して必要充分とは言えず、とりわけ牛肉で摂取していると肉が含む脂肪もあって確実にカロリーオーバーになってしまうため、正しいとは言えない。
しかし、タンパク質が減量において大きな役割を持っていることは間違いない。過去に効果的と言われたアトキンソンダイエットも、肉ばかりを食べるというコンセプトだ。食事にコストがかかることを除けばお手軽だが、ひとつ忘れられていることがある。「肉を食べればいい」というだけでは、そこに含まれる脂肪について意識がいかなくなるからだ。
例えば僕は牛肉に関して「内モモ」や「外モモ」、あるいは「トウガラシ」といった部位があれば、極力そうした部分を食べるようにしている。焼き鳥ならば皮がついたものは避け、モモ肉より胸肉を食べるようにしている。仮にサーロインステーキを食べるといった時は、キレイに脂身を取り去るようにするし、魚類もなるべく脂が少ないものを食べるようになった。
魚に関しては、例えばトロや冬の脂が乗った食材もいただくが、それもお鮨の1貫ぐらいに留めている。我慢しているように思えるだろうが、脂以外の美味しさについて知るようになれば、ひたすらトロばかり食べるよりも、さまざまな美味しさのバリエーションを楽しめるようになったと思う。
と、少々話が脱線したが、タンパク質中心のダイエットをするのであれば、摂取する肉類が含む脂質がどの程度あるのかを意識して選択すると、その効果が現れやすい。まずはお試しあれ。ただし、極端な糖質制限は1ヶ月程度、長くとも2ヶ月以内に収めたほうがいい。なぜなら糖質制限を長期間続けていると、筋肉を分解して糖質を作り始めてしまうため、身体全体の筋肉量が下がってしまい太りやすい体質になるから。
僕が朝、必ずGI値の低い食材で糖質を摂取するのは、それが長期間の減量を続ける上で必要なことだと思うからだ。もし糖質制限を行うのならば、徹底して糖質を抑え、できれば野菜が含む糖質もカットし、短期間で終えることを勧める。僕はそれをしたくないがゆえに、極端な高タンパクダイエットはしていない。
その代わり、行動パターンを変えることを併用して40キロ以上の減量を果たした。次回は、行動パターンがどのように減量・増量に作用するかについて話を進めたい。
(この続きは、本田雅一メールマガジン 「本田雅一の IT・ネット直球リポート」に連載予定)
本田雅一メールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」
2014年よりお届けしていたメルマガ「続・モバイル通信リターンズ」 を、2017年7月にリニューアル。IT、AV、カメラなどの深い知識とユーザー体験、評論家としての画、音へのこだわりをベースに、開発の現場、経営の最前線から、ハリウッド関係者など幅広いネットワークを生かして取材。市場の今と次を読み解く本田雅一による活動レポート。
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