※高城未来研究所【Future Report】Vol.317(2017年7月14日発行)より

今週は、奈良にいます。
この週は、「太古の日本の聖なる週」と言われているだけありまして、全国の古い街々で(主に西日本)、奉納や祭りが開催されています。
仏教の聖地である祇園精舎(シュラーヴァスティー)の守護神「牛頭天王」の祭事である京都の祇園祭では、平成26年から7月17日の前祭巡行(23基の山鉾)と24日の後祭巡行(10基の山鉾)の2度の巡行が49年ぶりに復興し、連休があるこの一週間を1ヶ月続く祭りのピークとして再設定することで、より多くの人を集めることに成功しています。
そんな今週、僕は、久しぶりに三輪山に登りました。
山そのものが麓にある大神神社の御神体となる、日本有数のホーリーマウンテンに通いはじめて、もう三十年近くになります。
大神神社には本殿がなく、自然そのものを崇拝する古神道がいまも息づいている稀有な場所です。
しかし、近年のパワースポットブームのせいかわかりませんが、中腹までは素晴らしくも、頂上近くなればなるほど、この山が持つ御威光を失ってしまっているように感じました。
とても残念です。
また、四年ぶりに日本三大弁財天のひとつである天河神社(天河大弁財天社)の例大祭に訪れまして(この日だけ、本殿がご開帳されます)、現代音楽の奉納から修験道や神仏習合の伝統にのっとった法要、法螺貝の音を響かせて歩く京都聖護院門跡の山伏の本殿参拝、その後の「採燈大護摩供」まで、多様的かつ多彩な一昼夜を過ごしました。
前後には大峯山に入り、すばらしい日本の水を堪能し、ここは三輪山とは逆に、山に入れば入るほど強い気を感じます。
大峯山は数年前に世界遺産登録されましたが、どんなに世界中から叩かれても、いまだに女人禁制を頑なに守っている頑固な場所で、この人を寄せ付けない結界のような掟が、神々しい山を安易な観光地にしない秘訣なのかもしれません。
入山口には、いまも世界遺産の表記がありません。
古い日本を感じる夏のホーリーウィーク。
今週は、奈良の山の奥にある見えない扉がそっと開くように感じた一週間でした。
高城未来研究所「Future Report」
Vol.317 2017年7月21日発行
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 未来放談
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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