いかがでしょう?
アンはマシューと一緒に通ってきた道に、「街道」(avenue)の代わりに「歓喜の白路」(White Way of Delight)という名前をつけます。それから、自分は、ふさわしくない名前があると、いつも新しい名前を考えるのだといい、孤児院にいた女の子に、ひそかに別の名前をつけていたことを話します。このあたりは、ちょっとユーモラスですね。
この場面は、アンの感激力を表しています。地元の人が、ただ「街道」(avenue)と名づけて済ませてしまう場所に、新しい名前をつける。ここには、何げないものにも心を動かし、そこに意味を与えずにいられない人間の根源的な衝動があります。こういう感激力をもつアンだからこそ、この後、見慣れた日常を新鮮な風景に変えて、周囲の人に感化をもたらして行くのです。
その一方で、マシューの、「ちょっとキレイなところだね」と済ませてしまう、実際的なセンスも、この部分の読みどころです。英語圏には、アンのような人よりも、むしろマシューのような人の方が多い。英語圏が実際的なセンスを文化として持っていたからこそ、文明が発展したともいえます。原書に親しむことは、そのような、英語圏の人々の性格のようなものにまで出会い、読み取る機会を与えてくれるのです。
英語を通して、英語以上のものを学ぶ。英語学習は、単なる検定試験の点数稼ぎではない。人間としての幅を広げる、習練の場なのです。
この名文!
It's the first thing I ever saw that couldn't be improved upon by imagination.
想像力を使ってもそれ以上良くできないものなんて、初めて出会ったわ。
その他の記事
|
週刊金融日記 第294号【怪物ビットコイン ~ハードフォークという富の複製、ビットコイン・ダイヤモンド誕生!時価総額1兆7000億円他】(藤沢数希) |
|
ノーヘル『電動キックボード』をどう扱うべきか(やまもといちろう) |
|
『スターウォーズ』は映画として不完全だからこそ成功した(岩崎夏海) |
|
気候が不動産価格に反映される理由(高城剛) |
|
「なぜかモテる人たち」のたったひとつの共通点(岩崎夏海) |
|
声で原稿を書くこと・実践編(西田宗千佳) |
|
スペイン、アンダルシア地方の旅の途中で考えたこと(本田雅一) |
|
誰も無関係ではいられない「メディアの倫理」(小寺信良) |
|
『「赤毛のアン」で英語づけ』(3) 〝大事なこと〟にはこだわっていい(茂木健一郎) |
|
「何をやっても達成感を感じられない時」にやっておくべきこと(名越康文) |
|
桜の花が散るように都市の形は常に変化し続ける(高城剛) |
|
スープストックトーキョーの騒ぎと嫌われ美人女子の一生(やまもといちろう) |
|
僕が今大学生(就活生)だったら何を勉強するか(茂木健一郎) |
|
アマゾンマナティを追いかけて〜赤ちゃんマナティに授乳する(川端裕人) |
|
中国製格安EVのダンピング問題と根源的なもの(やまもといちろう) |











