本田雅一
@rokuzouhonda

メルマガ「本田雅一の IT・ネット直球リポート」より

本当に今、自分は仕事を楽しめているだろうか?

※この記事は本田雅一さんのメールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」 Vol.018(2018年4月13日)からの抜粋です。




自分が使える経営資源を用いて、いかに“欲しいもの”を手に入れるのか。そうしたモチベーション、意識の強さが企業に成功をもたらすのかもしれない。そのように改めて感じたのは、新旧大手経営者と続けざまに(通常、そういうことはないのだが、特異日的にそうした機会があった)ミーティングを持った後のことだ。

経営者に求められるものは何なのか。経営のテクニックとして収支を整える仕事は、財務責任者が行えばいい。収支が整わない、何か異常なことが発生している時、もちろん収益体質の改善を行わなければならないが、アラートを適切に受けて対処すればいい。

経営者がもっとも意識すべきなのは、企業価値を高めることだ。ごく当たり前のことのようだが、では「価値を高めること」とはどういうことなのか。人によってその考え方はさまざまだ。しかし、20年以上、いろいろな会社の経営者と話をしてきたが、成功した人に共通する要素があることに気付いた。

起業して成功した人、あるいは伸び悩んでいた会社を伸ばした人、落ち目になっていた老舗を復活させた人などは、一様にその会社が提供する製品、サービスなどを本当に好きで、楽しんでいた。もちろん、大企業になれば、自分の興味の範ちゅうにある事業ばかりではないだろう。しかし、そうした中でも事業への取り組みや改善、製品やサービスへの反応を楽しみながら、もっと優れた価値を生み出したいと意欲的な人ばかりだった。

自らの足元に目線を移すなら、本当に今、自分は仕事を楽しめているだろうか? と疑問を投げかけてみるのもいいだろう。僕の場合、仕事をするためのモチベーションは、読者からの反応だった。昔であれば読者はがき、その後は電子メール、SNSなど。ポジティブな反応だけでなく、ネガティブな反応も燃料になるし、批判的なメッセージは自分の無知や態度を反省するきっかけになる場合もある。明後日を向いた見当違いな批判ですら、考え方の多様性について再考する機会だ。

人と関わり、自分の知らない何かを与えてもらえることで、前へと進んでいけるような気分になれる。そうした気分の時は、次々に記事が書けてしまうものだ。しかし、今の状況を楽しめないでいると、なかなか筆は進まない。

たった一人で仕事をしている僕にとっては当たり前のことだが、たとえチームであったとしても、大企業であったとしても、同じことなのだと思う。モチベーションこそが、より良い結果を得るためにもっとも大切なものだからだ。

 

本田雅一メールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」

37

2014年よりお届けしていたメルマガ「続・モバイル通信リターンズ」 を、2017年7月にリニューアル。IT、AV、カメラなどの深い知識とユーザー体験、評論家としての画、音へのこだわりをベースに、開発の現場、経営の最前線から、ハリウッド関係者など幅広いネットワークを生かして取材。市場の今と次を読み解く本田雅一による活動レポート。

ご購読はこちら

本田雅一
PCハードウェアのトレンドから企業向けネットワーク製品、アプリケーションソフトウェア、Web関連サービスなど、テクノロジ関連の取材記事・コラムを執筆するほか、デジタルカメラ関連のコラムやインタビュー、経済誌への市場分析記事などを担当している。 AV関係では次世代光ディスク関連の動向や映像圧縮技術、製品評論をインターネット、専門誌で展開。日本で発売されているテレビ、プロジェクタ、AVアンプ、レコーダなどの主要製品は、そのほとんどを試聴している。 仕事がら映像機器やソフトを解析的に見る事が多いが、本人曰く「根っからのオーディオ機器好き」。ディスプレイは映像エンターテイメントは投写型、情報系は直視型と使い分け、SACDやDVD-Audioを愛しつつも、ポピュラー系は携帯型デジタルオーディオで楽しむなど、その場に応じて幅広くAVコンテンツを楽しんでいる。

その他の記事

19人殺人の「確信犯」と「思想の構造」(やまもといちろう)
6月のガイアの夜明けから始まった怒りのデス・ロードだった7月(編集のトリーさん)
怪しい南の島が目指す「金融立国」から「観光立国」への道(高城剛)
負け組の人間が前向きに生きていくために必要なこと(家入一真)
優れた組織、人材でも、業界の仕組みが違うと途端に「能無し」になってしまう話(やまもといちろう)
「有休を使い切ったうえで生理休暇って、アリなんでしょうか?」(城繁幸)
ポスト・パンデミックの未来を示すように思えるバルセロナ(高城剛)
注目のスーパーフード、食用大麻で腸内環境の改善を目指す(高城剛)
それ「悲報」でもなんでもないから――化粧品はお肌に浸透しません!(若林理砂)
大人の女におやつはいらない 上質な人生を送るための5つの習慣(若林理砂)
貧乏人とおひとり様に厳しい世界へのシフト(やまもといちろう)
某既婚女性板関連でいきなり情報開示請求が来た件(やまもといちろう)
言葉で言い表せない不思議ななにかが起きるとき(高城剛)
DJ用コントローラを作りながら電気自動車を自作する未来を夢見る(高城剛)
中国資本進出に揺れるスリランカ(高城未来研究所【Future Report】より)(高城剛)
本田雅一のメールマガジン
「本田雅一の IT・ネット直球リポート」

[料金(税込)] 550円(税込)/ 月
[発行周期] 毎月2回(第2、4木曜日予定)

ページのトップへ