※この記事は本田雅一さんのメールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」 Vol.068「ビジネスとしてのスポーツ、教育としてのスポーツ」(2020年5月17日)からの抜粋です。
東京オリンピックを前にして、スポーツへの注目、あるいは健康志向の高まりといったこともあったのでしょう。さまざまな形でスポーツ市場は大きく広がっていました。僕らが子どものころとは比べものにならないほど多様化し、スポーツを楽しむ側としても、スポーツを観戦する側としても、スポーツを取り巻くビジネス、市場は多様でした。それだけに、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う環境の変化の後、どのような方向に向かうのだろうかと注目しています。
世界中のプロスポーツは、どうすればリーグを維持できるのかを模索中ですが、明確な答えは出ていません。先日、米ゴールドジムが日本の民事再生法に相当する、米連邦破産法に基づくチャプター11を出したことが話題になりましたが、現代人の健康面をサポートしてきたフィットネスジムという事業がなくなってしまうのだろうか? なんて心配をしている人は少なくないと思います。
もっと裾野に目を向けてみると、子どもたちが参加してきたスポーツ教室なども軒並み開催が困難になっています。一部にはリモートでの教室が行われていますが、団体スポーツはいつ再開できるのか、まったく今後のことが見えていません。政府が言う“新しい生活様式”が続く限り、学びの場としてチームスポーツに参加する機会が失われたままになってしまうのでしょうか?
ところで、僕のもうひとつの専門分野であるオーディオの世界。オーディオという文化が停滞していたいちばんの理由は、原体験を得る機会が極めて少なくなっていたからでした。良い音を楽しむ機会、良い音楽を良いオーディオ機器で聴くと、どんなに心地よいか。そんな経験をしたことがなければ、良いオーディオがどうのと言われても、あまり投資をしたいとは思わないでしょう。
昨今、ポータブルオーディオにハマる人が増えたのは、スマートフォンの普及で音楽を楽しむ機会が増えたからに他なりません。同様に、ヘッドフォンに数10万円を投資する人が少なからず出てきているのに、ホームオーディオへとそれが向かわないのも同じ理由からでしょう。
原体験がない中で「あの音はこんな感じ」「この機材で聴くと、いつものあの音楽がこんなふうに聞こえる」といったところで、まるで呪文のようにしか聞こえません。想像力が働かなければ、原体験がない中で、誰かを納得させるのはとても難しい。当たり前と言えば当たり前ですが、新しい生活様式の中で、スポーツに触れる機会が減ってしまうと、子供たちの意識、体を動かすことへのモチベーションなどは、どう変化するのでしょう?
(この続きは、本田雅一メールマガジン 「本田雅一の IT・ネット直球リポート」で)
本田雅一メールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」
2014年よりお届けしていたメルマガ「続・モバイル通信リターンズ」 を、2017年7月にリニューアル。IT、AV、カメラなどの深い知識とユーザー体験、評論家としての画、音へのこだわりをベースに、開発の現場、経営の最前線から、ハリウッド関係者など幅広いネットワークを生かして取材。市場の今と次を読み解く本田雅一による活動レポート。
ご購読はこちら。


その他の記事
![]() |
ベトナムが暗示する明日の世界絵図(高城剛) |
![]() |
働き方と過ごし方。人生の“幸福の総量”とは(本田雅一) |
![]() |
『赤毛のアン』原書から、アイスクリームの話(茂木健一郎) |
![]() |
「自己表現」は「表現」ではない(岩崎夏海) |
![]() |
GAFA+Nの存在感、その価値の本質(本田雅一) |
![]() |
2018年は誰もが信じていたことがとても信用できなくなる事態が多発するように思われます(高城剛) |
![]() |
次の食文化を左右するであろうアニマルウェルフェアネスと環境意識(高城剛) |
![]() |
「外からの働きかけで国政が歪められる」ということ(やまもといちろう) |
![]() |
西村博之(ひろゆき)訴追問題と4chan周辺の迷惑なネタ(やまもといちろう) |
![]() |
音声入力とAIによる「執筆革命」(高城剛) |
![]() |
内閣支持率プラス20%の衝撃、総裁選後の電撃解散総選挙の可能性を読む(やまもといちろう) |
![]() |
人間関係は人生の目的ではない <つながり至上社会>の逆説的生き残り戦略「ひとりぼっちの時間(ソロタイム)」(名越康文) |
![]() |
本来ハロウィーンが意味していた由来を考える(高城剛) |
![]() |
生き残るための選択肢を増やそう(前編)(家入一真) |
![]() |
IoTが進めばあらゆるモノにSIMの搭載される時代がやってくる(高城剛) |