※紀里谷和明メールマガジン「PASSENGER」2015年3月06日発行vol.40より。
じつは自分の作品って月日が経つほどに嫌になるところがあって。なんで嫌なのかって、言ってしまえば、やっぱり「ダメ」なんですよね。これは別に謙遜でもなんでもなくて、見れば見るほど「イケてない」んです(苦笑)。
「(紀里谷さんの作品は)今の監督に影響を与えてると思いますよ」なんて言われたりもするんですけれども、そう言っていただけるのは、非常にうれしいし、ありがたいんです。でも、自分で見ると……。唯一、「誰かの願いがかなうころ」のPVだけ。この一作くらいしか、許せないんですよね。
みなさんが「いい」と言ってくださる「traveling」もそう。ときどきカラオケ屋さんで流れているのを見かけますけど、カメラワークも「甘い」とか思いますし。いろんなことが考え尽くされないまま作られていて「ゆるい」なと思ってしまうんです。完成していないというか――まあ、完成することなんて、ないんですけどね。
「SAKURA ドロップス」も、当時は詰めて詰めて、かなりの精度でつくっていたつもりだったんです。でも、今、見返すと、ゆるい。海外では見せられないな、なんて思ってしまう。つくっているときは、もちろん、いつも全力でやってるんですけれども。
きっとLast Knightsも、数年後にはそんなふうに思ってしまうのかもしれませんね。ひとつ言えるのは、テクニカルな部分って、そんなに重要なことじゃないんですよ。「自分が完成していない」がゆえに、そうなってしまうんじゃないかと思います。今まで、自分というところを、あまり直視しないまま「どうにかなるんじゃないの」という感じでやっていたところがあって。
まず、自分が固まらないといけないなと思いますね――もっと精進したいと思います。
★『LAST KNIGHTS / ラスト・ナイツ』
新作映画、『LAST KNIGHTS / ラスト・ナイツ』予告編が公開されました!
ぜひご覧ください。
公式YouTube予告編
https://www.youtube.com/watch?v=ZsnuF1JZPY8
メッセージ
http://ameblo.jp/kiriyaworld/entry-11990634583.html
多くの方々に支えていただきながら、5年がかりで作り上げた作品です。まだ、小さな一歩ですが、確実に踏み出した一歩だと思っております。日本での公開は今年の秋ですが、1日も早く皆さまに観ていただきたいという気持ちでいっぱいです。未熟ではありますが、これからも応援して頂ければ幸いです。
【作品概要】
『LAST KNIGHTS / ラスト・ナイツ(原題)』。
2015年4月全米・世界公開が決定、日本は今秋公開予定。
メインキャストには、『クローサー』(04)でアカデミー賞助演男優賞にもノミ
ネートされたクライヴ・オーエンと、これまでに4度のノミネート、『ミリオンダ
ラー・ベイビー』(04)ではアカデミー賞助演男優賞を受賞した名優モーガン・
フリーマンを迎え、全世界から多彩なキャストが集結し、日本からは伊原剛志が
出演。
監督:紀里谷和明
キャスト:ライヴ・オーエン、モーガン・フリーマン、アクセル・へニー、クリ
フ・カーティス、ショーレ・アグダシュルー、伊原剛志ほか
米国配給:Lions Gate
公開:(全米/世界)2015年4月3日/(日本)2015年秋予定
公式Youtube:https://www.youtube.com/watch?v=ZsnuF1JZPY8
公式Facebook:https://www.facebook.com/lastknightsmovie
紀里谷和明メールマガジン「PASSENGER」
2015年3月06日発行vol.040
<20年後に「映画監督」は職業として存在するか?><資本主義が終焉を迎える
とき>ほかより
1.最近のキリヤ
2.20年後に「映画監督」は職業として存在するか?
3.資本主義が終焉を迎えるとき
4.今週のおすすめ本
5.Q&A
6.お蔵出しフォト
7.メディア掲載・作品など
※購読開始から1か月無料! まずはお試しから。
※kindle、epub版同時配信対応!
紀里谷和明メルマガ「PASSENGER」のご購読はこちらから
その他の記事
|
「ウクライナの次に見捨てられる」恐怖から見る日米同盟の今後(やまもといちろう) |
|
コロナが終息しても、もとの世界には戻らない(高城剛) |
|
人は何をもってその商品を選ぶのか(小寺信良) |
|
快適に旅するためのパッキング(高城剛) |
|
LINE傍受疑惑、韓国「国家情報院」の素顔(スプラウト) |
|
『赤毛のアン』原書から、アイスクリームの話(茂木健一郎) |
|
責任を取ることなど誰にもできない(内田樹) |
|
細かいワザあり、iPhone7 Plus用レンズ(小寺信良) |
|
成功を導くのは、誰からも評価されない「助走期間」だ–天才を育む「ひとりぼっちの時間」(ソロタイム)(名越康文) |
|
私が現役であることを思い知った夜(甲野善紀) |
|
「疑り深い人」ほど騙されやすい理由(岩崎夏海) |
|
コデラ的恋愛論(小寺信良) |
|
どんなSF映画より現実的な30年後の世界を予測する(高城剛) |
|
なぜいま、世界史なのか? なぜ『最後の作品』が世界史なのか?(長沼敬憲) |
|
萌えセックス描写溢れる秋葉原をどうするべきか(やまもといちろう) |












