※高城未来研究所【Future Report】Vol.403(2019年3月8日発行)より

今週は、東京にいます。
マイナス10度の大雪だったセドナからサンフランシスコでの仕事を終えて東京に戻ると、すっかり春。
春模様というより春雨が続く天気ですが、南米アマゾンの奥地から極寒のセドナをまわって戻る久しぶりの東京では、すっかり傘をさす習慣がなくなってしまいました。
かつてロンドンに住んでいた頃、雨でも傘をささない人ばかりなのに驚きましたが、「フィナンシャル・タイムズ」の東京支局長を務めた英国人ジャーナリスト、デイヴィッド ピリングが書いた「日本-喪失と再起の物語 黒船、敗戦、そして3・11」のなかで、「自然を愛する日本人がことさら雨を嫌がるのはなぜか?」と説いていたことを、ふと思い出しました。
日本では四季を通じて雨が降り、昔から詩歌に詠まれ「雨を感じ、時には楽しみながら生きてきた」はずですが、いつの日か、ちょっとした雨でも「嫌だ」と感じるように、日本人の心は大きく変容してしまいました。
他ならぬ、先月までの僕もそんな一人でした。
もし、本メールマガジンをお読みの方々も、ちょっとした雨でも「嫌だ」と感じるようなら、そこには、「失ってしまった日本ならではの自然観」があるのかもしれません。
かの坂本竜馬の僚友、武智半平太がモデルになった戯曲「月形半平太」に、「春雨じゃ、濡れてまいろう」という名台詞がありまして、ここには、春雨に濡れていくのも風情があり、四季を楽しむ心の余裕とともに、動乱の幕末維新期を乗り切るため、それくらいのこと(春雨ぐらい)では、一々対処せずに自然に身を任していた姿勢が伺えます。
近代的なアウトドア商品群は、フェスや夏の風物詩ではなく、いまや、年間を通じて、都会を生き抜くツールとして再考すべきなのかもしれません。
さて、随分長い時間かかりました「30年後の世界」を描いた最新刊が、半年遅れでついに脱稿!
本書は、前作「分断した世界」とあわせ、足掛け5年の歳月をかけて「世界の大きな変革期のはじまり」を取材しながら、この先30年間を推察した一冊です。
この間、米国のトランプ大統領誕生や英国のEU離脱など、数年前には考えられなかった出来事が、続々と現実になったのを目の当たりにしてきました。
タイトルは「2049日本がEUに加盟する日。Human3.0の誕生」。
発売は、4月5日です(たぶん)。
高城未来研究所「Future Report」
Vol.403 2019年3月8日発行
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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