その1 自分の身体と医療の現状を知る
実際のところ、過剰な医療介入を避けるためには、自分自身の体と医療の現状を良く知っておかなければなりません。そうしないと、一体どれが過剰で、どれが適切なのかが判らなくなってしまうのです。子どもの場合はとても良い本があります。
うちの場合は、この本に照らし合わせ、必要ない場合は病院へ連れて行かないことにしていました。息子は予防注射後に発熱する体質で、38度台の熱がよく出たので、一度だけ夜間の相談窓口に電話を掛けたことがありました。
その時のワクチンは水ぼうそうワクチン。これ、白血病などの免疫力が落ちている子達のために開発されたワクチンで、副反応が一番出にくいというワクチンなのですが、それでも発熱。さすがに心配になって電話したのですが、「問題ないと思います、熱性けいれんもないでしょ?」と言われたので安心して経過観察し、そのまま次の日解熱しました。ココがポイントだったりします。発熱だけなら別に問題ないのですよ。意識混濁や嘔吐・痙攣が出たら即刻救急車なのです。普通の症状と全く違うのが出たら、すぐ!
「こういう時は病院へ」6か条
大人の場合もこういった線引きが書かれている書籍があるといいんですが、どちらかというと不安を煽る書籍しか無いので困ったもんです。わたしが「とりあえず病院へ行ってきなさい」と指示する指標を一応書いておきます。
1.慢性疾患を持っていて、いつもの症状と全く違ったものが見られたとき。
2.明らかな浮腫がある(指で押しても凹んだっきり戻ってこない)
3.高熱かつ、もうろう状態、意識混濁がある。
4.いつまで経っても消えない痛みがあり、鍼灸治療を受けても漸増する。
5.体表面から触れられる、硬くて大きいしこりがある。
6.関節変形が見られ、痛みがあり、明らかに腫脹しているとき。
最後の項目はリウマチを疑うもので、膝関節の水腫(膝に水がたまる)に関しては、痛みや甚だしい可動域の制限を伴わないなら放置しても大丈夫なことがあります。
リウマチの場合は早めの服薬で関節変形の進行が止められるかどうかが今後の生活の質を決める鍵になるので、指先等の小さい関節に見られる軽い関節変形でも 受診をすすめる事が多いです。ま、結果的になんとも無かったことが多いですけどね。
※
というわけで、みなさん。単なる頭痛や風邪、腰痛等の痛みで病院へは行かないのよ! 医療機関の受診理由の半分以上が行っても意味のない受診だと思っています、わたし。
医療費は限りある資源、大事に使わないと、せっかくの健康保険が破綻しちゃうわよ。過剰な医療介入は、過剰な医療施設への受診が引き起こしている側面もあるのです。
特に、痛みに関してね。内科領域でも外科領域でも、持続性かつ漸増する痛みでない限り、ほぼ受診する必要がありません。何にも見つからなかったからといっ て繰り返しCTやMRI検査を行うほうがカラダに悪いです。
でさー、大抵の場合なんだけど、上記の1~6に当てはまる時って、常とは違う 「何か」を感じるもんだから、受診を渋るのよね~。ごく普通の症状とはなにか違うものが、重篤な疾患の予兆には必ずあります。それを逃さないで、怖がらずに医師に相談すること。医療機関への受診はこれに尽きると思います。
その他の記事
|
俺らの想定する「台湾有事」ってどういうことなのか(やまもといちろう) |
|
“リア充”に気後れを感じたら(名越康文) |
|
「小池百合子の野望」と都民ファーストの会国政進出の(まあまあ)衝撃(やまもといちろう) |
|
日大広報部が選んだ危機管理の方向性。“謝らない”という選択肢(本田雅一) |
|
歩く速度と健康状態の関係(高城剛) |
|
伊達政宗が「食べられる庭」として築いた「杜の都」(高城剛) |
|
日本の脱原発は本当に可能なのか?――ドイツ10年の歩みに学ぶエネルギー政策(津田大介) |
|
週刊金融日記 第317号【外国語を使ったAttractionフェーズ攻略法、トヨタ自動車2018年3月期決算純利益2.5兆円他】(Array) |
|
「狭霧の彼方に」特別編 その1(甲野善紀) |
|
ブロッキング議論の本戦が始まりそうなので、簡単に概略と推移を予想する(やまもといちろう) |
|
決められないなら、委ねよう(天野ひろゆき) |
|
人工知能の時代、働く人が考えるべきこと(やまもといちろう) |
|
「わからない」という断念から新しい生き方を生み出していく(甲野善紀) |
|
夏休み工作、今年の「音友ムック」はQWT型!(小寺信良) |
|
知的好奇心の受け皿としての「私塾」の可能性(名越康文) |











