いかがでしょう?
アンはマシューと一緒に通ってきた道に、「街道」(avenue)の代わりに「歓喜の白路」(White Way of Delight)という名前をつけます。それから、自分は、ふさわしくない名前があると、いつも新しい名前を考えるのだといい、孤児院にいた女の子に、ひそかに別の名前をつけていたことを話します。このあたりは、ちょっとユーモラスですね。
この場面は、アンの感激力を表しています。地元の人が、ただ「街道」(avenue)と名づけて済ませてしまう場所に、新しい名前をつける。ここには、何げないものにも心を動かし、そこに意味を与えずにいられない人間の根源的な衝動があります。こういう感激力をもつアンだからこそ、この後、見慣れた日常を新鮮な風景に変えて、周囲の人に感化をもたらして行くのです。
その一方で、マシューの、「ちょっとキレイなところだね」と済ませてしまう、実際的なセンスも、この部分の読みどころです。英語圏には、アンのような人よりも、むしろマシューのような人の方が多い。英語圏が実際的なセンスを文化として持っていたからこそ、文明が発展したともいえます。原書に親しむことは、そのような、英語圏の人々の性格のようなものにまで出会い、読み取る機会を与えてくれるのです。
英語を通して、英語以上のものを学ぶ。英語学習は、単なる検定試験の点数稼ぎではない。人間としての幅を広げる、習練の場なのです。
この名文!
It's the first thing I ever saw that couldn't be improved upon by imagination.
想像力を使ってもそれ以上良くできないものなんて、初めて出会ったわ。
その他の記事
|
快適に旅するためのパッキング(高城剛) |
|
「ルールを捨てる」とき、人は成長する 世界のトップビジネスパーソンが注目する「システマ」の効果(北川貴英) |
|
「OP PICTURES+フェス2022」石川欣・髙原秀和 80年代デビューのピンク俊英たちが新しい時代に放つ爆弾!(切通理作) |
|
20代のうちは「借金してでも自分に先行投資する」ほうがいい?(家入一真) |
|
「いま評価されないから」といって、自分の価値に疑問を抱かないためには(やまもといちろう) |
|
「小文字」で執筆中(平川克美) |
|
“美しい”は強い――本当に上達したい人のための卓球理論(上)(山中教子) |
|
ソニーが新しい時代に向けて打つ戦略的な第一手(本田雅一) |
|
元を正せば……という話(本田雅一) |
|
サイケデリック・ルネッサンス(高城剛) |
|
冬のビル籠りで脳と食事の関係を考える(高城剛) |
|
立憲民主党の経済政策立案が毎回「詰む」理由(やまもといちろう) |
|
ロシア人が教えてくれた人生を楽しむための世界一具体的な方法――『人生は楽しいかい?』(夜間飛行編集部) |
|
成功する人は群れの中で消耗しないーー「ひとりぼっちの時間(ソロタイム)」のススメ(名越康文) |
|
「支持政党なし」の急増が示す政治不信の本質(やまもといちろう) |











