名越康文
@nakoshiyasufumi

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)より

お掃除ロボットが起こした静かな革命

※名越康文メールマガジン「生きるための対話(dialogue)」 Vol.102(2015年6月15日)より

170852sm

実家の母親に譲ったお掃除ロボットを見ていて

先日、とある雑誌の企画で、いわゆる「お掃除ロボット」を使わせていただく機会がありました。正直、これまであまり必要性を感じたことはなかったのですが、使ってみると非常に興味深いしろものだと感じました。

ただ、僕の自宅で使い続けるにはひとつだけ、大問題がありました。それはお掃除ロボットが部屋を動き回るたびに、うちで飼っているインコの「おもち」が、引きつけを起こしそうなぐらいに怖がってしまうということ。お掃除ロボットも捨て難いけれど、「おもち」はまぁ義理のある以前からの同居人(鳥)ですからね。残念ながら我が家で使い続けるのは不可能! ということになり、大阪出張のついでに、母親に譲ることにしました。

私の母親も80歳を超えていて、僕としては「お掃除ロボットなんて、使い方わかるのかなぁ?」と半信半疑だったんですが、ふたを開ければすごく喜んでくれました。よく考えてみればうちの母親は掃除や洗濯といった家事が大の苦手。彼女にとっては、「勝手に掃除をしてくれるロボット」というのは、文字通り夢のような家電! ということなのでしょう。

実家で動き回るお掃除ロボットと、それを見ながら「がんばって!」「あ、そこじゃなくて、こっち!(を掃除して)」と楽しそうに声をかける母親を眺めていて、僕はふと、この「お掃除ロボット」というのは実はこれまでの「家電」の枠組みを打ち破る、革命的なしろものなのではないか、と感じたのです。

1 2
名越康文
1960年、奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、高野山大学、龍谷大学客員教授。 専門は思春期精神医学、精神療法。近畿大学医学部卒業後、大阪府立中宮病院(現:現:大阪精神医療センター)にて、精神科救急病棟の設立、責任者を経て、1999年に同病院を退職。引き続き臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中。 著書に『「鬼滅の刃」が教えてくれた 傷ついたまま生きるためのヒント』(宝島社)、『SOLOTIME~ひとりぼっちこそが最強の生存戦略である』(夜間飛行)『【新版】自分を支える心の技法』(小学館新書)『驚く力』(夜間飛行)ほか多数。 「THE BIRDIC BAND」として音楽活動にも精力的に活動中。YouTubeチャンネル「名越康文シークレットトークYouTube分室」も好評。チャンネル登録12万人。https://www.youtube.com/c/nakoshiyasufumiTVsecrettalk 夜間飛行より、通信講座「名越式性格分類ゼミ(通信講座版)」配信中。 名越康文公式サイト「精神科医・名越康文の研究室」 http://nakoshiyasufumi.net/

その他の記事

「ブロマガ」はプラットフォームになり得るのか(小寺信良)
今週の動画「飇拳(ヒョウケン)」(甲野善紀)
ひとりぼっちの時間(ソロタイム)のススメ(名越康文)
CESで感じた「フランスと日本の差」(西田宗千佳)
あれ? これって完成されたウエアラブル/IoTじゃね? Parrot Zik 3(小寺信良)
テクノロジーの成熟がもたらす「あたらしいバランス」(高城剛)
安倍政権の終わりと「その次」(やまもといちろう)
幻の絶滅鳥類ドードーが「17世紀の日本に来ていた」という説は本当なのか(川端裕人)
日本の未来を暗示する名古屋という街(高城剛)
企業のトップストーリーについて思うこと(やまもといちろう)
資本家・事業にとってだけ有利なデジタル革命、シェアリングエコノミー問題(やまもといちろう)
物流にロボットアームを持ち込む不可解、オーバーテクノロジーへの警鐘(やまもといちろう)
脳と味覚の関係(本田雅一)
人生の分水嶺は「瞬間」に宿る(名越康文)
思考実験のための『もし、トランプさんが米大統領になったら』(やまもといちろう)
名越康文のメールマガジン
「生きるための対話(dialogue)」

[料金(税込)] 550円(税込)/ 月
[発行周期] 月2回発行(第1,第3月曜日配信予定)

ページのトップへ