高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

音声入力を使った英語原書の読書法

高城未来研究所【Future Report】Vol.668(4月5日)より

今週も、群馬県館林にいます(実際は東京と往復していますが)。

現在、全国各地域特性を出すために特産品を際立てようとしていまして、館林では「小麦」をブランディングに活用しています。

もともと江戸時代には館林藩が置かれ城下町として栄えたこの街は、当時から小麦の生産地として有名でしたが、特に明治時代以降に品種改良が進み、小麦の生産量が増加したことから小麦生産の一大拠点となりました。
1984年になると、日清製粉が館林市に製粉工場を建設。この工場は関東地方で消費される小麦粉の主要な生産拠点のひとつにまで成長し、いまや市の雇用や税収に大きく寄与する欠かせない存在となりました。

こうした歴史的背景のもと、館林市では小麦を地域の特産品として活用し、地域振興に役立てています。
駅前から「小麦のまち」と書かれたノボリが立ち並び、小麦を使った商品開発や小麦関連のツーリズムなどが行われ、町中うどん屋や和菓子屋ばかり。
正直、なかなか食べるものが見つかりません、、、。

カナダでは全土をあげてグルテンフリーに取り組んでいると言っても過言ではなく、欧州でもその傾向が顕著です。
世界的な潮流を無視した町おこしは、果たして功を奏すのか見届けたいところです。

さて、ここ数週間お伝えしている音声入力による執筆に関するお問い合わせが止まりません。
こればかりは、実際に体験して頂くしか無いのですが、今週はもう一歩進んで、音声入力を使った英語原書の新しい読書方法についてお話ししたいと思います。

近年、Kindleは米国発売と同時に原書が購入できるようになりましたが、読みたくてもなかなか読み進めることができず、邦訳を待つしかないとお考えの方がかなりいらっしゃると思います。
特に医学関連の書籍は特別なワードが多く、都度辞書を引くのも大変で、その上、大半の書籍はいつまで経っても邦訳されることはありません。
また、KIndleはコピー制限機能がついているため、一冊丸ごとDeepLのような翻訳アプリに貼り付けることもできません。

そこで、KIndle購入後、Amazon Alexaに音読してもらい、それをそのまま音声入力して一冊丸ごと書き写します。
そのテキスト原稿を翻訳したり、場合によってはAIに要約してもらって概要を理解し、必要だったらじっくり冒頭から読みはじめればいいのです。

この方法だと1日に何冊もの原書や論文に目を通すことができ、いつまで経っても出るか出ないかわからない邦訳を待つ必要がありません。

ただし、Amazon Alexaの一冊まるまるの音読は、リアルタイムの物理時間を要します。
そこで、日中の不在時に自室でその作業をマシンーマシン間で行なえば、帰宅後、最新書籍の翻訳が毎晩出来上がっています!

実はKindleアプリの音読みは稚拙で、音声入力が上手くいきません。
その点、Alexaは流暢に読み上げますので、完璧ではありませんがそれなりに音声入力が上手くいき、その後、ClaudeなどのAIに要約&翻訳して貰えば概要が理解できます。
もちろん、オーディブルで出版されていれば、それでも可能です。
これは無駄に寝ていた少し前の機種を有効活用する方法でもあります。

この様相は、誰もいない無人の部屋にてデジタルディバイス同士が会話するようなシュールな近未来的光景に思えてなりません。
そのうち、原書を読みながらAIが自分の意見も織り交ぜて話すようになるんでしょうね、「個人的には」などと宣いながら。

機会ありましたら、お試しを。
 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.668 4月5日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 大ビジュアルコミュニケーション時代を生き抜く方法
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

その他の記事

快適に旅するためのパッキング(高城剛)
なぜアップルのユーザーサポートは「絶賛」と「批判」の両極の評価を受けるのか(西田宗千佳)
週刊金融日記 第291号【SegWit2xのハードフォークでまた天から金が降ってくるのか、日経平均は1996年以来の高値にトライ他】(藤沢数希)
「見たことのないもの」をいかに描くか–『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(切通理作)
言語と貨幣が持つ問題(甲野善紀)
俺たちの立憲民主党、政権奪取狙って向かう「中道化」への険しい道のり(やまもといちろう)
「脳ログ」で見えてきたフィットネスとメディカルの交差点(高城剛)
実は「スマート」だった携帯電話は、なぜ滅びたのか ーー10年前、初代iPhoneに不感症だった日本市場のその後(本田雅一)
「モテる人」が決して満足できない理由(岩崎夏海)
『マッドマックス 怒りのデスロード』監督ジョージ・ミラーのもとで働いた時のこと(ロバート・ハリス)
50歳食いしん坊大酒飲みでも成功できるダイエット —— “筋肉を増やすトレーニング”と“身体を引き締めるトレーニング”の違い(本田雅一)
日本の未来を暗示する名古屋という街(高城剛)
暦から社会と自分の未来を読み解く(高城剛)
広告が溢れるピカデリー・サーカスで広告が一切ない未来都市の光景を想像する(高城剛)
「小文字」で執筆中(平川克美)
高城剛のメールマガジン
「高城未来研究所「Future Report」」

[料金(税込)] 880円(税込)/ 月
[発行周期] 月4回配信(第1~4金曜日配信予定。12月,1月は3回になる可能性あり)

ページのトップへ