※高城未来研究所【Future Report】Vol.488(2020年10月23日発行)より
今週は、金沢にいます。
冬が来る前に調子を完全に整えておこうと考えまして、およそ9ヶ月ぶりに、以前、頻繁に訪れていたクリニックへお伺いし、各種点滴やバイオロジカル検査を行なっています。
普段メンテナンスのために、いったいどのような点滴やバイオロジカル検査を選んでいるのか、といったご質問を多数頂戴しますので、今週は参考までに僕のメニューをザッと紹介したいと思います。
まず、行きの新幹線のなかで、到着2時間前になったら、体内重金属を排出力を見るためのキレート剤DMSAを飲みます。
「体内重金属検査」は、簡易な掌でスクリーニングする検査から毛髪を調べる検査まで数種ありますが、一番正確かつ、個々によって異なる排出力がわかるのが「6時間蓄尿メタル検査」です。
服用後、二時間はトイレに行くことができない上に、この間、なにも食べられませんが、クリニック到着早々蓄尿をはじめて、その後4時間、他の検査や人間ドックに臨みます。
このペースで進行すれば、都内から日帰りでも多くの検査が可能となるクイックコースです。
そして、クリニック到着直後の空腹時に血を抜き、現在の状態を可視化するため、早ければ数時間後、遅くても翌日にわかる「至急報告書」を見ながら、点滴メニューを考えます。
それによると現在、赤血球の体積である「MCV」と血色素量「MCH」が基準値範囲内とはいえ若干高いので、ビタミンB12と葉酸が、サプリメントでうまく取り込めていないことがわかりました。
そこで、カクテル点滴の「マイヤーズ・カクテル」です。
米国メリーランド州のジョン・マイヤーズ医師は、風邪や喘息、慢性疲労などの患者に、点滴で栄養素を大量に投与して治癒力を高める治療法を開発ました。
それが栄養点滴療法(ビタミンセラピーIV)と呼ばれる「マイヤーズ・カクテル」です。
カクテルの内容は、大量のビタミンB群・ビタミンC・マグネシウム・カルシウムなどで、気管支喘息、偏頭痛発作、全身倦怠・疲労、慢性疲労症候群、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、甲状腺機能亢進症、生理不順、更年期症状、不眠、うつ症状、歯周病、耳鳴り、花粉症、インフルエンザ、風邪などに効果があります。
あわせて、B12サプリメントも口径からではなく、首に貼るパッチタイプに変えることにしました。
続いては、「高濃度ビタミンC」点滴。
経口摂取、つまりサプリメント等で小腸から吸収されるビタミンCには限度があり、血中濃度をガツンと大きく上げることができませんが、血中濃度を急上昇させて大きなピークを作り出すことによって、驚くほどの抗酸化作用を高めるのが「高濃度ビタミンC」点滴です。
容量は、以前のように移動続きの日々だったら、50gを入れることもありましたが、今回は25gで十分と判断。
血管痛を和らげるため、また、ミネラルも一緒に排泄されてしまうことから、不足しているマグネシウムを多めに入れました。
そして、「幹細胞培養上清点滴」。
病気や老化で失った機能を、化合物や薬ではなく人体の再生する細胞を利用して元に戻す「幹細胞」は、研究の進捗がニュースで取り上げられるほど注目を集めますが、名前だけを付加したコスメティック商品もある等、品質がピンキリですので相当注意が必要です。
必ず、信頼できるクリニックで点滴を受けることが絶対です。
この幹細胞は、トカゲのしっぽが再生するように、組織の修復再生に必要不可欠なもので、実は傷の修復だけでなく、体の細胞そのものを再生します。
なかでも、良質な他家細胞を使った幹細胞培養上清点滴は、「至急報告書」の炎症マーカーであるフェリチン値に以前も効果的でしたので、直近の食事を思い起こしながら、対処的に打つことにしました。
ただし、「有機酸検査」を行う予定があるときは、前日の点滴に制限がありますので、翌朝の午前中まで滞在し、その他、体内に蓄積されたカビ毒をチェックする「マイコトキシン検査」や、薬品、殺虫剤、加工食品環境汚染などの有毒化合物質をチェックする「GPL-TOX検査」のため、朝一に採尿し、その後、各種点滴に臨み、ランチを食し、クリニック内にある良質な温泉に入ったあと、次の目的地に向かうのが僕の定番コースです。
この十年ほどで、血や尿からバイオハッキングするテクノロジーが著しく進歩したため、「現在の体内の状況」が次々可視化されています。
このような一連の流れは、コンピュータ・プログラムのバグフィックスやウィルスチェッカーと似ており、そう考えると、あたらしいファーム・アップやバージョン・アップできる日も、そう遠くないと年々感じています。
今後の先端医療が、楽しみです。
さて、今週は秋晴れにも恵まれましたが、朝晩の気温差もあり、また曇天の日はかなり寒くなってきました。
実は、数日間金沢に滞在しましたが、日中の時間すべてをクリニック内で過ごしたため、街へほとんど出ていません。
窓辺から空を見上げても、今年の秋は短く、冬の訪れは思ったより早そうだと感じる、今週の金沢です。
僕に限りませんが、こんなご時世ゆえ、早めに免疫力を上げておく準備をしましょう!
高城未来研究所「Future Report」
Vol.488 2020年10月23日発行
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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