いかがでしょう?
アンはマシューと一緒に通ってきた道に、「街道」(avenue)の代わりに「歓喜の白路」(White Way of Delight)という名前をつけます。それから、自分は、ふさわしくない名前があると、いつも新しい名前を考えるのだといい、孤児院にいた女の子に、ひそかに別の名前をつけていたことを話します。このあたりは、ちょっとユーモラスですね。
この場面は、アンの感激力を表しています。地元の人が、ただ「街道」(avenue)と名づけて済ませてしまう場所に、新しい名前をつける。ここには、何げないものにも心を動かし、そこに意味を与えずにいられない人間の根源的な衝動があります。こういう感激力をもつアンだからこそ、この後、見慣れた日常を新鮮な風景に変えて、周囲の人に感化をもたらして行くのです。
その一方で、マシューの、「ちょっとキレイなところだね」と済ませてしまう、実際的なセンスも、この部分の読みどころです。英語圏には、アンのような人よりも、むしろマシューのような人の方が多い。英語圏が実際的なセンスを文化として持っていたからこそ、文明が発展したともいえます。原書に親しむことは、そのような、英語圏の人々の性格のようなものにまで出会い、読み取る機会を与えてくれるのです。
英語を通して、英語以上のものを学ぶ。英語学習は、単なる検定試験の点数稼ぎではない。人間としての幅を広げる、習練の場なのです。
この名文!
It's the first thing I ever saw that couldn't be improved upon by imagination.
想像力を使ってもそれ以上良くできないものなんて、初めて出会ったわ。
その他の記事
|
アイデアを生む予定表の「余白」(岩崎夏海) |
|
世界は本当に美しいのだろうか 〜 小林晋平×福岡要対談から(甲野善紀) |
|
数年後に改めて観光地としての真価が問われる京都(高城剛) |
|
自民党党内処分と議員組み換え狂想曲(やまもといちろう) |
|
祝復活! 『ハイスコアガール』訴訟和解の一報を受けて(編集のトリーさん) |
|
寂しい気持ちとの付き合い方(家入一真) |
|
「歴史的」南北会談が東アジアの安全保障に与える影響の有無(やまもといちろう) |
|
石田衣良がおすすめする一冊 『ナイルパーチの女子会』柚木麻子(石田衣良) |
|
【疲弊】2021年衆議院選挙の総括【疲弊】(やまもといちろう) |
|
縮む地方と「奴隷労働」の実態(やまもといちろう) |
|
「一人でできないこと」を補う仕組み–コワーキングスペースが持つ可能性(家入一真) |
|
今週の動画「太刀奪り」(甲野善紀) |
|
ロシア人が教えてくれた人生を楽しむための世界一具体的な方法――『人生は楽しいかい?』(夜間飛行編集部) |
|
週刊金融日記 第272号<高級住宅地は子育てにまったく向かないという話 他>(藤沢数希) |
|
冠婚葬祭に思うこと(やまもといちろう) |











