※高城未来研究所【Future Report】Vol.342(2018年1月5日発行)より
あけまして、おめでとうございます。
今週も東京にいます。
昨年を振り返りますと、前半の半年は、遊んでばかりいましたので、今年は年初に気を引き締め、しっかり仕事をしようと思っています(いまのところですが)。
「一年の計は元旦にあり」と古くから言われておりますように、このメールマガジンをご愛読いただいている皆様のご要望に応えるためにも、長年思案していたカバンやシャツのプロジェクトを本格始動し、サウンドメディテーションのライブを行って、今年前半に20冊の本のリリースや雑誌の創刊をはじめ、あたらしい映像プロジェクトもはじめるつもりです(いまのところですが)。
ええ、相変わらず極端なのは自分でもわかってるのですが、いわゆるワークライフバランスなんて、器用なことはできません。
徹底的に遊ぶか、徹底的に働くか。
このふたつにひとつしか選べないのは、新年だろうが年齢を経ようが性分だと実感(および自己分析)しているつもりです。
さて、この「一年の計は元旦にあり」という言葉は、実は、オリジナルと、さらに前段と後段があります。
「一日の計は晨にあり、一年の計は春にあり、一生の計は勤にあり、一家の計は身にあり」。
これは、中国・明代の官僚で学者でもあった馮應京(ひょうおうきょう)が、「万暦年間」に著した「月令広義」が出典で、これら「一日の計」「一年の計」「一生の計」「一家の計」の四つの計をもって「四計」と呼ばれています。
ここで言う「晨」(あした)というのは朝のことで、「春」は年のはじめのことを指しています。
妙訳すれば、
一日の計画は、朝に立てる。
一年の計画は、年のはじめ(元日)に立てる。
一生の計画は、きちんと仕事をすることで決まる。
一家の計画(将来)は、自分の生き方で決まっていく。
と、このような意だと思われますが、つまり、生き方とは、きちんと仕事をすることで決まるゆえ、年初の朝に、その計画を立てることが肝心である、と述べています。
その後、時代の移り変わりとともに、第二節の「一年の計は元旦(春)にあり」だけが一人歩きするようになりました。
また、元日に初詣に願掛けも含め、神社に出向く方も多いかと思います。
その参拝時には、二礼二拍手一拝の作法にのっとってお参りなさる方がほとんどだと思いますが、
この二礼二拍手一拝の作法は、明治以前には定められていませんでした(そして戦後に、一般化しました)。
実は、近代の風習なのです。
出雲大社では、いまだに一拝、一祈念、二拝、四拍手、一拝が参拝時に守られており、伊勢神宮の参拝も、八礼八拍手が正式な作法とされています。
参拝は、気持ちの問題が多く、形式に縛られる必要はないと個人的には思いますが、歴史や謂れ、諸説を理解することは、時には必要です。
気がつくと、なにも考えずに古くからのしきたりを守っているんだと自分でも錯覚してしまうものですが、実は歴史や本当の伝統とは異なることが多くあるのです。
新年こそ、いままで当たり前だと思っていたことを見直す、良い機会であるのは間違いありません。
また、大晦日の吉例は、視聴率が落ちているとはいえ、いまだにNHKの「紅白歌合戦」が日本の風物詩のようですが、どう考えても、紅白歌合戦より、また各種民放の国際問題となってしまうような裏番組より(https://goo.gl/QyFru6)、Youtubeのほうが面白いのは、間違いありません(https://goo.gl/me2faV)。
いつもお話ししますように、テレビが変わらなければ、日々国益を損ねてしまいます。
つまり、大晦日や新春特番が変わる時が、日本が大きく変わる時になるのでしょう。
誰もが信じていたことが、とても信用できなくなる事態が多発すると思われる2018年。
これは不可侵だった組織に対し、個人が同等の力を持ちはじめたことの証で、今後社会が大きく揺れ動く序章に過ぎません。
日本式システムは、外からの攻撃だけではなく、内部からゆっくりと崩れるように思うのです。
皆様、本年も何卒よろしくお願いいたします。
高城未来研究所「Future Report」
Vol.342 2018年1月5日発行
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 未来放談
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。