いかがでしょう?
アンはマシューと一緒に通ってきた道に、「街道」(avenue)の代わりに「歓喜の白路」(White Way of Delight)という名前をつけます。それから、自分は、ふさわしくない名前があると、いつも新しい名前を考えるのだといい、孤児院にいた女の子に、ひそかに別の名前をつけていたことを話します。このあたりは、ちょっとユーモラスですね。
この場面は、アンの感激力を表しています。地元の人が、ただ「街道」(avenue)と名づけて済ませてしまう場所に、新しい名前をつける。ここには、何げないものにも心を動かし、そこに意味を与えずにいられない人間の根源的な衝動があります。こういう感激力をもつアンだからこそ、この後、見慣れた日常を新鮮な風景に変えて、周囲の人に感化をもたらして行くのです。
その一方で、マシューの、「ちょっとキレイなところだね」と済ませてしまう、実際的なセンスも、この部分の読みどころです。英語圏には、アンのような人よりも、むしろマシューのような人の方が多い。英語圏が実際的なセンスを文化として持っていたからこそ、文明が発展したともいえます。原書に親しむことは、そのような、英語圏の人々の性格のようなものにまで出会い、読み取る機会を与えてくれるのです。
英語を通して、英語以上のものを学ぶ。英語学習は、単なる検定試験の点数稼ぎではない。人間としての幅を広げる、習練の場なのです。
この名文!
It's the first thing I ever saw that couldn't be improved upon by imagination.
想像力を使ってもそれ以上良くできないものなんて、初めて出会ったわ。
その他の記事
|
週刊金融日記 第283号 <ショート戦略を理解する、ダイモンCEOの発言でビットコイン暴落他>(藤沢数希) |
|
眼鏡っ子のための心を整えるエクササイズ(名越康文) |
|
夏の京都で考える日本の「失われた150年」(高城剛) |
|
汚部屋の住人が勘違いしている片づけの3つの常識(岩崎夏海) |
|
「ストレスを溜め込まない」って、意味あります?(やまもといちろう) |
|
自分の部屋を「iPhone化」する–大掃除の前にヘヤカツ(部屋活)してみよう!(岩崎夏海) |
|
ハダカの「自分」を見つめることの難しさ(紀里谷和明) |
|
週刊金融日記 第314号【簡単な身体動作で驚くほどマインドが改善する、日米首脳会談は福田財務事務次官「おっぱい触らせて」発言でかき消される他】(藤沢数希) |
|
資本家・事業にとってだけ有利なデジタル革命、シェアリングエコノミー問題(やまもといちろう) |
|
「相場下落」の冬支度、なのか(やまもといちろう) |
|
乙武洋匡さんの問題が投げかけたもの(やまもといちろう) |
|
頑張らなくても失敗しないダイエット(本田雅一) |
|
「ゴールデンウィーク」という呼び名の由来から考えるメディアの寿命(高城剛) |
|
竹富島で考える沖縄の内と外(高城剛) |
|
あれ? これって完成されたウエアラブル/IoTじゃね? Parrot Zik 3(小寺信良) |











