コンプレックスを根本から克服する
「離見の見」を得るためには、この問題は必ずといっていいほどつきまとう。ど
うしたって自分のコンプレックスと向き合わなければならないのだ。
しかしながら、これを解決する方法もないわけではない。それは、面白いことに
「離見の見」を突き詰める――ということなのである。
ここで、もう一度イメージしてみてほしい。
例えば、街ですれ違う赤の他人に、醜い外見の人がいたとする。
その人を見て、あなたの心は傷つくだろうか?
あなたは、見ていられないと思うだろうか?
中にはそういう人もいるかもしれないが、しかしほとんどの人は、他人事だから
関係ないと思って、心が傷ついたりするようなことはない。何の関心も湧かず、
気にならないはずである。
実は、離見の見を突き詰めると、自分を赤の他人のように見ることができるので
ある。街ですれ違う人と同じレベルにまで関心を引き下げることができるのだ。
それゆえ、たとえ外見にコンプレックスがあったとしても、他人事として気にな
らなくなるのである。
さて、そうして「離見の見」を得ることができたら、今度は次のステップが待っ
ている。
それは「喜怒哀楽を取り戻す」ということだ。
次回は、その方法について詳しく述べていきたい。
大好評新刊!『部屋を活かせば人生が変わる』
夜間飛行、2013年11月
部屋を考える会 著
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『毎朝6時、スマホに2000字の「未来予測」が届きます。』 このメルマガは、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(通称『もしドラ』)作者の岩崎夏海が、長年コンテンツ業界で仕事をする中で培った「価値の読み解き方」を駆使し、混沌とした現代をどうとらえればいいのか?――また未来はどうなるのか?――を書き綴っていく社会評論コラムです。
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岩崎夏海
1968年生。東京都日野市出身。 東京芸術大学建築科卒業後、作詞家の秋元康氏に師事。放送作家として『とんねるずのみなさんのおかげです』『ダウンタウンのごっつええ感じ』など、主にバラエティ番組の制作に参加。その後AKB48のプロデュースなどにも携わる。 2009年12月、初めての出版作品となる『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(累計273万部)を著す。近著に自身が代表を務める「部屋を考える会」著「部屋を活かせば人生が変わる」(累計3万部)などがある。
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