
大騒ぎになっていたのがニコニコ動画(ドワンゴ)でのVISAカード決済BANであります。
個人的にドワンゴ社の川上量生さんとは裁判までやっていた私としては、心の15%ほどが「ざまあw」という成分で占められているわけではないわけではないですが、ただ国内法では合法とされているコンテンツ(中身)の流通の、ごく一部を問題視して、決済BANの中でも割と重めな事業者を指定しての業者BANに至ったというのは重い問題だと思っております。
あんまりボク言いましたよねって書くのもどうかと思いますが、この問題については継続的にヲチはしており、まあ面倒くさいことになったなあというのが正直なところです。
pixivなど同人マンガ界隈で「クレカ決済拒否」が大変な騒動になっている件について「結果的に」表現規制となってしまう一連の顛末
人間迷路 Vol.378 --知らない世界に対して謙虚にやっていくことの大切さを噛みしめつつ、不条理なクレカ取引中止問題や不可解な私的録音録画補償金再浮上のあれこれを考える回
単純に言えば、表現規制の一つの形態として、オンライン上の決済サービスで寡占的で支配的なVISAやMastercardが正面から問題となる商品(オンラインコンテンツ)を名指ししてでBANするようになってきた、というのが正直なところで、この中には、主に同人コンテンツによる取引において適切ではないとされる内容が含まれるものは制限の対象となってきています。これが順次拡大を続け、当初はpixivやアニメイト、DLsiteなどの同人系コンテンツやNSFW界隈だけでなく、規制リストに合致するコンテンツを取り扱う確率の高い事業者については大手出版社でもBANの対象となることが懸念視されています。
で、まあ「どうしましょうか」と政府、与党内でも議論していたところ、今回ついにDMM本丸やU-NEXTなども対象になる話が表出し騒ぎになる一方、半年前はあんまり想定していなかった生成AIによるアダルトコンテンツの流通自体を差し止めたいという具体的な要請も出始めているので厳しいのではないかと思っているところです。
これはもう、いったん制御不能になっている同人関係のコンテンツに関してはクレジットカードでの決済はできなくなる前提で考えておく必要があるでしょう。これは、ファンアート的なものであっても制限リストに入っているものはすべて引っかかる前提であると言えます。
関係先が与党議員を通じてVISAでこの問題を統括するシンガポールに問い合わせをして社としての結論を聞いたところ、カードブランドのバリューを守る目的としつつも、実際には先般記したカリフォルニア州でのPornHub子会社の広告事業決済を行ったカード会社の責任が州裁判所から認容されたことから、一切の関連ビジネスの決済に対するリスク判断をしたものという話であって、まあそりゃそうですよねとは思います。
しかしながら、先にも述べましたが国内では合法的に流通しているコンテンツが、支配的な決裁手段であるクレカ決済から業者ごとBANされる事態というのはにわかには容認しがたく、プラットフォーム関連規制の中でどう対応していくのかという話に発展していくのは間違いのないところです。
さらに、生成AIや違法広告にまつわるサービスも今後、これらのサービスを決済事業者が幇助したという裁判を起こされかねないことなどから、こちらも決済BANの可能性を示唆する折り返しがあったのは注目するべき事態なのではないかなあと思っております。
で(重要)、さすがにこれはまあ看過できないぐらい大変な問題になりつつありまして、プラットフォーム規制の中でも国民に認められた表現の自由と、私人間効力、デジタル立憲主義に繋がる大きいテーマになってきていると思いますので、俺たちのプライバシーフリーク・カフェで6月以降具体的な話も踏まえてシンポジウムでもやるかなあといったところです。冒頭の宣伝の次の回になりますが、式次第が決まったらまた告知したいと思います! 思います!
やまもといちろうメールマガジン「人間迷路」
Vol.441 増加する海外大手クレカ決済BANの動向に気を揉みつつ、農林中金の外債含み損拡大や日弁連クオータ制副会長内定情報について考える回
2024年5月22日発行号 目次

【0. 序文】ニコニコ動画、そしていずれ来るU-NEXTやDMMへのVISA決済BANが描く未来
【1. インシデント1】農林中金が外債で大穴を開けて1兆円規模の資本注入のラストチャンス
【2. インシデント2】日弁連クオータ制副会長に寺町東子さんが内定なる怪情報の理
【3. 迷子問答】迷路で迷っている者同士のQ&A
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