家入一真メールマガジン「家入学級」Vol.006(2014年1月6日発行)より
メルマガのQ&Aに寄せられる悩みに家入一真がときに真面目に、ときにゆる〜く答える人気のコーナー。過去のバックナンバーからプレタポルテ編集部が選んでご紹介します。
(読者からの質問)
Q.人生の目的みたいなものって家入さん、ありますか? このために生きてる! みたいな……
生きている間に人生の目的なんてわかりようがない
僕、死ぬのが痛そうだし怖いから生きてるんですよね。目的みたいなものは持っていません。生きている意味なんていうのも探しませんね。そもそも、生きてる意味なんて死んだあとにしかわからないと思っています。たとえばゴッホは生前絵を描きたくて描いていたわけで、ゴッホが生きた意味というのは死んだあとに評価されてから見いだされた。そんな風に、死んだあとに誰かが意味をつけたりするから、生きている間に自分の人生の意味なんて、わかりようがないんです。
そう考えると、とりあえず自分がやれること、やるべきことをやるしかないと思うんですよね。目的や夢があるって素敵なことかもしれないけど、僕は重視していません。
だって、僕が「孫さんみたいな社長になる」という夢を持ったとして、そこに至るまでに、現実的にどういうステップを踏んでいくべきかって考えると……遠すぎる。僕がいきなり『ワンピース』のルフィみたいな海賊王になるって言ったって、なれるわけがない。夢や目的のために何をしなきゃいけないのか、ちゃんと考えていくと、もう夢なんか持たずにとりあえず自分がやるべきことをやっていく方がいい。それが点になって線になって、自然とつながっていくから。
自分の「物語」の延長線上に何かが見えてくる
僕の言っている「自分がやるべきこと」というのは、「自分の物語を作る」ということです。自分は今までこういう人生を送ってきて、こういう嫌な目にあって、こういうコンプレックスを抱えていて、こういう悩みがあって……って、今まで生きてきた人生を振り返る。そこから自分がやるべきことというのを割り出すんです。そうすると物語がつながって、うまく動いていくから。
単純に「面白そう」とか「やりたいから」という動機でもいいのかもしれないけど、それだといまいち必然性にうすい。同じことをほかの人がやったっていいもん。そうじゃなくて、たとえばいじめられてた子が、いじめ撲滅のウェブサービスやメディアを立ち上げるというと、それだけで物語が生まれるわけですよ。
「なんでこれを立ち上げたんですか?」と聞かれたときに、「僕、実は昔いじめにあってて……」と答えられる。物語がつながっているんです。だけど、いじめにあったことのない子がいじめのメディアを立ち上げて、「なんでこれやろうと思ったんですか?」って聞かれても、「なんとなく」としか答えられない。そこで物語がブツっと終わっちゃう。
自分の物語をどう描いていくかが重要なんです。誰の人生にも、小説にできるくらいの物語が絶対にあるはずなんですよ。そこを意識してみてください。こういう過去があって、こういう自分がいて……ということの先を見れば、おのずと物語を描いていくことができる。つまり、自分がやるべきことが見えてくるはずなんです。これは目的とは違います。
だいたい、夢とか目的とか言ったところで、自分が明日生きているかさえもわからないよね。坂本龍馬の有名な手紙の言葉で「運の悪い人は風呂場ですべって死ぬ人もいるけど俺は生きている」みたいな内容のものがあるけど、風呂場ですべって死んじゃう人もいるわけですよ。そう考えると、あんまり目的とか生きる意味なんて考えずに、次の自分をどう見つけていくかってことじゃないですかね。だから、物語の次の一文を書いていきましょう。
<この記事は家入一真メールマガジン「家入学級」Vol.006(2014年1月6日発行)からの抜粋です>
最新号のご購読はこちらから!
家入一真メールマガジン「家入学級」
Vol.48(2015年10月20日発行)
目次
1時間目:今日の授業「無駄な因果関係を考えてしまう人」
2時間目:「深夜のお悩み相談」一問一答
3時間目:「#かくめい」循環型コミュニティ作り
4時間目:メディア情報・活動予定/学級日誌/次号予告
その他の記事
|
苦手を克服する(岩崎夏海) |
|
少林寺、そのセックス、カネ、スキャンダル(ふるまいよしこ) |
|
「なぜかモテる人たち」のたったひとつの共通点(岩崎夏海) |
|
自然なき現代生活とアーユルヴェーダ(高城剛) |
|
古い枠組みから脱するための復活の鍵は「ストリート」(高城剛) |
|
『一人っ子政策廃止』は朗報か?(ふるまいよしこ) |
|
レストランからバルへ、大きくかわりつつある美食世界一の街(高城剛) |
|
日本でも「ダウンロード越え」が見えたストリーミング・ミュージックだが……?(西田宗千佳) |
|
ズルトラ難民が辿り着く先、HUAWEI P8max(小寺信良) |
|
ソニー平井CEOの引き際。なぜソニーは復活できたのか(本田雅一) |
|
実態は魑魅魍魎、美味しいと正しいの間に揺れる飲食業界(高城剛) |
|
言語と貨幣が持つ問題(甲野善紀) |
|
高城剛のメルマガ『高城未来研究所「Future Report」』紹介動画(高城剛) |
|
「iPhoneの発売日に行列ができました」がトップニュースになる理由(西田宗千佳) |
|
ドラッカーはなぜ『イノベーションと企業家精神』を書いたか(岩崎夏海) |













