読書の原点
子供の頃に星新一のショートショートにお世話になったという人は、ずいぶん多いのではないかと思います。典型的なじっとしていられない子供だった自分にとっても、星新一ははじめて本というものに没頭させてくれた読書の原点でした。
彼の読者だった者なら誰しも、記憶に焼き付いて離れない“特別なお話”というのが一つはあると思いますが、自分の場合、特に本書に収録されている『夜の会話』がそれでした。内容は、一見するとある平凡な男のUFOそして宇宙人との遭遇を描いた軽いSFものという風なのですが、その実「現実はどうやって作る(作られる)のか?」「そもそも人がなにかを見るということとはどういうことなのか?」といった、唯識論的なテーマを扱ったお話になっているんです。
ここのところ、ますます時勢の変化が激しくなり、「現実」をきちんと「見る」ということが難しくなってきたという気がしています。そうした状況のなか、改めて“見通し”というもののありようを問う意味でも、この場をかり先のお話を紹介したいと思います。
その他の記事
![]() |
安倍晋三さんの総理辞任と国難級のあれこれ(やまもといちろう) |
![]() |
健康のために本来の時間を取り戻す(高城剛) |
![]() |
「言論の自由」と「暴力反対」にみる、論理に対するかまえの浅さ(岩崎夏海) |
![]() |
ヨーロッパ最大の放送機器展でこれから来る欧州の冬を想像する(高城剛) |
![]() |
街にも国家にも栄枯盛衰があると実感する季節(高城剛) |
![]() |
自民党「カジノ収賄」の前後事情に見る「なんでこんな話に引っかかるのか」感(やまもといちろう) |
![]() |
まだ春には遠いニュージーランドでスマホ開発の終焉とドローンのこれからを考える(高城剛) |
![]() |
ぼくがキガシラペンギンに出会った場所(川端裕人) |
![]() |
ゆたぼん氏の「不登校宣言」と過熱する中学お受験との間にある、ぬるぬるしたもの(やまもといちろう) |
![]() |
グローバル化にぶれないアフリカのエッジの象徴としてのエチオピア時間(高城剛) |
![]() |
“今、見えているもの”が信じられなくなる話(本田雅一) |
![]() |
就活生へあまりアテにならないアドバイスをしてみる(小寺信良) |
![]() |
週刊金融日記 第271号 <美術館での素敵な出会い 傾向と対策 他>(藤沢数希) |
![]() |
ヘヤカツオフィス探訪#01「株式会社ピースオブケイク」前編(岩崎夏海) |
![]() |
ポスト・パンデミックの未来を示すように思えるバルセロナ(高城剛) |