鏡リュウジメールマガジン『プラネタリー夜話』 Vol.108より
いよいよ「スター・ウォーズ」の新作公開ですね! 僕もSF映画は大好きで、その原点といえるのが、スターウォーズ。最初の三部作は、子供時代の僕がそれこそ心を震わせてみていたものです。それまで東映漫画祭りしかみていなかったのですから、そのインパクトと言ったら!!
そして、この「スター・ウォーズ」の作者であるジョージ・ルーカスが、あの神話学者でありユング派のジョーゼフ・キャンベルをメンターと仰ぐ人であったというのを知ったのは、ずっと後のことでした。そういえば、「スター・ウォーズ」の初期作品はユング心理学の教科書みたいなものとしてみることができますよね。今回公開されるシリーズは、ルーカスの手から離れているということですが、それでも見るのを楽しみにしています。
さて、ルーカスのホロスコープを見ると、興味深いのは、職業を示す天頂の月がテクノロジーの水瓶座にあり、支配星の天王星とトラインを形成していること。これだけでもSF映像の作家であるというイメージが浮かびます。
一方で、月、冥王星、金星、水星がTスクエアを形成しているのがわかります。とくに金星はアセンダントと太陽の支配惑星で、上昇していますから重要です。
冥王星をジェダイの騎士たちが陥ってはならない「ダークサイド」のシンボルだとするなら、アナキン(のちのダースベーダー)をダークサイドに落とす愛への執着のテーマがここに現れているように思えます。
獅子座の冥王星は、権力に結びつく闇であり、正確な水星とのスクエアは奸智(かんち)がダークサイドへと続く道に繋がってることを示すよう。またMC-IC軸近くにあるすぐそばの蟹座の火星は、心安らぐ場所を求め戦う英雄たちのテーマを反映しているようにも見えますね。
そして面白いのはこのルーカス自身のチャートにある「ダークサイド」の天体である冥王星にたいして、メンターたるキャンベルの太陽、水星、木星がぴったり120度のよい角度で正確に救いのアスペクトをもたらしているということです。
ルーカス自身、おそらく人間のダークサイドを嫌というほど意識していたはずです。そこからどのように抜け出すことができるのか。そこできっとキャンベルの英雄の神話学(牡羊座の太陽、水星、木星)に知恵を見出したのでしょう。
キャンベルの英雄分析(水星)とは、主人公(太陽、英雄)は戦いを通じて(牡羊座)旅(木星、水星)を完遂することによって、この世界に善と希望をもたらし、世界を刷新する(最初の星座、牡羊座)というのが主眼なのですから。
これがルーカスのダークサイドへの救いとなっているのが極めて興味深いのです。
※この記事は、鏡リュウジメールマガジン『プラネタリー夜話』Vol.108<「クリスマス・キャロル」贈与論と土星の成熟:スターウォーズの占星術:星座と惑星のシンボルイメージ:シンクロニシティと占星術の統計調査>より一部を抜粋しています。
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