※メールマガジン「小寺・西田の金曜ランチビュッフェ」2016年7月8日 Vol.089 <ルールと構造号>より
今度の日曜日が、参議院選挙の投票日だ。ちょうどうちの町内のお祭りの日と当たってしまい、投票に行く時間が限られそうだが、夜8時までやってるのでなんとかなりそうである。
メディアではどちらかというと都知事選の方に注目が集まってしまい、参院選はちょっとフォーカスが甘い感じになってしまっているが、それでも国民の意思を反映する大事な選挙には違いない。各政党や候補者の政策を細かく見ていくのが筋なのだろうが、ここではざっくりと方向性を探ることができるツールやサイトをご紹介してみたい。
データで見る参院選
ニュースポータルでも日本では最強を誇るYahoo! だが、選挙特設リングとも言える「みんなの政治」では、様々なコンテンツを提供している。現在トップページでは、政党との相性診断や政党の公約チェックなど、比例代表選出の参考になりそうな情報を提供している。まずはここからスタートするのがいいだろう。
選挙区候補者についても、毎日新聞提供の「えらぼーと」へのリンクがある。ただ「えらぼーと」の設問は選択肢が少なく、設問に対する解説もないので、結果は参考程度に留めておくべきだろう。
もうひとつ、Yahoo!では2013年の参議院選挙から、ビッグデータを使った議席予測を行なうようになっている。これが意外なほどに当たるということで、当時ずいぶん話題になったものだ。今回の選挙でも6月29日時点での予測を発表している。
詳しくはリンクを見て頂ければと思うが、全体の予測としては与党連合がやや議席を増やし、民進党が大幅減、その分を共産と大阪維新が刈る、という予測を立てている。
一方で「国会議員白書」では、前期の参議委員議員の活動を、本会議発言数や発言文字数、委員会出席数や発言数などのデータとして公開している。それぞれのパラメータでソートできるので、「こいつ全然仕事してねえ」的な議員を見つけるのには役に立つだろう。いやしかし、本会議でも委員会でも発言ゼロって議員、いらないんじゃないですかね…。
Twitterで分析する政策論点
何か参院選に役に立つツールはないかと探してみたところ、Twitterをグラフィカルに分析する「Whotwi」というサイトを見つけた。Twitter IDを入れて検索すると、その発言内容を分析し、ワードクラウド的に表示してくれるサービスだ。
とりあえず参院選に差し障りのないところで、東国原前宮崎県知事の発言をこれで分析してみよう。
仲良しの人たちという部分が微妙な結果になっているがそこはそっとしといて、ワードクラウドで見ると、どのような話題に言及しているかがよくわかる。今となっては宮崎への言及もほとんどなくなっているのが、元宮崎県民としては残念なところだ。
まあこんな具合に、自分の選挙区の議員の発言を分析して傾向を見るというのも面白いと思う。政治家、議員のTwitterアカウントは、「meyou」というサイトに良くまとまっている。議員をクリックすると、発言がカレンダー形式で読めるようになっている。これとWhotwiを組み合わせると、その議員のだいたいの傾向がわかるのではないだろうか。
・meyou 「政治家・議員」のTwitterアカウントまとめ一覧
また現在の参議院議員候補が何をやってるか、あるいは街頭演説で何を言ったかは、Yahoo! のリアルタイム検索を使うといいだろう。
・Yahoo! リアルタイム検索 「参議院議員 Twitter」
Twitterをやってない議員はどうするのかって? いや今どき選挙にTwitterを利用しない議員って、こうしてネットで政治の情報を見ている僕らにとって必要なのかな?
小寺・西田の「金曜ランチビュッフェ」
2016年7月8日 Vol.089 <ルールと構造号> 目次
01 論壇【西田】
スマホ・SNS時代の「メディア価値」を考える
02 余談【小寺】
参議院議員選挙をデータで眺める
03 対談【小寺】
フリーライターの健康保険サバイバル(4)
04 過去記事【西田】
iPhone4の「アンテナゲート」は本当の問題か
05 ニュースクリップ
06 今週のおたより
07 今週のおしごと
コラムニスト小寺信良と、ジャーナリスト西田宗千佳がお送りする、業界俯瞰型メールマガジン。 家電、ガジェット、通信、放送、映像、オーディオ、IT教育など、2人が興味関心のおもむくまま縦横無尽に駆け巡り、「普通そんなこと知らないよね」という情報をお届けします。毎週金曜日12時丁度にお届け。1週ごとにメインパーソナリティを交代。 ご購読・詳細はこちらから!
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