※この記事は本田雅一さんのメールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」 Vol.063「新型コロナウイルスのデマに立ち向かう方法、我が家の場合」(2020年3月2日)からの抜粋です。
日本列島、どこに行っても新型コロナウイルスの話題ばかり。東日本大震災の時と比べるのは不謹慎かもしれないが、当時と似ているのは経済の循環が著しく低下していることだ。今日だけでも、飲食店を経営する知人4人から「予約キャンセルが相次いでいるので、食べに来てくれないか」と遠回しにお願いされた。
もちろん、時間と場所が合うならば使いたいところだが、急に都合を合わせることもできなければ食事相手の都合もある。個人的には自宅に近い懇意にしている飲食店で、わずかばかりの売上でも貢献しようか、なんて程度のことしかできない。
個人的な仕事の範囲で言えば、展示会やイベント、新製品発表会の開催見合わせなどもあり、記事を書くネタがだんだん尽きてきているという面もあるが、まだ危機の入り口だと思えてならない。平日昼間の都内の電車がガラガラで、銀座の百貨店が閑散としているのは想像の範疇(はんちゅう)ではあったが、大切な友人たちが大切に育ててきたお店が危機に瀕している様子を聞くと、やはり心が痛む。
いよいよ、東日本大震災当時を思い起こす危機的状況なのだろうか? そう思わせるのが、ネット上でのデマの多さだ。
Topic 新型コロナウイルスのデマに立ち向かう方法、我が家の場合
新型コロナウイルスへの対応は、もっとも身近な家族の状況を元に対応していくべきことだろう。我が家の場合、妻との二人暮らしで彼女は専業主婦。私一人が外部との接触点を持つ家族だ。ならば、衛生的な対処を徹底することで新型コロナウイルスへの感染リスクを下げやすいでしょうね……と軽く考えられればいいのだが、そこには特殊な事情もある。
妻は完治が難しい病気を患っており、その対処療法のために抵抗力が低下しているからだ。具体的には、血液中の好中球が大幅に減少している。理屈だけで言えば、好中球はウイルスに対する抵抗力とはならない(細菌に対する抵抗力を持つ)ため、ふつうの人との違いはあまり気にしなくていいのだろう。しかし、”“体力”、“抵抗力”といった曖昧な言葉で表現するならば、抵抗力は決して高い状況にはない。
したがって、可能な限り感染リスクを下げるべきで、家庭にウイルスを持ち込まないことを最優先に行動せねばならない。命に関わることだからだ。しかし、一方で筆者は自営業であり、そこにはジレンマもある。
働かざる者、喰うべからず。新型コロナウイルス対策で仕事上の活動量が減れば、それはそのまま収入へと直結する。家族が健やかに暮らすためには一定以上の収入は必要だ。リスクを避けましょう……と悠長に言っていられないのは、毎日のジャーナリストの活動を続けなければ家族を支えられないからでもある。そんな中、思い出しているのは2011年の東日本大震災時の記憶だ。
危機に陥ると増える“デマ”と“過度の自粛”
ある会社での勉強会に講師として話をしてきたのだが、その中で「新型コロナウイルスが収束するよう、2ヶ月ぐらい日本全体で休めばいいのに」という意見が、かなり真面目な口調で聞かれた……
(この続きは、本田雅一メールマガジン 「本田雅一の IT・ネット直球リポート」で)
本田雅一メールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」
2014年よりお届けしていたメルマガ「続・モバイル通信リターンズ」 を、2017年7月にリニューアル。IT、AV、カメラなどの深い知識とユーザー体験、評論家としての画、音へのこだわりをベースに、開発の現場、経営の最前線から、ハリウッド関係者など幅広いネットワークを生かして取材。市場の今と次を読み解く本田雅一による活動レポート。
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