※石田衣良ブックトーク「小説家と過ごす日曜日」より

▼Q▼
22歳、学生です。住んでいるだけでワクワクするような街は、どうやったら探せますか? 人それぞれ「ワクワク」の基準は違うと思いますが、街全体に活気があって、やる気がみなぎってくるような街があったらいいなぁと思います。どんなところに着目して探すといいか、アドバイスをお願いします。
【A】
やっぱり、ひたすら歩き回るのがいいと思います。いい街というのは、探している人に親近感がもてたり、「ここって、なんとなくいいな」と感じたりする部分が大きいんですよね。なので、ひたすら歩き回って、自分に合うかどうか確かめてください。とくに大都市はそうですね。東京の場合だと、駅1個違うだけでまったく別の街になるじゃないですか。たとえば上野と鶯谷。東京と神田。渋谷と恵比寿。歩けばすぐの距離ですが、まったく違うトーンになりますよね。それを自分の足で歩いて確かめながら、探し回るといいと思います。
そのときのコツとしては、食べ物屋さんやカフェ、本屋など、自分のよく行く店に足を運んで、レベルの高さを確かめてみること。「この街は、本屋さんはいいけど、食べ物屋さんはだめだな」なんてことが分かりますから。そういうふうにして、「ここは自分に合うな」と感じたら、とりあえずポンと住んでみたらいい。やっぱり住まないとその街になじまないので。
ひとつの街を自分のものにするまでには、3年から5年は必要になります。そのくらいの感覚で、自分の好きな街を増やしていくというのがいいですね。ぼくの場合は、そうすると必ずその街が小説の舞台になります。月島や池袋、新宿、渋谷、二子玉川、神楽坂も書きました。住んだ街は全部自分のものになるので、ぜひいろいろと試してほしいですね。
ぼくはブラブラ散歩するのが好きなので、歩いてすぐのところに繁華街があって、デパートにも行けるところがいいんです。歩いて15分か20分圏内にデパートがある土地というと、銀座や新宿、池袋あたりになりますが、だいたいその最寄りには住んでいますね。あとは、手近に大きな公園があるところ。これはリフレッシュにいいので。ポンと住んで、その街の楽しいお店を探した上で、恋人も見つけるというのが理想です。
石田衣良ブックトーク『小説家と過ごす日曜日』
Vol.008(2015年10月23日)目次
00 PICK UP「住んでいるだけでワクワクする街」
01 ショートショート「贅沢な、贅沢な寄り道」
02 イラとマコトのダブルA面エッセイ〈8〉
03 “しくじり美女”たちのためになる夜話
04 IRA'S ワイドショーたっぷりコメンテーター
05 恋と仕事と社会のQ&A
06 IRA'S ブックレビュー
07 編集後記
大好きな本の世界を広げる新しいフィールドはないか?
この数年間ずっと考え、探し続けてきました。
今、ここにようやく新しい「なにか」が見つかりました。
本と創作の話、時代や社会の問題、恋や性の謎、プライベートの親密な相談……
ぼくがおもしろいと感じるすべてを投げこめるネットの個人誌です。
小説ありエッセイありトークありおまけに動画も配信する
石田衣良ブックトーク『小説家と過ごす日曜日』が、いよいよ始まります。
週末のリラックスタイムをひとりの小説家と過ごしてみませんか?
メールお待ちしています。

http://yakan-hiko.com/ishidaira.html
その他の記事
|
「電気グルーヴ配信停止」に見るデジタル配信と消費者保護(西田宗千佳) |
|
2015年買って良かった4つの製品(西田宗千佳) |
|
タバコ問題を考えなおす(川端裕人) |
|
(2)「目標」から「目的」へ(山中教子) |
|
貧乏人とおひとり様に厳しい世界へのシフト(やまもといちろう) |
|
「小文字」で執筆中(平川克美) |
|
NYの博物館で出会った「カミカゼ・エクスペリエンス」(川端裕人) |
|
ゲームを通じて知る「本当の自分」(山中教子) |
|
津田大介メールマガジン『メディアの現場』紹介動画(津田大介) |
|
宇野常寛特別インタビュー第4回「僕がもし小説を書くなら男3人同居ものにする!」(宇野常寛) |
|
「分からなさ」が与えてくれる力(北川貴英) |
|
能力がない人ほど「忙しく」なる時代(岩崎夏海) |
|
素敵な真夏を迎えるための身体の備え(高城剛) |
|
宇野常寛特別インタビュー第5回「落合陽一のどこが驚異的なのか!」(宇野常寛) |
|
総裁選とかイベントとかいろいろあるけど粛々と進めて参る感じの告知と考え(やまもといちろう) |











