城繁幸
@joshigeyuki

期間限定公開! 新刊『「10年後失業」に備えるためにいま読んでおきたい話』

【第1話】日本型雇用の未来は君の肩に……

 

「我々は横須賀ベイブルースを連合ユニオンズとして再生させる。ただ勝たせるだけ ではない。史上初の〝終身雇用球団〞として!(※4)そして、日本型雇用が年俸制に勝ることを天下に示すのだ。君はそのための裏方を一手に仕切ってもらうことになる」

「ま、まじですか...... 」

「日の丸電機としても、全力でバックアップする予定だから、大船に乗った気でいるといい。うちはなんたって労使協調が売り(※ )だからな。ワッハッハ」

「サラリーマンなんて言われたことやってれば楽勝だろ」が信条の山田君に、とんで もないミッションが与えられてしまった。

どうなる山田君。

どうなる連合ユニオンズ!?

 

※4 史上初の終身雇用球団/プロ野球にかぎらず、プロスポーツ選手の雇用契約は年棒制の請負契約が一般的であり、「期 間の定めの無い雇用」=終身雇用のサラリーマンとは賃金体系がまったく異なる。一方、他国のホワイトカラーは年俸制 が一般的であり、むしろ日本の終身雇用制度が世界的に見れば異質な存在と言える。

※5 労使協調/経営陣と同じ運命共同体に属し、持ち株会を通じて株主でもある正社員労組が、自らの存在意義を問われた際に発する魂の叫び。経営側もユニオンショップ協定(従業員の組合加入義務付け)や組合費天引き等で手厚くサポートしている。

用例1「なぜうちの労組はストもしないのに闘争積立金を天引きするんですか」 「うちは労使協調だから」

用例2「なぜわが社の労組役員ポストは出世コースなのですか?」 「うちは労使協調だから」

 

【教訓】主体性を持って仕事をする

「言われたことだけをやる」という姿勢は一見ラクで、美味しいように見えます。しかし、そうやって「お気楽サラリーマン」を気取っていると、ある日突然、とんでもなく理不尽な転勤・転属を言い渡されるのが、日本のサラリーマンです。もちろん、そうした理不尽な仕事に耐えて定年まで勤めあげることができるなら、それも人生だという考え方も成り立つかもしれません。

しかし、いまの 代以下の年代がそうした終身雇用型のサラリーマン人生を送ることができる可能性は、著しく低下しています。その予測がどの程度正確なものかどうかは、本書を通読した後で判断してもらいたいと思いますが、結論から言えば、理不尽な仕事を受け入れ続けたあげく、ボロ雑巾のように捨てられるサラリーマンたちが、今後10年の間に続出するというのが筆者の予測です。

 

「脱・ルーチンワーク」を意識する

そういった環境の中で、多くのビジネスマンが共通して認識しておかなけ ればならないポイントのひとつが「脱・ルーチンワーク」です。 世の中には、毎日決まったことだけやっていればいい仕事がある一方で、 同じパターンにははまらず、毎回担当者が頭を使って処理しないといけない 仕事というのも、一部にあります。

前者はとてもラクですが、あっという間に新興国に発注されるリスクが高 い。一方、後者は疲れるけれども、そういう仕事を担える人材は高いお金を 出してでも雇いたいという企業がたくさん存在する。

どんな職種の中にも必 ずこの2つは混在しているので、意識して後者に張り付くことが、今後の激 変する雇用環境の中での生き残り戦略として有効です。 半年間、そういう仕事を根気よく続けてみると、普通の人なら「ここはも っとこうしなきゃね」という問題意識と、「将来的にはこういう風にやって いきたい」という目的意識を持ち始めます。その状態を最低3年、できれば5年続ければ、付加価値の高い側の人材に間違いなく成長しているはずです。

私見では、転職、独立で成功している人というのは、100%このプロセスを踏んでいます。逆に「見えてない 人」がとりあえず組織を飛び出しても、 なかなか成功の針に引っ掛かるのは難しいでしょう。

 

fig01

 

2014年6月20日発売!

『「10年後失業」に備えるためにいま読んでおきたい話』

城 繁幸 著

 

cover_0605

 

ある日、「サラリーマンなんて言われたことやってれば楽勝だろ」が信条の山田明男に、とんでもないミッションが与えられてしまう。史上初の”終身雇用”プロ野球球団「連合ユニオンズ」への出向! 山田が見た終身雇用システムの光と影とは!?

 

――衝撃のストーリーが教えてくれる、すべての働く人のための生き残り術!

 

眼を閉じて、10年後の自分を思い浮かべてみてください。

「責任ある仕事を任され、安定した収入を得ている」そんな自分を明確にイメージすることができますか?

「さすがに失業している……ってことはないだろう」と思ったあなたは、日本の雇用環境についての見通しが少し甘いかもしれません。

人事部門には、「人材は職場環境で作られる」という格言があります。確かに、環境は人を変えます。でも、その環境を変えるのもまた人であり、その人自身の心の持ちようです。

さて、あなたは10年後に仕事で困らないために、今、どんな心構えで、何を準備すればいいのでしょうか。

この本では、「もし日本労働組合総連合会(連合)がプロ野球チームを保有して、全選手を終身雇用にしたら何が起こるのか」を細かくシミュレーションしました。そこには多くの日本人が見落としている「雇用の真実」を見つめるヒントが詰まっています。

「ありえないこと」が普通に起こる激変の「10年後」の世界で力強く生き残る方法、お伝えします。

 

<目次より>

1主体性を持って仕事をする
2嘘と本当を見分ける方法
3年功序列に期待するな
4環境が人を変える
5流動性のない組織に成長はない
6”研修”ですべてを変えるのは無理
7自分の市場価値を高める
8世の中にただ飯はない
9きれい事しか言わない人を信用してはならない
10ローンは組まないほうがいい
11若手に仕事を任せる
12過去の成功体験は捨てる
13「人に優しい会社」などない
14会社の”社会保障”には期待しない
15ブラック企業の心配をする暇があったら勉強しろ
16未来の成功体験はこれから作られる

 

四六判並製1C・248頁
定価 本体1600円+税
ISBN978-4-906790-09-8

amazon.co.jpで購入する

1 2 3
城繁幸
人事コンサルティング「Joe's Labo」代表取締役。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。代表作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』等。

その他の記事

ロドリゲス島で出会った希少な「フルーツコウモリ」!(川端裕人)
役の中に「人生」がある 俳優・石橋保さん(映画『カスリコ』主演)に訊く(切通理作)
なぜ、僕らは「当然起こるバッドエンド」を予測できないのか?(岩崎夏海)
「試着はAR」の時代は来るか(西田宗千佳)
週刊金融日記 第286号<日本で高額所得者がどれだけ税金を払うのか教えよう、衆院選は安倍vs小池の天下分け目の戦いへ他>(藤沢数希)
クラウドの「容量無制限」はなぜ破綻するのか(西田宗千佳)
今の時代にパーソナルコンピューターは必要か?(本田雅一)
素晴らしい東京の五月を楽しみつつ気候変動を考える(高城剛)
やっと日本にきた「Spotify」。その特徴はなにか(西田宗千佳)
少子化を解消するカギは「家族の形」にある(岩崎夏海)
子育てへの妙な圧力は呪術じゃなかろうか(若林理砂)
なぜ今、「データジャーナリズム」なのか?――オープンデータ時代におけるジャーナリズムの役割(津田大介)
「イクメン」が気持ち悪い理由(岩崎夏海)
ガイアの夜明けで話題沸騰! 15期連続2桁増収のスーパーの人事戦略を支える「類人猿分類」のすごさ(名越康文)
安倍昭恵女史と例の「愛国小学校」学校法人の件(やまもといちろう)
城繁幸のメールマガジン
「『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法」

[料金(税込)] 324円(税込)/ 月
[発行周期] 月2回配信(第2第4金曜日配信予定)

ページのトップへ