※この記事は本田雅一さんのメールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」 Vol.069「10万円給付金交付問題を題材に、情報化社会のリスクとベネフィットを考える」(2020年5月24日)からの抜粋です。
“国民総背番号制”なんて揶揄され、それでいてまともな運用がままならなかった住基ネットカードのころから、ずっと個人と番号を紐付ける制度に抵抗を持ってきた日本人は、マイナンバーカードをほとんどの人が申請していない。そもそも住基ネットカードの名前が変わってマイナンバーカードだと勘違いしていたり、いまだに政府によって番号で区別されて、何やら監視下に置かれるのでは、なんてことを危惧しているのだろうか?
「いや、面倒くさいから」
「だって持っていても何もメリットないじゃん」
なんて人には、ぜひ面倒くさがりの僕がお気に入りのコンビニ複合機で印鑑証明のひとつでも取ってみては? と思ったりするのだけど。……と、だんだん話がズレてきた。
ご存知のように、国民に1人当たり10万円の給付が行われることとなった日本国なれど、配布する現金もさることながら事務経費もとてつもなく大きくなると予想されている。こんな時に出てくるのは、「早いところマイナンバーカードを普及させていなかったからこんなことになる」なんて声だ。
何しろ、マイナンバーを用いた公共サービスを受けるために必要なマイナンバーカード(こうした言い回しをしているだけでもややこしい)を保有しているのは、国民の15%しかいないというのだから、普及しているかどうか? なんて議論そのものが無意味と言っていいほどだ。
国民総背番号制の何が悪い
「今さら何を」と言うかもしれないが、マイナンバー制度の根幹にあるのは、日本に住んでいる人間ひとりひとりを番号で管理し、公共サービスを受ける側、提供する側、双方にとって効率的なシステムを構築することにある。何しろ1億人以上の人にサービスを提供するという規模感を考えれば、コンピューターとネットワークの時代に「番号を振られるなんて気持ち悪い」なんていう戯言は無意味だ。
(この続きは、本田雅一メールマガジン 「本田雅一の IT・ネット直球リポート」で)
本田雅一メールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」
2014年よりお届けしていたメルマガ「続・モバイル通信リターンズ」 を、2017年7月にリニューアル。IT、AV、カメラなどの深い知識とユーザー体験、評論家としての画、音へのこだわりをベースに、開発の現場、経営の最前線から、ハリウッド関係者など幅広いネットワークを生かして取材。市場の今と次を読み解く本田雅一による活動レポート。
ご購読はこちら。


その他の記事
![]() |
6月のガイアの夜明けから始まった怒りのデス・ロードだった7月(編集のトリーさん) |
![]() |
人生を変えるゲームの話 第1回<「負ける」とは「途中下車する」ということ>(山中教子) |
![]() |
人生に一発逆転はない–心の洗濯のススメ(名越康文) |
![]() |
絶滅鳥類ドードーをめぐる考察〜17世紀、ドードーはペンギンと間違われていた?(川端裕人) |
![]() |
アーユルヴェーダのドーシャで自分が知らない本当の自分と対面する(高城剛) |
![]() |
百田尚樹騒動に見る「言論の自由」が迎えた本当の危機(岩崎夏海) |
![]() |
子供会にLINEを導入してみた(小寺信良) |
![]() |
浜松の鰻屋で感じた「食べに出かける」食事の楽しみと今後の日本の食文化のヒント(高城剛) |
![]() |
中央線に「サブカルクソ女人生」の夢ひらく!? 映画『歌ってみた 恋してみた』 上埜すみれ×深琴対談(切通理作) |
![]() |
袋小路に入ってしまった年金制度改革をどうしたものか(やまもといちろう) |
![]() |
『時間の比較社会学』真木悠介著(Sugar) |
![]() |
インターネットに期待されてきた理想と現実の落差(やまもといちろう) |
![]() |
週刊金融日記 第289号<ビットコイン・ゴールド 金の雨が天から降り注ぐ、自民圧勝で日経平均未踏の15連騰か他>(藤沢数希) |
![]() |
私が古典とSFをお勧めする理由(名越康文) |
![]() |
競争法の観点から見たTwitter開発者契約の不利益変更とサードパーティーアプリ禁止問題(やまもといちろう) |