※高城未来研究所【Future Report】Vol.250(2016年4月1日発行)より
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今週は、香港にいます。
この夏に出版予定の「Life Packing 2」のために、現在、あたらしい海外旅行のスタイルを模索しておりまして、ついに今回、「手ぶら」で香港にやってきました。
よく、旅先で着替えなどを購入すればいいなどと言われますが、二泊三日分の着替えをベルトにつける小さなポーチに詰め込み、すべての生活道具を備え、「究極のパッキング」=手ぶらで海外旅行を実践中です。
ここ最近、数ヶ月にも及ぶ旅行が10リットルのバックパックに収まっていますので、二泊三日程度なら「手ぶら」でも問題ないだろうと思って実行しましたが、まさに無問題。
すべての着替えとシャンプー、歯磨き粉など、身の回りの生活用具も一式持って、現地で購入するものもなく、それなりに快適に過ごしています。
また、もうひとつの挑戦は、起きてから飛行機に乗るまでの時間短縮です。
都心のホテルに住んでいますと羽田へのアクセスバスの利便性が高く、そして、空港の自動発券機や自動化ゲートにより、飛行機に乗るまでの時間が大きく短縮されることになりました。
朝起きてから15分で出て、バス停まで5分。
飛び乗って羽田まで30分。
その後、ボーディングパスをマシンで発券し、セキュリティを超えて、自動化ゲートを通って、搭乗ゲートへ。
この間、朝起きてから搭乗ゲートまで、なんと70分!
スゴい時代がやってきました。
調子に乗ってると、そのうち渋滞に巻き込まれて乗り遅れる事もあると思いますので、気を引き締めたいと思いますが、どこかで、朝起きてから搭乗ゲートま60分を切ることを目指したいと思っている今週です。
いったい、僕はなにに挑戦しているのでしょうか?(笑)。
さて、今週滞在している香港ですが、数ヶ月前にもお話ししましたように、景気が急速に減速していることが伺えます。
もう30年近く定点観測をしている携帯電話雑居ビル「先達商場」は、良いテナント場所が最新商品を扱うショップから修理屋に変貌し、ショーウインドウには「二手」と書かれた中古品が並ぶようになりました。
わずか2-3年前まで、リーバイスなどの謎の「ブランドスマホ」が軒先を飾っていたのが、冗談のように思います、その要因は、ここ数年の中国人観光客バブルが崩壊したことにありまして、この様相は日本の数年後を想起せずにはいられません。
なぜなら、これも何度かお話ししておりますように「外国人観光客」の正体は「外国人買い物客」だからで、その動向は為替次第なのです。
また、中国が景気減速しているのは、改めて言うまでもありませんが、中国に限らず東アジア全般の国家は、「現実を直視する」ことを拒む体質があるように僕には見えます。
どんなに経済政策が失敗しても、それを認める事はぜず、どんなに日々貧しくなっても、それすら認めません。
そこで、お金がなくなった「現実を直視する」必要がない製品が次々と登場しています。
その際たるものが、「iPhoneSE」だと思います。
「iPhoneSE」は、機能そのままで、多くの人たちのご要望にあわせて「サイズを小さくしただけ」の素晴らしい製品と言われていますが、実際は、廉価版に過ぎません。
かつて、Appleは「iPhone5 C」というデザインが全く異なる廉価版シリーズを出して、大失敗した黒歴史があります。
それは、お金のない人ほど高級商品を購入したがる東アジアの人々のことを、Appleが理解していなかったからで、「サイズを小さくしただけ」であれば、購入者のプライドを傷つけることもありません。
ここに、Appleが東アジアのメンタリティを理解した様子が伺えます。
本来、最新機種であれば、むしろサイズをさらに大型化し、タブレットもコンピュータも駆逐するような「カニバる」(共食い)方向が正しいわけで、それゆえ、人々の荷物が少なくなるはずです。
確かに僕自身も、スマートフォンが大型化したからこそ、その他の荷物が小さくて済むようになったと個人的には実感してまして、そろそろiPadと「カニバる」6インチ台スマホが登場して脚光を浴びてもおかしくないと思っています。
もしくは、二台目として極端に小さなapple watchと「カニバる」2-3インチ台(Friskサイズ)こそが、あたらしい提案のように思うのです。
本来なら、立ち上がりがうまくいってないWindowsモバイルこそ、いままでにないサイズを出す必要があるんだろうな、と香港の携帯雑居ビルで考える今週です。
ちなみに、「手ぶら」だったので気が緩み、ドローンをたっぷり買い込んだため、帰路は大荷物になりそうです(汗)。
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「空飛ぶロボットは、黒猫の夢を見るか?」(集英社刊 価格:1512円)
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1976年から1995年までの20年間をパーソナル・コンピュータ革命、1996年から2015年までをインターネット革命とするならば、これからの20年間、人類はより大きな革命を目にすることになる。
その革命は、頭文字から R・N・G と呼ばれており、ロボティックス、ナノテクノロジ─、遺伝子工学の三つを分子として、 AIを分母とする人類史上最大の「チェンジ」が、いよいよやってくるのだ。
その序章がドローンで、それは「現実化するインターネット」になるだろう、と高城剛は言う。
現在、「新天地」を目指して、世界中のあらゆる企業や人が続々と参入し、「次の移動体」や「ポスト・インターネット」としてのドローンを、ビジネスチャンスとして狙っている。
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ダブル・ドッグイヤーと呼ばれ、急速に進歩する「ドローン時代」を制するのは、いったいどこの国の誰なのか?
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┃高┃城┃未┃来┃研┃究┃所┃【Future Report】
Vol.250
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/ 2016年4月1日発行 /
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. マクロビオティックのはじめかた
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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http://yakan-hiko.com/takashiro.html
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