高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

沖縄の地名に見る「東西南北」の不思議

高城未来研究所【Future Report】Vol.462(2020年4月24日発行)より

今週も、那覇にいます。

週前半の27度以上の日が続く那覇は、すっかり夏模様。
日中、歩くだけでもロンTでは暑く、もうTシャツの季節になってきましたが、一転後半は、ズドーンと重い空が現れました。
長年にわたる沖縄撮影の経験からお話しすれば、この後、好天が続き、それが過ぎるともう梅雨がはじまります。

実は、那覇にいると申しましても、数日おきにホテルを変えておりまして、この1ヶ月半で、市内主要ホテルほぼすべてに泊まったと自負します。
なにしろ、一泊8万円の高級ホテルが、いまなら1万円少しで泊まれますゆえ、この機に那覇中の新旧主要ホテルをすべて制覇しようと考えました。

現在、一番高級だと言われているハイアットリージェンシー那覇は、東京から来たゲストがコロナ感染していた影響もあって、全館閉鎖。
僕が三月前半に宿泊した時点で客足もまばらで、それに感染者が出たとあっては、休館せざるを得ません。
すでに、北部の巨大リゾートホテルも、続々と休館。
ホテルもレストランも同じような傾向ですが、「高級」を冠にしていたところほど、新型コロナウィルスの影響を大きく受けていると思われます。
これは、90年代に日本のバブル経済が崩壊した様相と酷似しているように感じます。

さて、僕のホテル選びですが、まず、次に泊まろうと思うホテルの周辺を、事前にロケハンがてらジョギングして品定めを行います。
次は、久しぶりに温泉付きホテルに泊まろうかと考え、那覇でも海に近く、古い街にある温泉付きホテル周辺を、走ってみました。
そうすると、沖縄ならではの地名を数多く見かけると同時に、大変困惑する交差点名が出てきました。

とある信号機に掲げられた交差点名に「西(北)」と書かれ、なにを言いたいのか、よくわかりません。
でも、沖縄では、北(方角)を「ニシ」と呼ぶはずです。
そういえば、日本でもっとも美しいビーチと言われる波照間島の北部にあるビーチの名前も「ニシバマ」です。
沖縄の方言では、方角の呼び方が標準語とは異なり、東は「アガリ」、西が「イリ」、南は「ペー、フェー」そして、北のことは「ニシ」と呼ぶのです。

と、すっかり沖縄通ぶって悦に浸っていましたが、なんと、次の信号には、ただ「西」と書かれています。

これは、おかしい。

もし、方角の解説をしているはずなら、この交差点も「西」ではなく、「西(北)二丁目」などのはずです。

ただし、下に書かれている英文を見ると「Nishi」と書いてあり、念の為、先ほどの交差点に戻って見ると、「Nishi(North)」と書いてありました。
これにより、「西」とは単なる地名なんだろうなと推察できますが、では一体、「西(北)」の(北)とは、なんなのでしょうか?

そこで、泊まろうと思っていたホテルにロケハンがてらに入って、値段交渉のついでにレセプションの人に、お聞きしました。

そこでわかったことは、「西」という交差点がふたつあって、北側にあるのが、「西(北)」です、とのこと。
なんで、「西一丁目」「西二丁目」などと表記しないのかわかりませんし、次の交差点を見ると「東町」と書かれて、なぜ、「西」ではなく「西町」としなかったのかも、わかりません。
その上、改めて地図を見返しましたが、どこを中心に東西南北と言っているか、まったく不明です。

さらに、東町には「西消防署」があって、西消防署通りにある郵便局は「東郵便局」で、東町にあるたったひとつの公園が、「南公園」なのです。

これらのすべてが、200メートル四方にありまして、泊まろうと思っていた西町のホテルには「イースト館」なるものもあり、東町唯一の病院が「西武門病院」です。
ちなみに、「西武門」は「にしんじょう」と読み、「北にある大通りの入り口」を意味します。
つまり、この場合の「西」は、方角の「北」なんです。

もうサッパリ(笑)。

これだから、旅先のジョギングは、楽しくてやめられませんね。
迷宮のような街角から行政のセンスや歴史がわかります。
 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.462 2020年4月24日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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