※高城未来研究所【Future Report】Vol.542(2021年11月5日発行)より
今週は、富山、東京、岡山県児島、新見、兵庫県朝来と日本海側と太平洋側を移動しています。
日本海側の山間部に多く滞在してることもありまして、日に日に冷え込みを強く感じるようになって参りましたが、僕以外にも3週間前とはまったく違う気温による「寒暖差疲労」にお悩みの方も多くいらっしゃると思います。
人は体温を調整する際、自律神経を使って血管を収縮させ筋肉を硬くすることで体温を上げる機能があり、一方、汗をかくことで体温を下げる機能が働きますが、短い期間で何度も切り替わると自律神経が過剰に働き疲労を誘発します。
これが「寒暖差疲労」です。
僕自身の経験からも、厳しい時差ぼけより南半球と北半球を往復するような寒暖差、例えば1月に灼熱の南米から氷点下の北米に移動するのは大変堪えます。
季節の変わり目に風邪を引いたり、体調を崩したりする人の大半も「寒暖差疲労」が原因で、具体的な初期症状としては、身体の冷え、めまい、頭痛、肩こり、ほてりなどですが、身体だけでなくメンタルにも支障をきたしてしまう人も少なくありません。
寒暖差が激しいと、脳を含めた臓器に働きかける交感神経(アクセル)と副交感神経(ブレーキ)を同時に踏むような混乱が生じ、自律神経がアンバランスになることから精神に影響を及ぼし、自覚なくとも多くの人が睡眠障害(眠れない、眠りが浅い、夜中に目が覚める、朝早く目が覚める)に陥ります。
また、落ち込みやすくイライラし、時には人間関係も悪化。
夏には良好だった人と些細なことで言い合うようになってしまうのです。
なかでも寒暖差疲労になりやすい人の特徴は、手足が冷たく感じる人、熱中症になったことのある人、普段の生活が不規則な人、飲酒が多い人、常にストレスや心配事を抱えている人などの他、ヘルペスなどのウィルス保持者は、季節の変わり目に注意が必要です。
対策としては、気温と体温の差を調整するため、朝飲んでいた水を白湯に変えたり、暑かった数週間前の衣服と同様生活習慣をいち早く変えることが大切で、他にも抗ウィルス薬を試しに飲んでみるなどの対処方法もあります。
しかし、人は不調にならないとなかなか気が付きません。
年中適温に保たれるエアコンのなかで暮らしていると自然の摂理を忘れてしまい、体や脳は「緩やかな切り替え」を望んでいるのに、この声を聞かない(聞こえない)ことが「寒暖差疲労」の大きな原因となるのです。
気がつくと日差しが、すっかり優しくなって参りました。
急速に冬の足音を感じる今週ですが、いまのうちに心身ともに冬に備えましょう(1ヶ月前とは別のことを意図的に行いましょう)。
高城未来研究所「Future Report」
Vol.542 2021年11月5日発行
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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