「良い部屋」の5つのポイント
では、その肝心なことの一つ、「良い部屋とは何か?」は、どうやって知ればいいのか? 以下に要点をまとめてみた。
一、少し狭いくらいの部屋に住む。
ここがポイントだ。というより、盲点だった。それまでぼくは、広い部屋こそが最高だと思っていた。しかし、広い部屋にはいろいろと弊害がある。
まず、汚れやすくなる。
次に、身の丈に合わないものを側に置いてしまう。そのため、自我が肥大して周囲との折り合いが悪くなる。
「起きて半畳寝て一畳」とは至言である。少し狭いくらいが人間には相応しいのだ。一人で生きるなら四畳半+キッチンくらいで十分である。これ以上広くなると、いろいろややこしくなる。少し狭いくらいの広さの部屋に住むことが、まずは肝要なのだ。
二、職住近接。
今思うと、通勤時間ほど無駄なものはない。時間も体力も損なわれる。帰りの満員電車で隣り合った人に酒臭い息を吹きかけられたりすると、生きる気力さえ萎える。いいことが一つもない。
肝に銘じておきたいのは、時間や体力や健全な精神は、お金には変えられないということだ。お金は回すもので、使えばまた入ってくる。しかし、失われた時間や体力や健全な精神は、一度失うと取り返しようがない。
だから、それらをお金で買うのである。そのために、職場に近い場所に住むのだ。終電を気にしなかったり、満員電車に乗ることがなくなるだけで、生活や人生の中で、実にさまざまな恩恵を得られるようになる。
三、部屋を「生かす」。
良い部屋と悪い部屋との最大の違いは、「生きているか死んでいるか」ということだ。こういうとオカルトチックに聞こえるかも知れないが、要は「新鮮で清潔な状態が保たれているかどうか」である。
部屋を新鮮で清潔な状態に保つためには、常に掃除をすること、さらには「掃除をしやすい環境」を作ることがだいじである。
これを人体にたとえると、「血流」を促すようなものだ。人体の新陳代謝を良くするためには、血流の活性化が欠かせない。そのためには、心臓の働きを良くしたり、血液をさらさらにしたりする必要がある。要は、血流が活性化するよう、血液周りの環境から整える必要があるのだ。
部屋もこれと同じで、「掃除」を促すためには、掃除をしやすい環境から作ってやる必要がある。部屋の心臓ともいえる「掃除用具」にこだわったり、血管にあたる「動線」を確保したり。
これが、部屋の生き死にを決定するのである。
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