アメリカはすでに「危険」な国?
ロムニー候補は、今回の討論で、オバマ大統領の医療健康保険改革、いわゆる「オバマケア」を厳しく批判しています。国が個人を助けたり、企業を助けたり、といったスキームは社会主義的であり、間違っているというわけです。人々がそれぞれの自由な創意に基づいて、市場の中で競争する、アメリカはそういう国にするべきだと主張しています。
実際、レーガン大統領とブッシュ親子二代の大統領が、そのような新自由主義的政策を進めた結果、アメリカの経済が活性化したという意見もあります。
しかし、一方では、アメリカはレーガン大統領時代以来、国民の所得の不平等はずっと広がってきています。これはジニ係数を見ても一目瞭然です。
みなさん、あるアメリカの機関が、世界中のさまざまな国のこのジニ係数の統計を取っていることはご存知でしょうか。そのアメリカの機関とは実は、CIA(アメリカ中央情報局)です。ではなぜ、CIAがこのジニ係数の統計を集めているのか。それは、このジニ係数から、社会の安定性を予測することができるからですね。つまり、ジニ係数が大きくなって社会の不平等が増していると思われる国は、革命が起きる可能性が高いということになる。
ちなみに、ジニ係数は、ゼロがもっとも平等な国ということであり、1になると完全な不平等ということを意味します。そして、0.5くらいになると危険水域とされています。ではアメリカは今いくつくらいかというと、0.45ほどになっています。アメリカは、すでにかなり不平等な社会になっていて、安定性の面から考えても危険な状況にあると言えるわけです。

その他の記事
![]() |
『趾(あしゆび)でカラダが変わる』中村考宏インタビュー(下村敦夫) |
![]() |
「政治メディア」はコンテンツかプラットフォームか(津田大介) |
![]() |
「節分」と「立春」(高城剛) |
![]() |
ヘヤカツで本当に人生は変わるか?(夜間飛行編集部) |
![]() |
新陳代謝が良い街ならではの京都の魅力(高城剛) |
![]() |
リアルな経済効果を生んだ「けものフレンズ」、そして動物園のジレンマは続く(川端裕人) |
![]() |
Qualcommブースで聴いたちょこっといい話(小寺信良) |
![]() |
いじめ問題と「個人に最適化された学び」と学年主義(やまもといちろう) |
![]() |
『心がスーッと晴れ渡る「感覚の心理学」』著者インタビュー(名越康文) |
![]() |
自分の「生き方」を職業から独立させるということ(紀里谷和明) |
![]() |
日本はどれだけどのように移民を受け入れるべきなのか(やまもといちろう) |
![]() |
「コントラスト」と「ダイナミックレンジ」(高城剛) |
![]() |
1級市民と2級市民の格差が拡がるフランスの実情(高城剛) |
![]() |
20世紀の日米関係がいまも残る基地の街(高城剛) |
![]() |
連合前会長神津里季生さんとの対談を終え参院選を目前に控えて(やまもといちろう) |