メルマガ『大人の条件』にて連載中の<「おとな学」入門>より

悲しみの三波春夫

寝転んで、お腹を掻きながら

「おとな学」なんていうタイトルで、原稿を書いているわけですが、じっさいのところ「おとな」を定義するものなどはないのです。

まさに、ヘーゲルがいうように「王が王であるためには、家臣がいるから」というほかはありません。「おとながおとなであるためには、こどもがいるから」ということですね。では、こどもとは何かということになりますが、こちらの方も定義することなどはできません。「こどもがこどもであるためには、おとながいるから」という他はないのです。

現代という時代は、このこどもとおとなの境界線があいまいになった時代だといえるだろうと思います。その理由は様々あるのでしょうが、わたしは市場経済の隆盛というものが、大きな理由のひとつではないかと考えています。

今回はそのことをご説明しましょう。

もともと、定義も公準もない「おとな」とか、「こども」といった言葉をめぐっての考察ですので、科学的な根拠のある話ではありませんし、何か答えが出てくるような問題でもありませんので、寝転んで、お腹でも掻きながら、お読みいただければ結構です。

寝転んで、お腹を掻きながら、書物を読むというのは、実はわたしが描いているおとなのイメージでもあるわけです。こどもはそんなことしませんからね。

1 2 3 4 5

その他の記事

中島みゆきしか聴きたくないときに聴きたいジャズアルバム(福島剛)
出力してこそ、入力は正しく消化される(高城剛)
ハバナ症候群という不思議な病の顛末(高城剛)
週刊金融日記 第268号 <ビジネスに使えて使えない統計学その2 因果関係を暴き出す他>(藤沢数希)
グローバリゼーションの大きな曲がり角(高城剛)
「バレなければいい」という行為について(やまもといちろう)
なぜか「KKベストセラーズ」問題勃発と出版業界の悲しい話(やまもといちろう)
週刊金融日記 第274号 <小池百合子氏の人気は恋愛工学の理論通り、安倍政権の支持率最低でアベノミクスは終焉か他>(藤沢数希)
「キモズム」を超えていく(西田宗千佳)
アフリカ旅行で改めて気付く望遠レンズの価値(高城剛)
仮想通貨はトーチライトか?(やまもといちろう)
驚き呆れるしかないセイシェルの変貌ぶり(高城剛)
PS5の「コストのかけどころ」から見える、この先10年の技術トレンド(本田雅一)
なかなか技あり、行列を緩和する「イベントアプリ」(西田宗千佳)
なぜこれほど本は売れなくなったのか(岩崎夏海)

ページのトップへ