ベネッセの個人情報漏洩事件は氷山の一角?

アングラ住人たちが運営する「裏の名簿業者」の実態

※この記事は株式会社スプラウトのメールマガジン 7月18日付号外 <アングラ住人たちが運営する「裏の名簿業者」の実態>の冒頭抜粋です。全文はメルマガ本紙をご購読ください。

 

通信教育大手ベネッセコーポレーションから個人情報が大量に流出した事件が世間を騒がせています。報道によると、容疑者の男性は計15回に渡りベネッセから個人情報を持ち出し、名簿業者に250万円で売り渡したとのことです。販売自体が違法行為ではないとはいえ、ベネッセの情報を買い取った名簿業者にも社会的な非難が集まっています。

名簿業者を巡って様々な問題が起こっているのは米国でも同じです。昨日(7月17日)に発行された当メルマガにも「米国FTCが警鐘『データブローカー(名簿屋)』の闇」という記事が載っていますので、米国事情についてはこちらをご参照ください。下記に一部だけ引用しておきます。

端的に言えば、FTCは「ブローカーによるデータの収集法や、収集したデータの用途や販売について、またそれらを修正、削除する方法について、より簡単に消費者が知ることができるようにするための法案」の通過を訴えている。このレポートは、9社のデータブローカーについて調査したものだ。それらの企業は、他企業が消費者と直接連絡を取り合うことなく身元を確認するため、あるいはマーケティング活動を行えるようにするためのデータを収集している。現時点で、それらの活動には違法性はない。しかし、FTCは収集されたデータに幅広いカテゴリが設定されていること、そしてブローカー業者が「ほぼ全ての米国の消費者」の情報を持っていることに懸念を抱いている。

「あなたはデータブローカーを知らないかもしれないが、彼らはあなたを知っている。彼らはあなたが住む場所、あなたが購入するもの、あなたの収入、あなたの民族、あなたの子供の年齢、あなたの健康状態、そしてあなたが興味を持つものや趣味について知っている。この業種は闇の中で活動しており……そこで扱われている情報の膨大さは、私にとって非常に驚くべきものだ」と、FTCの会長Edith Ramirezは警鐘を鳴らす。

http://yakan-hiko.com/BN2645

 

さて、名簿業者とひとくちに言っても実は「表」と「裏」の2種類の業者が存在します。今回のベネッセの件で登場したような「表」の名簿業者(合法の範囲で名簿を取引している業者)については、これから新聞やテレビで情報が沢山出てくると思いますので、今回はなかなか語られない「裏」の名簿業者について触れてみたいと思います。

1 2

その他の記事

谷村新司さんの追悼と事件関係(やまもといちろう)
国産カメラメーカーの誕生とその歴史を振り返る(高城剛)
「いままで」の常識が通じない「宇宙気候変動」について(高城剛)
スマホv.s.PC議論がもう古い理由(小寺信良)
都民ファースト大勝利予測と自民党の自滅について深く考える(やまもといちろう)
セルフィーのためのスマホ、Wiko Viewから見えるもの(小寺信良)
急速な変化を続ける新型コロナウィルスと世界の今後(高城剛)
「自由に生きる」ためのたったひとつの条件(岩崎夏海)
雨模様が続く札幌で地下街の付加価値について考える(高城剛)
「狭霧の彼方に」特別編 その1(甲野善紀)
αショック:オートフォーカスカメラの登場(高城剛)
中部横断自動車道をめぐる国交省の不可解な動き(津田大介)
公開中映画『郊遊<ピクニック>』監督・蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)インタビュー 「俳優」「廃墟」「自由」を語る(切通理作)
クラウドの時代、拠点はシリコンバレーからシアトルへと移り変わるのか(高城剛)
3月移動に地獄を見た話(小寺信良)

ページのトップへ