家入一真
@hbkr

家入一真メールマガジン「家入学級」より

起業家は思想家でありアーティストである

f4196d5eefe1d1133f307a4e56e0c3ea_s

キメラを立ち上げてから、ここ数年ずっと距離を置いていた起業家や経営者の知り合いと、久しぶりに会う機会が増えました。LEANは、企業向けと個人向け、ふたつリリースする予定なので、企業向けの方は「こういうのをやろうと思っているんだけど、どうかな」と企業に相談をします。そうしたことも含めて、起業家や経営者と会う回数が少しずつ増えてきていて、なんだかうれしい。

変な話だけど、「戻ってきてくれてうれしい」「ビジネスの世界、ITの世界におかえり」みたいなことを言ってもらえたりもします。

同じフィールドでがんばっている彼らと話すと、やっぱり僕自身刺激になる。例えば、「メルカリ」をやっている(山田)進太郎くん@suaddとか、ドリコムの内藤(裕紀)くん@no7110。
※メルカリ
http://mercari.jp
※ドリコム
http://www.drecom.co.jp

彼らはおおむね僕と同世代で、進太郎くんなんかは10年くらい前からの付き合い。彼は2回目の起業で、僕と似たような境遇なんです。一回会社を売って、メルカリを2年くらいで今の規模にした。すごいなぁ、負けてられないなぁと思います。

これまで、いろんな分野でがんばっている同世代の人と会ってきたけど、やっぱり起業家に対しては好きだと思うし、嫉妬もすごくする。そう考えると、僕が未練があるのはこの分野なのかなと思う。別に線をひく必要はないけれど、今やるべきはやっぱりここだという気がしています。

起業家や経営者のどういうところが好きかって、ビジネスで自己表現している感じがするところ。少なくとも僕はそのつもりでビジネスをしている。「この時代、この社会において、自分はこういうことを思っているので、こういうビジネスを展開してみます」と。「それを通じて、こういう課題を解決していきます」っていうのは、すごくアートっぽい。現代アーティストって、実は起業家なんじゃないかと思います。

それと同時に、起業家は思想家でもある。自分の思想を持っていて、しかも机上の空論ではなく行動が伴っている。以前、僕は講演会のオファーをすべて引き受けていて、月に何度も登壇していたことがありました。そのときに、だんだん自分のことが嫌になってしまったんです。なんだか、口先だけだなって。登壇したり、本を書いたり、思想で食べている人もいるけれど、僕にはそれはできないと悟りました。

アーティストでもあり、思想家でもあるというのが、僕が持つ起業家のイメージ。『我が逃走』でも書いたように、僕は数年前にビジネスに失敗して、しばらくは全然違うことに意識が向いていました。そして今、一周回って戻ってきた感じがしています。僕の歴史はもともと起業から始まっているから。まぁもっと前をさかのぼると、絵描きになりたかった時期もあるけれど。

たいした経験はしてないけど、いろいろな経験をしていくなかで、同じところを繰り返し回っている気がする。だから、人生って螺旋のようだな、と最近思います。登っているのか降りているのか分からないけど。螺旋を進むなかで、前よりは少しでも上がってればいいな。

 

家入一真メールマガジン「家入学級

2015年7月21日 Vol.42

>>>> 家 入 学 級 * 時 間 割 <<<<

1時間目:今日の授業「起業家現代のアーティスト/技術と発想の関係」
2時間目:【Q&A】起業と挫折
3時間目:「ギフト経済ラボ」インタビュー
4時間目:シェアリングエコノミー例
5時間目:メディア情報・活動予定/学級日誌/次号予告

30ダメだけど、なぜかみんなに愛されてやまない連続起業家・家入一真が、4ヶ月の準備期間を経てメルマガ界に帰ってきました!(通算3度目) 学校嫌いだった著者が「学校では教えてくれない、この世を生きる術」について、ときにマジメに、ときにはゆるく語ります。日頃、twitterで寄せられる悩みに140字を超えて答えるコーナーや、ゲストを迎えた対談、講演録なども掲載。 自分の夢に向かって頑張っている人も、世の中にちょっと生きづらさを感じている人も。日本一自由な学び場メルマガ、「家入学級」に来たれ!
https://yakan-hiko.com/ieiri.html

ieiri

家入一真
1978年生まれ。起業家/投資家/クリエイター。悪ふざけをしながら、リアル・ネットを問わず、カフェやWEBサービスや会社など、遊び場を作りまくっている。JASDAQ最年少上場社長。40社程の若手ITベンチャーにも投資している。解放集団Liverty代表、JASDAQ上場企業paperboy&co.創業者、カフェ運営企業partycompany Inc.代表取締役、ベンチャー投資企業partyfactory Inc.代表取締役、クラウドファンディングCAMPFIRE運営企業ハイパーインターネッツ代表取締役。個人名義でも多数のウェブサービスの立ち上げを行うクリエイターでもある。

その他の記事

ゲームにのめりこむ孫が心配です(家入一真)
対人関係の9割は「自分の頭の中」で起きている(名越康文)
2020年の超私的なベストアルバム・ベストブック・ベストデジタル関連アクセサリー(高城剛)
貧富の差がなくなっても人は幸せにはなれない(家入一真)
季節にあわせて世界を移動する食のブローカー達(高城剛)
競争社会が生み出した「ガキとジジイしかいない国」(平川克美×小田嶋隆)
萌えセックス描写溢れる秋葉原をどうするべきか(やまもといちろう)
結局「仮想通貨取引も金商法と同じ規制で」というごく普通の議論に戻るまでの一部始終(やまもといちろう)
“日本流”EV時代を考える(本田雅一)
東京の広大な全天候型地下街で今後予測される激しい気候変動について考える(高城剛)
“リア充”に気後れを感じたら(名越康文)
ネットメディア激変の構図とサブスクリプション問題(やまもといちろう)
「疑り深い人」ほど騙されやすい理由(岩崎夏海)
出力してこそ、入力は正しく消化される(高城剛)
いまの銀座に「粋」な場所を求めて彷徨う(高城剛)
家入一真のメールマガジン
「家入学級」

[料金(税込)] 660円(税込)/ 月
[発行周期] 月2回配信(第1,第3火曜日配信予定)

ページのトップへ