※高城未来研究所【Future Report】Vol.268(2016年8月5発行)より
今週はモザンビークのペンバ、キリンバス諸島、ヨハネスブルグ、香港、東京、バンクーバーと移動しています。
ウトウトしていたら激しい振動で目が覚め、草むらに不時着したのか!?と驚きましたが、そこがキリンバス諸島の主島、イボ島の空港でした。
舗装されていない土の空港はたまにありますが、草むらの空港は、実に久しぶりです。
最近は、さすがにアフリカの空港でもそれなりで、ここから30分ほどの同じモザンビークのペンバでも、空港には最低限の設備(舗装された滑走路やセキュリティチェック等)がありますが、この時代にイボ空港は「無人空港」でした。
次に降り立ったヨハネスブルグは、アフリカ随一の近代都市と言われるだけあって、それなりの空港設備はもとより、インターネットの速度が違うと感じます(といっても8Mbps程度)。
無人のイボ空港にはwifiサービスなどあるわけなく、空港から少し車で走ると、そこは辛うじて電気が通っているような場所で、界隈でもっとも速いと言われるwifiの速度が、9.6kbpsでした。
9.6Mbpsではありません。
9.6kbpsです!
この状況は、20年前のダイアルアップ回線の速度ですので、1日分のメールをダウンロードするのに30分程度かかりまして、大きな添付ファイル(といっても2M程度)があれば障害となり、それ以降のメールは事実上見れなくなってしまいます。
ちなみに、日本のLTEは下り100Mbp超の速度が出ますから、イボ島の1万倍速いことになります。
巷でよく言われる、南国らしい「ゆっくりとした時間」とは、インターネットの速度に置き換えると「1万分の1のスローな時間」ということになるワケで、感覚的な「南国時間」を数値化すれば、何事も遅いのも納得です。
なにしろ、1万分の1ほどスローなワケですから。
この「低速なインターネットの世界」は、ちょっとしたタイムマシンに乗った感じで、まるで過去に時間旅行するような気分になります。
一方、香港まで出てきますと空港の無償wifiは35Mbps、成田は21Mbpsの速度が出ますので、今度はタイムマシンに乗って未来へ戻った気分となるのです。
僕は、その国の「センス」や「未来指標」として、空港で無償提供されるwifiの通信速度を個人的に測ってチェックしていますが、先日、調査会社が発表した2015年度世界でもっとも早いwifiを提供している空港は、タイ(LCC専用空港ドンムアンもなかなか早いと思います)が世界最速で、米国、アイルランド、リトアニア、フィンランド、インドネシア、台湾と続いていました。
この「空港で提供されるwifi速度世界ランキング」に、シンガポールが入っていないのは、少し驚きですね。
もしかしたら、このあたりがシンガポールの「意外な未来」を指し示しているのかもしれません。
夏は大移動の季節。
アフリカの次は、いよいよ北米シリーズの開幕です!
高城未来研究所「Future Report」
Vol.268 2016年8月5日発行
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. マクロビオティックのはじめかた
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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