やまもといちろうメルマガ「人間迷路」より

安倍昭恵女史と例の「愛国小学校」学校法人の件



 2月9日、朝日新聞が報じた大阪・森友学園の不透明な不動産取引の話は、その後価格が非公表とされていた近畿財務局から「公開の同意が得られた」とのことで最終的な取引額と割安で譲渡された経緯が発表されました。

学校法人に大阪の国有地売却 価格非公表、近隣の1割か

 何しろネタが「公共随意契約」であったため、この森友学園のちょっと変わった教育方針や幾つかの風評がかねてから取り沙汰されている中で、どういうわけかこの土地の利用目的である森友学園が新設する小学校の「名誉校長」に安倍晋三首相夫人である安倍昭恵女史が就任するとなって、騒ぎが拡大した経緯があります。

 わざわざ小学校の名前を「瑞穂の國記念小學院」とするなど、もう少し一般的に受け入れられるものにしたほうが良かったんじゃないかと思うんですけれども。

 話としては公共随意契約で土地が財務局から払い下げられるとなった時点から、何かあるのではないかという風評も立っていて、それに対してわざわざ森友学園が理事長名で中国、韓国を名指しして愛国教育に対する妨害であるという抗議文をネットに掲載するなど、神経質な動きがあったのは事実です。

 安倍昭恵女史の名誉校長就任という話の顛末については何故かリテラが昨年末に記事にしていますが、この土地取引自体は安倍昭恵女史の関係前ではあるため、この辺がどうなのかはとても微妙なところです。

安倍昭恵が「教育勅語」を暗唱させる“愛国幼稚園”新設小学校の名誉校長に! 設立代表者は日本会議幹部
不自然極まりない「軍歌を歌う幼稚園」運営法人の国有地取得の経緯

 そして、菅野完さんが記事にしていましたが、財務省が結局経緯を公表するわけです。もともとの土地代金は10億円弱であるところ、廃材や生活ごみなどが埋設されているためこれへの除去費用として8億円強の控除を行ったとされています。おそらくは、この金額の積算が微妙なところで、土地取引が不当に安いかどうかはこの「撤去・処理費用」が妥当か、また実際に除去がどのように行われたのかにかかってきます。

 しかしながら、この処分費用について8億円必要とされていたのが、実際には1億円ほどであった、という話が後から出てきて梯子が外されてしまいました。これがどう展開するのかは謎です。

財務省「森友学園に国有地を9割引で売却したのはゴミ処理費用8億円を控除したからだよ!」森友学園「ゴミ処理費用は1億円くらいだったよ!」→7億円はどこに?

 これ単体でみると非常に筋の悪い話なので、そこに降って湧いた安倍昭恵女史と取引そのものの妥当性を絡めての話や、私も過去に記事にしたAO義塾など「意識高い」系の文教話は今後もいくつか出てくるのではないかと思います。

「首相夫人はバックドア」安倍昭恵女史の懸念と「AO義塾」の後始末

 個人的には、安倍昭恵女史の話を別件取材で聞く限り、とても人を信じやすく、この人ならと思い込んだ人の言い分を丸呑みしてしまう傾向の強い女性のように思います。それが善意のように(彼女にとって)感じられればどんどんのめり込んでいき、彼女の名前で政治家でも役所でも入っていって、さすがに首相夫人なので無視も無下にもできないということでいろんな無理が通ってしまう、というのが定番のパターンなのではないか、と感じる次第です。

 なんかこう、受け入れられるように見せ方を工夫するとか、別のやり方を考えないといろいろ大変なんじゃないかと思う次第です。

 
 
■2月20日、黒川塾46でカジノ話を喋ります

 このネタはカルト過ぎて客層がいろいろ違うんですけど、今回は黒川塾でやることになりました。
 お相手はカジノ研究家でおなじみ木曾崇さんです。お時間のある方はぜひどうぞ。

黒川塾 46 2月20日開催「景表法、カジノビジネスのエンタメ的考察」 木曾崇(カジノ研究家)+やまもといちろう(投資家)+黒川文雄

 

やまもといちろうメールマガジン「人間迷路」

Vol.180 微妙な安倍首相夫人の素行はどうしたものかと思いつつ、働き方改革やトランプ政権と米IT産業の行く末を考えてみる回
2017年2月15日発行発行号 目次
187A8796sm

【0. 序文】安倍昭恵女史と例の「愛国小学校」学校法人の件
【1. インシデント1】働き方改革とホワイトカラーエグゼンプションの謎
【2. インシデント2】米国において高まる政治とIT産業間の軋轢は今後どうなるのでしょう
【3. 迷子問答】迷路で迷っている者同士のQ&A

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やまもといちろう
個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。サイバーインテリジェンス研究所統計技術主幹など歴任。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。

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