高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

米国大統領選まで1ヵ月

高城未来研究所【Future Report】Vol.695(10月11日)より

今週は、テキサス州、コロラド州、オレゴン州各地を巡っています。

先週まで滞在していたジャマイカとこれらの地域では、場所によっては気温が30度近く違います。
特にコロラドは朝晩の冷え込みが相当厳しく、人間は前日との気温差が20度以上になると体に大きな負担がかかり、体温調節機能や循環器系、呼吸器系に影響を与え、健康上の問題を引き起こします。

まず、急激な気温差に対応するため、体は通常より多くのエネルギーを使って体温を調整しようとします。
気温が20度以上変わるとこの調整がうまくいかず、自律神経系に負担がかかって寒暖差疲労や倦怠感、体温が安定しないといった症状が現れます。

次に気温差によって血管が急激に収縮または拡張するため、血糖値のグリップ力が弱まり、いつも以上に食事に気をつけていないと血糖値スパイクが起き、疲労度が大きく増してしまいます。

また、体の体温調節機能が追いつかなくなり、例えば前日が非常に暑く、翌日が急激に冷え込む場合、体は適切に体温を保つことが難しくなります。
その上、急激な気温変化により体がストレスを受けると免疫力が著しく低下するため、気温差が大きい頃になると風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなるのです。

さらに、急激な気温変化は、肉体的な影響だけでなく、精神的ストレスも引き起こします。
寒暖差が大きいとストレスホルモン(コルチゾールなど)が増加し、不安感やイライラが募るため、温度差が激しい地域の移動はいつも以上に注意が必要だと、長年の旅路の経験から心得ているつもりです。
具体的には、重ね着などで細かく調整し、また糖質が多い食事は極力に避けながらも、体温を頻繁に測って自分の代謝を客観的に把握するようにしています。
多分日本も季節の変わり目な頃でしょうから、どうか皆様ご自愛下さいませ。

さて、いよいよ米国大統領選が近づき、全米各地を回ってお話をお聞きしていますが、まだまだ結果はわからないのが正直なところです。
というのも、米国マスコミは基本的に民主党寄りであり、正しい情報がもたらされていません。
ただし、各地で人々がこぞって「民主党になってから明らかに治安が悪くなった」と口々に話します。
僕自身もホテルで全く英語が話せないサービスマンが増えていることに驚愕しており、思わずスペイン語で会話することが増えました。
このような事態は10年前には考えられず、明らかに別の国になったと実感しています。

また、何度かお伝えしておりますように、パンデミック以降、都市構造が大きく変わりつつあります。
デンバーなどの中心地主要オフィスビルの空室率は40%を超え、都市型及び郊外型モールともに人がまったくおりません。
モールに出向いても駐車場はガラガラで、大作映画が封切られた週末の映画館も閑古鳥が鳴いています。
企業は株主対策のために社員を会社へ呼び戻すポーズをとりますが、実際はハイブリットワークかフルリモートのままの企業がほとんどです。

コロラド州内第3の都市オーロラは、完全にベネズエラギャングの巣窟となり、毎日死人が出ている有様です。
これは明らかに民主党が集票のため、犯罪歴を持つ者も関係なし無作為に大量の移民を入れたツケだと、多くの民主党贔屓の人たちも感じているところです。

2018年に出版した雑誌「50mm」にもポートランドの惨状と今日の米国の荒廃ぶりを予兆する記事を書きましたが、当時より中心地にはホームレスが増え、とどまる様子を見せません。
今週オレゴン州南部のアシュランドから北部まで縦走しましたが、民主党贔屓の地域にもトランプの看板が目立つようになりました。

パンデミック収束以降、新しい時代のトップを決める大統領選まで1ヵ月。
どちらにしろ、次の世代へ引き継がれる2028年まで(おそらく、その後8年程度まで)、米国は相当荒れるでしょう。
 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.695 10月11日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 大ビジュアルコミュニケーション時代を生き抜く方法
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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