※高城未来研究所【Future Report】Vol.440(2019年11月22日発行)より
今週は、スリランカの南西海岸にいます。
毎年、太陽光が強くロケに向く北半球の春から秋にかけては、撮影のため各国をまわってますが(今年は地球7周し、その間デトックスを続けました)、冬になると「まとめて」トレーニングし、一年分の調整と体力づくりに励んでいます。
今年も、いよいよトレーニング・シーズンに突入しました。
今回は先端予防医学の医師とパーソナルトレーナーとともに、本格的な心身鍛錬のため、長年に渡って訪れているスリランカのアーユルヴェーダ施設からスタート。
この数週間で、キューバ→カナダ→日本→シンガポール→スリランカと、激しい寒暖差と格闘しながら移動し、先週は、激しい気温の落差により季節の変わり目に起きる「寒暖差疲労」についてお伝えしましたが、今週は、「気圧」と、それにまつわる日本とスリランカのアーユルヴェーダの施術の違いにつきまして、お話ししたいと思います。
日本でも「アーユルヴェーダ流」を取り入れているエステティックサロンや医療施設を見かけますが、実は二つの点で、大きな効果が望めません。
ひとつは、スリランカのアーユルヴェーダ施設は、個人によって異なる体質(ドーシャ)から、その人に一番あったオイルを調合して施術し、さらには季節や月の満ち欠けによっても配合を変えています。
これは、国家資格を持つ伝統医療医の診断に基づくものです。
一方、日本の「アーユルヴェーダ流」施設では、すべてのひとに同じオイルを使っていることが大半で、エアコンが効いた室内で行われることから、季節や月の満ち欠けが考慮されることはありません。
この違いは、想像以上に効果に現れます。
もうひとつの違いは、スリランカのアーユルヴェーダ施設は、高気圧の自然のなかで施術される点にあります。
昔から「梅雨時に、古傷がしくしく痛む」という人が絶えませんが、それは、気温や気のせいではなく、気圧に原因があります。
日本の梅雨や台風のような低気圧は、人間の体にストレスを与え、それに抵抗しようとするため、自律神経を不安定にし、調子を崩してしまう人が続出します。
一方、スリランカのような通年「マイルドな高気圧」にある場所(特に春は東海岸、秋は西海岸)は、自律神経を安定させる効果があるのです。
今年訪れたイスラエルにある死海は、海抜マイナス400メートルに位置する高気圧地域でしたが、真夏の中東50度の砂漠と相まって、とても「マイルドな高気圧」とは言い難い場所でした。
ここ別名「緑の島」と呼ばれるスリランカは、程よい気温と気圧のため、環境が心身を安定させる(自律神経を安定させる)、天然の「巨大癒し装置」と言っても過言ではありません。
さて、今回の僕の個人的な探究は、持ち込んだ最新の遺伝子検査と5000年前から叡智が受け継がれる世界最古の医療アーユルヴェーダのドーシャとの関連性を見つけることにあります。
果たして、その相関関係を探究できるのでしょうか?
今年もトレーニング・シーズン開始です!
高城未来研究所「Future Report」
Vol.440 2019年11月22日発行
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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