高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

先進国の証は経済から娯楽大麻解禁の有無で示す時代へ

高城未来研究所【Future Report】Vol.322(2017年8月18日発行)より


今週は、カナダのケロウナにいます。

オカナガン湖を目当てに行楽客で賑わうケロウナの夏は、別名「カナダのハワイ」と呼ばれており、湖畔のビーチはマリンスポーツを楽しむ人たちでいっぱいです。

しかし、ここがハワイと根本的に異なるのは、日中の気温差にあります。
明け方は10度前後まで低くなりますが、日中は34度まであがり、同じ場所での一日の気温差がおよそ25度近くあるのです。
ですので、先日まで僕が滞在していた標高1000メートルにある日本の避暑地小淵沢に、ハワイのような大きなビーチを足した、なんとも不思議な環境です。

さて、カナダは嗜好品としての大麻使用を来年までに合法化する法案を議会に上程し、このまま法案が通過すれば、主要7カ国(G7)で初めて娯楽大麻合法国家になります。
米国のような州によって異なる法律や条例と違い、国家をあげて娯楽大麻を解禁する初の先進国家になるのです。
そのうち、主要7カ国(G7)ではなく、先進性がある5ヶ国家(A5)などと、経済ではなく国家指標としての社会性を重視する時代がやってくるかもしれません。

カナダの娯楽大麻全面解禁は、イケメン首相として知られるトルドーの公約のひとつで、これが違法な大麻取引を厳しく取り締まる最善の方法だと、彼は強く主張しています。
つまり、大麻が体にとって良いか悪いのかだけの議論ではなく、ドラッグが蔓延する社会是正や取り締まり予算削減のため、カナダは挑戦的に娯楽大麻解禁へと進むのです。

この英断を下したトルドー首相の友人であり、娯楽大麻解放に向けて大きな貢献をしたのが、カナダ人プロスノーボーダーで、日本の長野オリンピックで金メダルを獲得したロス・レバグリアティです。
ロスは、直後のドーピング検査で大麻成分が体内から検出され金メダルを剥奪されましたが、マリファナは競技のパフォーマンスを強化する効能は発表されていないと彼は主張し、結局は彼の手にメダルが戻り、カナダの大麻文化の第一人者となります。
ロスは、トルドー首相と昵懇で、その関係性もあって合法化へと向けて国家をあげて大きく動きだした経緯があります。
そのロスが、来年末には150店開業予定している「大麻業界のスターバックス」と言われる「ロスズゴールド」一号店を、半年ほど前にケロウナにオープンしました。

アポもなく飛び込みで店舗に入ったのですが、日本からわざわざ見にくる人も珍しいらしく、運良くロス・レバグリアティ本人にお目にかかれ、お話を聞く機会を得ました。
この話は、どこかでまとめたいと思っています。

日本でも覚せい剤の問題が大きく世間を賑わしますが、警察当局による近年の押収量は平成25年の約831キロ(末端価格約582億円)から逆算すると、仮に押収されるのが全体の20分の1だとすれば(5%)、市場規模は1兆円をはるかに越える日本最大の闇ビジネスです。

医療に特化した大麻解禁から、闇社会と手を切るための娯楽大麻解禁へ。
この流れは、今後世界を席巻するかもしれませんし、各国闇社会と体制の関係性を計る目安になるでしょう。

 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.322 2017年8月18日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 未来放談
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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