
現在、「漫画村」など関連サイトについては当メルマガでも重ねて取り上げておりますが、捜査当局や漫画村関係者などへの取材をしてみると、いまなお、当局の誰からも事情を聴かれていない模様です。
どうも、本件「漫画村」問題では、知財本部によるブロッキング問題に関する議論だけが先行して話題になっているものの、事件としては警視庁・警察庁は認知しておらず、所轄警察署などへの権利者からの被害届が出ていない可能性が高くなってきました。
ところが、知的財産に詳しく、政府の知的財産戦略本部の検証評価企画委員会にて「知財計画2018」で委員をされている弁護士の福井健策さんは、自身のTwitterでもこのように述べています。
現場対策がほぼ手詰まりであることは、自ら経験して断言できる。このまま拡大が続けば、マンガ・アニメの現場への壊滅的な影響度は予想もつかない。ブロックは、欧米など既に42ヶ国で導入されており、海賊版視聴の激減・正規版の売上回復のいずれも実証データがある。
https://t.co/NjSMjD6j30— 福井健策 FUKUI, Kensaku (@fukuikensaku) April 6, 2018
私は緊急導入やむなしの意見です。 1海賊版サイトで月間訪問者1億6000万・日本の全中高生を超えるユニーク読者数は異常事態であり、報道にもある通り、紙はもちろん既に正規版電子コミックの売上さえ急落している。
>海賊版サイト:遮断要請へ 政府、著作保護に「緊急避難」 https://t.co/6XqbXMZkiO— 福井健策 FUKUI, Kensaku (@fukuikensaku) April 6, 2018
福井さんのいう「現場対策がほぼ手詰まり」としておきながら、権利者として所轄警察署に被害届を提出していない状況であるがゆえに、警視庁・警察庁が具体的な経済犯罪として捜査に着手していないのだとすると、そもそもこのブロッキング議論の前にやるべきことがされておらず、放置された状態のままであったことが晒されてしまいます。
また、海賊版サイトへの対策という点では、漫画などの電子配信を手掛ける業者が、自主的努力として「漫画村」など違法サイトやリーチサイトの広告主に直接広告の掲載を控えるよう申し入れをしているという状態です。私の取材に対して電子配信の事業者が要請を行った事実を認め、実際に広告を配信停止させています。
通常は、これらの民間による海賊版ビジネスを支える収入に打撃を加えるプロセスと併せ、海賊版サイトに対する警察当局の捜査を行わせるのがあるべき対策だったわけですが、肝心の被害状況を知らせる被害届の提出が行われていなかったとなると、「被害届も出さずになぜブロッキングの議論だけ政府が先行させて無理筋のブロッキング依頼をISPに対して出させる検討をしたのか」という批判になるでしょう。
なんというか、やるだけやって駄目なので緊急対応するという話が、警察に相談もしていなかったというオチになると、ブロッキングを推進するといった当事者たちは大変恥ずかしいことになるのではないかと思うのですが。
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