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第21号
第22号
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第31号
<甲野善紀氏から田口慎也氏への手紙>
御手紙ありがとうございました。今回は田口さんの斬り込みというか、踏み込みの深さに、どう御返事したものかと考えてしまいました。そして、2日ほどした夜、私が四国で講習会を行なう時に世話人をしてもらっているM氏と、次の香川での講習会などの打ち合わせをするために電話をした時、事務的な話のあとにM氏が熱く語った『ピダハン』の話に強い衝撃を受けました。
「ピダハン」とは、田口さんもかすかに御存知だったようですが、南米のアマゾン川の支流の支流マイシ川の流域に暮らす先住民の一部族のことを言います。現在400人くらいの人数がいると言われていますが、その「ピダハン」の話す言語と生活習慣が、他に例を見ないほど特異なのです。
「ピダハン」には数を数える数詞もなければ、右と左の違いを表わす言葉も、色を表わす言葉もありません。手は手であり、右手と左手の違いは「この手と、もう一方の手」、あるいは「上流(川の)にある手」と「下流にある手」というふうに、その場の地形を元に区別するだけです。色も、赤は「それは血」、白は「それは見える」または「それは透ける」、緑が「いまのところ未熟」(これは果物に例えているのでしょう)、黒が「血は汚い」という間接表現で、色そのものを表わす言葉はないのです。
そして驚くべきことに、神も自分達の創世神話もありません。目に見えないこと、抽象的なことに関しては、それを表わす言葉も関心もありません。精霊的存在についてはよく語るようですが、それは「ピダハン」にとって「現実に見る」ものであり、架空の存在、想像上の産物ではないからでしょう。
また、この部族の特色を示す独特の装身具もなく、身体に刺青を入れたり、ペインティングをする事もないようです。ですから、現代的な短パンも「便利だから」と抵抗なく履き、ボートや銃も使うようですが、それを是非自分で作りたいとか、無ければ困るという思いを抱くことが、他の民族にくらべて驚くほどないようです。
そして、この「ピダハン」を紹介した本『ピダハン――言語本能を超える文化と世界観――』(みすず書房刊)の圧巻は、この本の著者であり、元々はピダハン語を身につけ、ここにキリスト教を広めようとしたD・L・エヴァレット氏が、「ピダハン」の人々の村で生活を共にし、言語を修得していく過程で、「ピダハン」の人々の価値観・世界観に感銘を受け、キリスト教の伝道師であったにも拘らず、その信仰を捨ててしまった事です。
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