名越康文
@nakoshiyasufumi

朝日カルチャーセンター新宿出版記念講座より

「なぜ本を読まなければいけないのか」と思ったときに読む話

この記事は、2017年8月2日に、朝日カルチャーセンター新宿教室で行われた、『Solo Time 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』の内容を採録したものです。

 

 

「なぜ本を読まなければいけないのか」と思ったときに読む話

 

本の役割って、大きくわけると2つあるんです。

ひとつは「内容を伝える」ということ、もうひとつは「行動を後押しする」ということ。

それで、実は本でも、映画でもそうなんですけど、「内容」って、限られたものなんです。

「諦めなければ、きっと成功できる」
「人助けをすると、まわりまわって自分のためになる」
「信じ続ければ、必ず救われる」

そんなことぐらい知ってるよ!

って言いたくなりますよね。確かに。

実際、本に書いてあることって、こうやって「一言」に要約したら、その正誤は別にして、みんな、最初から知っていることだし、当たり前のことばっかりなんです。

でもね、実際には本を読んだり、映画を観て、人生が変わる人もいる。ここで何が起きているのか、ということが大事なんですよね。

 

 

「内容」だけでは何も変わらない

 

「内容」だけ伝えられて、それに納得したところで、人生は「一ミリも」変わりません。

 

それは僕の本も同じです。最新刊の『ソロタイム 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』だって、一言で要約したら「他人に振り回されるのは良くないよね」ということに尽きます。

そんなこと、誰だってなんとなくわかっていますよね(笑)。ですからもし、僕の本に意味があるとすれば、それは「内容」そのものではなく、それを読んだ人が、行動を変え始めるかどうか、ということにかかっていると思うんです。

ただね、ここが難しいところなんです。というのも、「行動を変えなければ意味がない」ということについて本当に正面から口にしまった瞬間、本も映画も、売れなくなるんです(笑)。

なぜかというと、「行動を変える」ためには、どうしたって、面倒なことや、厄介なことを乗り越えていかなくちゃいけないから。読者は、「行動を変える」ということを強調されると、「あ、もしかして私、面倒なことをやらなきゃいけないんじゃない?」ということを、ちょっと直感する。

だからね、売れている本とか、映画とか、漫画というのは、その辺りを上手に「二段仕込み」にしているんです。

『三丁目の夕日』『ララランド』『ライムライト』『風と共に去りぬ』……

どの映画も素晴らしい。でも、内容自体は、たいしたことを言っていない(笑)。何がすごいかというと、それにも関わらず、いや、それだからこそ、観た人何パーセントかが、次の日から、人生の歩みを変え始める「仕掛け」がある。

ただ、その「変える」きっかけは、「内容(つまり何が言いたいか)」じゃないんです。内容だけだったら、人生は変わらないですからね。

 

 

内容もさることながら、人生を変える「仕掛け」にこだわって書きました。

 

早速3刷! 『ソロタイム(Solo Time) 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』


著者:名越康文
四六版並製、256ページ
ISBN:978-4906790258
定価1600円+税
夜間飛行 2017年6月12日刊

アマゾン→http://amzn.to/2raktov

honto→https://honto.jp/netstore/pd-book_28512870.html

 

■内容

他人の言葉や常識に振り回されず、
納得のいく人生を送るために必要な
新時代のライフスタイルの提案!

5000人のカウンセリング経験から得た精神科医の結論!

「会社や家族、友人や恋人といったさまざまな人間関係を維持していくことだけに、人生のエネルギーと時間の大半を注ぎ込んでいる人は少なくありません。しかし、そのことが、現代人の不幸を生み出しています。
人間関係は大切だけれど、それ自体は人生の目的ではないのです」

「日ごろの人間関係からいったん手を離し、静かで落ち着いた、ひとりぼっちの時間を過ごす。たったそれだけのことで、何ともいえないような虚しさが、ふっと楽になった、という人は、少なくありません」
(本書より)

<<各所で絶賛!! 話題沸騰!!>>

繋がりを繋がりに戻すためにはひとりの時間が必要です。「ひとりになってみる!」とひとり宣言をしてみる。そしたら思っている以上に勇気が出たり、自分の力を取り戻せていけますよ。(しいたけ占いのしいたけさんブログより)

ラジオ「伊集院光とラジオト」「ハフポスト日本版」「ビジネスブックマラソン」など、各メディアで大きく取り上げられました!

名越康文
1960年、奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、京都精華大学客員教授。 専門は思春期精神医学、精神療法。近畿大学医学部卒業後、大阪府立中宮病院(現:大阪府立精神医療センター)にて、精神科救急病棟の設立、責任者を経て、1999年に同病院を退職。引き続き臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中。 著書に『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』(角川SSC新書、2010)、『毎日トクしている人の秘密』(PHP、2012)、『自分を支える心の技法 対人関係を変える9つのレッスン』(医学書院、2012)、『質問です。』(飛鳥新社、2013)、『驚く力 さえない毎日から抜け出す64のヒント』(夜間飛行、2013)などがある。 名越康文公式サイト「精神科医・名越康文の研究室」 http://nakoshiyasufumi.net/

その他の記事

石田衣良がおすすめする一冊 『ナイルパーチの女子会』柚木麻子(石田衣良)
『小説家と過ごす日曜日』動画版vol.001<IRA’Sワイドショー たっぷりコメンテーター><恋と仕事と社会のQ&A>(石田衣良)
私の武術探究史の中でも記憶に残る技法ーーDVD『甲野善紀 技と術理2016―飇拳との出会い』(甲野善紀)
経営情報グループ『漆黒と灯火』というサロンらしきものを始めることにしました。(やまもといちろう)
「疑う力」を失った現代人(名越康文)
今だからこそ! 「ドローンソン」の可能性(小寺信良)
人間関係は人生の目的ではない <つながり至上社会>の逆説的生き残り戦略「ひとりぼっちの時間(ソロタイム)」(名越康文)
IT野郎が考える「節電」(小寺信良)
なぜ「正義」に歯止めがかからなくなったのか 「友達依存社会」が抱える課題(平川克美×小田嶋隆)
なぜ若者に奴隷根性が植えつけられたか?(前編)(岩崎夏海)
【期間限定】『「赤毛のアン」で英語づけ』序文(茂木健一郎)
ロシア人が教えてくれた人生を楽しむための世界一具体的な方法――『人生は楽しいかい?』(夜間飛行編集部)
ビジネスマンのための時間の心理学――できる人は時間を「伸び縮み」させている(名越康文)
物議を醸す電波法改正、実際のところ(小寺信良)
週刊金融日記 第287号<イケメンは貧乏なほうがモテることについての再考察、小池百合子は出馬するのか他>(藤沢数希)
名越康文のメールマガジン
「生きるための対話(dialogue)」

[料金(税込)] 540円(税込)/ 月
[発行周期] 月2回発行(第1,第3月曜日配信予定)

ページのトップへ