高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

現代社会を生きる者が心身を再構築するためのひとつの手法としてのアーユルヴェーダ

高城未来研究所【Future Report】Vol.295(2017年2月10日発行)より


今週は、スリランカにいます。

18ヶ月から24ヶ月に一度、スリランカを訪れアーユルヴェーダの施術を受けています。
アーユルヴェーダは世界保健機関(WHO)が認める世界最古の医療で、およそ5000年前にヒマラヤではじまった、とされています。
その後、南インドを中心に伝承が残り、もっとも古い形で現存するのがスリランカです。

それは、国家として伝統医療省(通称アーユルヴェーダ省)を設立し、伝承保護と人材育成に多大な努力を惜しまなかったことと、この島国が、別名「緑の島」と呼ばれるほどハーブが多いことに理由があります。
現在では、南インドの大きな州立アーユルヴェーダ医院にまで、スリランカは多くのハーブを送るようになりました。

いまから十年近く前に、はじめてアーユルヴェーダを受けてから、その魅力に取り憑かれ、スリランカ中の施設を回って体験を自著にも書き記しました。
その効能は、身体より何より、脳に効きます。

アーユルヴェーダの秘術のなかのひとつである「シロダーラ」は、日本でもエステサロンで表面的に取り入れられていますが、まったく異なるものです。
「シロダーラ」は最低でも5日間は必要な施術で、まずコンサルテーションを受けて、その人の本来の体質といま変化してしまった体質の違いを見て、その後、体内にある毒を出し、最後に特別な油をおでこに垂らし24時間頭部に浸透させます。
この間、インターネットはもとより、読書や会話まで、一切頭に情報を入れることを禁止し、脳のなかに詰まったノイズをクリアします。
これを最低でも二昼夜続けるのです。

この間、食事制限もありまして、しかし、その後の開放感と浮遊感は、驚くべきものです!
世間ではマインドフルネスなる、いまひとつ不明瞭な言葉が跋扈しておりますが、この「シロダーラ」の「感じ」は、いままで多くの体験をしてきたと自負する僕も、他に類を見ません。
それゆえ、心身ともにノイズが溜まったころを見計らって、スリランカに通うようになったのです。

僕に限らず、現代社会に生きる誰しもが、食事や環境、人間関係、社会の軋轢から金銭面の不安まで、ノイズに囲まれて生きています。
それを、「便利」や「皆が」という言葉でお互い紛らわしているだけに過ぎず、自分と徹底的に向かいながら、毒出しする必要があるはずです。

コンピュータなら、アプリケーションでウィルスバスターしたり、アクティビティモニターを見ながらメンテナンスし、デフラグすることも可能です。
しかし、人間はそう簡単にいきません。

アーユルヴェーダは、心身を再構築するひとつの手法なのは、間違いありません。

 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.295 2017年2月10日発行発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 未来放談
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

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高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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