「呪術」かどうかの見分け方
実際のところ、子宮も生まれてくる子供もコントロール不能な部分が多々あり、月経不順や月経痛・月経前症候群に悩まされる女性は少なくありませんし、全くこの手の症状がない女性でも、精神的・肉体的なストレスが多くなった場合、一時的に月経関連の不調を訴えることがあります。おそらく、全く月経に関して不調を感じる事無く閉経を迎える女性なんて、一人もいないんじゃないのかな。
こういったコントロール不能なものに関して、古来人間ってどうやって対処してきたかって言えば、スーパーナチュラルな存在に訴えかけることで解決してきたわけです。要するに呪術的な技法でコントロールしようとしてきたわけ。わたしはこれら脅し系ナチュラルは全部、呪術の構造を利用した「脅し系ナチュラル商法」だと思って間違いないと思っています。
こういう呪術の見分け方は、以前書いたとおり。以下引用しとくね。
+++++++++++++++
……呪術の構造ってのがありまして。悪い予言はかならず当たるように出来ているのです。良い予言は当てられないのだ。今から説明するけど、「◯◯だと××なことが起きるから、△△にしないとダメ」ってのが呪いなのだってすぐわかるよ。よく覚えといてね。これは山岸凉子さんの漫画『黒鳥――ブラックスワン』に出てくるんだけどね。
1.「あなたに大変な災厄が起こる」って予言者がいう。
2.あなたは、「それは大変!」と不安になる。
3.予言者が「斯く斯く云々の品物を持ってきて神に捧げれば逃れられる」という。
4.あなたはそれをもって予言者のところへ来て儀式をしてもらう。そしてここから先が問題。この先は2パターンが考えられるのね。
A:災厄が起きなかった
B:災厄が起きたAだったら、予言者は「神へ品物を捧げたために災厄から逃れた」と言うし、Bだったら「儀式を行ったためにこの程度の災厄で済んだ」と言えるんだわー。(追記:災厄が起きて大惨事(死んでしまう等)になった場合は、祈祷が効かなかったとはされず、災厄を被った人のほうが「以前、禁を破った」等の理由付けをされることが多いです。しかし、王直属の祈祷師だったりすると、祈祷師の不備を指摘され、殺されます)
+++++++++++++++
この構造のキモは、予言が当たっても当たらなくても儀式をしたことが肯定されるってところなのだ。儀式の部分はなんでもいいの。とにかく、「今のままでは大変なことが!!」って言えばいいの。
そして、「現代文明の作り出した化学物質が!」とか、「昔はこんな症状はなかった!温故知新!」とか言ってね、で、儀式=商材を振りかざして、「これを使えば!」って言えば、万事OK! 売れるよ!
一方、男性の体はコントロール不能な部分が少ない上に、月経のように不快な生理現象はほとんどありませんよね。ほとんどは、因果律の働く不調、食べ過ぎた=胃もたれ、飲み過ぎた=二日酔い、ゴルフしすぎ=筋肉痛…とかしかないのよ。
こんな風に原因がはっきりした不調は、原因に対処すればいいもんだから、呪術が入り込む隙間なんてないんだよ。いいなー、脅し系ナチュラルが入り込む余地のないカラダって(笑)
いやもうね、何度だって書くよ。ほんと、「脅し系ナチュラル」は大っキライなんだもの。おそらく書いても書いてももぐらたたきゲームみたいに新しい「脅し系ナチュラル」は出てくるだろうけど、全て、呪術の構造を持っているハズです。そこだけ気をつければ必ず見分けられます。
で、時々、突拍子も無いことだけれども、本当に効く…ってのも混じっているのが困りものなんだよねえ、カラダのことって。そういう事を教えてくれている専門家の見分け方は、高い商材を売りつけるわけでもなく、安い商材を手を変え品を変え売り続けるわけでもなく、「こういう商材はあるけど、これでも代用できるし、アレも使える」って言うような専門家なら信用できるかなー。選択肢をいくつも教えてくれる専門家は信用できるってことなんだけどね!
※この記事は夜間飛行メルマガ「若林理砂 鍼灸師が教える一人でできる養生法」2013年2月25日 Vol.044<叩いても叩いても出るもぐらたたきゲームに挑戦>に掲載された記事を編集・再録したものです。
【メルマガ】若林理砂 鍼灸師が教える一人でできる養生法
季節にあった「養生予報」が大好評! 流行りの健康ネタからディープな東洋医学知識まで、 読み応えたっぷりの内容充実メルマガです。
【 料金(税込) 】 540円 / 月 <初回購読時、1ヶ月間無料!!>
【 発行周期 】 月2回発行(第2,第4月曜日配信予定)
ご購読はこちらから!
http://yakan-hiko.com/wakabayashi.html
その他の記事
社員を切ってください、雑巾は絞ってください(やまもといちろう) | |
新型コロナウイルスのデマに立ち向かう方法、我が家の場合(本田雅一) | |
変化が予測できない時代(本田雅一) | |
『赤毛のアン』原書から、アイスクリームの話(茂木健一郎) | |
やっと出会えた理想のUSBケーブル(西田宗千佳) | |
「文章を売る」ということ(茂木健一郎) | |
Qualcommブースで聴いたちょこっといい話(小寺信良) | |
働かないのか? 働けないのか? 城繁幸×西田亮介特別対談(後編)(城繁幸) | |
ゴジラGODZILLA 怪獣という<神>の降臨(切通理作) | |
ポスト・パンデミックのキューバはどこに向かうのか(高城剛) | |
まるで漫才のような“5G最高”と、“5Gイラネ”が交錯した韓国5G事情(本田雅一) | |
復路の哲学–されど、語るに足る人生(平川克美) | |
「本気」という無意識のゴンドラに乗るために(名越康文) | |
イノベーションが「IT」で起きる時代は終わった(高城剛) | |
空想特撮ピンク映画『ピンク・ゾーン2 淫乱と円盤』 南梨央奈×佐倉絆×瀬戸すみれ×国沢実(監督)座談会(切通理作) |