高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

夕日が映える豊かな時間をゆったりと楽しんで生きる

高城未来研究所【Future Report】Vol.394(2019年1月4日発行)より

あけまして、おめでとうございます。

今週は、東京にいます。

お正月は、「初日の出」を拝みに行く方々も多いと存じますが、この日に限らず、夕日好きの僕は、「初日の入り」を拝みに出かけます。

通年、どの街にいるときにも、「サン・サーベイヤー」(https://apple.co/2LEkf6h)などのアプリを使って「日の入りの時間」を気にしてまして、その時間には、できる限り仕事を入れずに、できれば休憩や移動時間にあてて、1日の終わりを楽しむようにしています。

人生とは、そうやって楽しむもので、好きに生きるというのは、このような時間を持てることを言うのだと、心から実感する瞬間でもあります。

元日の夕日が映える東京都心部はガラガラで、近代建築の粋を集めた街に、四方八方からフレアのように差し込む夕日の輝きは、とても美しく、なぜ、多くの人たちが、もっとこの瞬間を楽しまないのか不思議でなりません。
大金と各局の威信をかけた豪華な正月番組は論外だとしても、家族と団欒する前の、わずかな時間に重い腰を上げてそっと表に出てみる。
そこには、素晴らしい「時」が、広がっているのです。

もし、このメールマガジンを読む時間が、夕方4時20分から5時過ぎぐらいまでなら、ゆっくり空を見上げてください。

20世紀を代表する詩人として知られる草野心平は、宮沢賢治の「春と修羅」を読み、「彼こそは日本始まって以来のカメラマンである、東北以北の純粋トーキーである」と評しました。

美しい夕日は、スマートフォンに写すのではなく、時には一枚の写真も撮らずに、心に刻み、いつしか文章として書き記す。
これも、現代社会を生き抜く「バランス感覚」なのかもしれません。

英王立公衆衛生協会(RSPH)の発表によれば、「若者の心の健康に最悪」なSNSは「インスタグラム」だと名指しで批判。グーグルによると、同社が話を聞いたアンドロイド・ユーザーの約70%が、スマートフォンを「もっとバランスよく」利用する方法を見つけたいと答えたといいます。

動物的に、目に映った気になるものを次々写真に収める日々を卒業し、ディバイスの電源を切って、ただ、豊かな時間を楽しむこと。
幸い、今年も今日から365日、誰でも夕日を楽しめます。

そんなゆとりのある心を持ち、
皆様、どうか良い一年をお過ごしくださいませ。

本年もよろしくお願いいたします。
 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.394 2019年1月4日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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