高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

中国からの観光客をひきつける那覇の「ユルさ」

高城未来研究所【Future Report】Vol.314(2017年6月23日発行)より


今週は、那覇にいます。

仕事と私事で香港、台湾を回る必要があったのですが、なかなか時間が取れず、それだったら梅雨明けになって気持ちが良い沖縄に、皆で集合しよう! と相成りまして、急遽那覇にやって来ました。

日中の最高気温は30度を超え、最低気温も28度と、すでに夏真っ盛り。
ですが、街の様相は古き琉球王国の首都というより、広東省の一都市に思えます。
市場に出向いても、モールに行っても、深夜の屋台に行っても、僕が共に行動する友人たちも、皆、中国系です。

この近未来感は、他では得られません。

10年後の東京を考えざるを得ませんが、EUの首都でもある古き良き街だったベルギーのブリュッセルが、20年も経たないうちにイスラム移民の街になり、「ベルギスタン」と呼ばれるようになったのを想起せずにはいられません。
那覇も中国系の中期滞在者が驚くほどに増えており、その問題のひとつが、クルーズ船で那覇にきて、なぜか入港前の人数と出港時の人数に違いが出ている現状にあります。
つまり、船に帰って来ない「観光客」が、想像以上に多くいるのです。

いまから二年ほど前のこのコーナーでも、那覇のクルーズ船着港が手一杯になって問題が起きることについてお話ししましたが、地元観光業に従事する人たちからは、那覇港に第2クルーズバースの早期整備を求める意見が多く上がっています。
現在は、貨物専用バースでの受け入れをテンポラリーに行ってますが、大型船が着港できないことや、既に運用サービス等の問題が多く噴出しています。
このあたりは、エアアジアがはじめて那覇線を飛ばした際、まだLCCへの対応ができずに、貨物ポートをそのまま活用し、大問題になったのと似ています。
サービス面では、悪い意味での「沖縄らしさ」が、いつまでも拭えません。
今後は、軍港を解放するなど、大きな整備に迫られることになると思われますが、どちらにしろ海外からの観光客はさらに増加すると考えられます。

また、中国の免許証で日本国内を運転することはできない法制度になっているにも関わらず(ジュネーブ条約違反)、実は中国人観光客の20%近くが沖縄本島でレンタカーを運転しており、事実上、無法状態が続いています。
このあたりにも、「スロー」な「沖縄らしさ」が見え隠れしていますし、厳しい中国本土から来る人たちにとっては、これほど「ユルい」沖縄は天国に見えるようです。

中国人にとって沖縄観光の魅力は、気候や美しい海、そして買い物や食事より、どうやらこの「ユルい」点にあるようです。

安価に訪れることができて、無免許で運転し、戻らなければならない船に乗らなくても「なんくるないさー」と言えば、滞在できる素晴らしい場所。

そんな街は、世界で唯一那覇だけのように思う今週です。

 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.314 2017年6月23日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 未来放談
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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